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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第17章 塔と代弁者と愚か者たち

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(3) 聖魔の塔

 四属性の塔に対して、北と南の塔を聖魔の塔と呼ぶことにした。
 階層の広さが違っているので、区別するのにも丁度いい上に、そもそも世界樹とヴァミリニア城がアマミヤの塔から移動しているので、神力の発生状況が違っている。
 現在の塔の管理で使っている神力は、聖魔の塔からの物がほとんどだった。
 アマミヤの塔に関しては、第九十一層の上級モンスターの討伐分があるので、自前で稼げているという状況だった。
 神力が豊富にある聖魔の塔は、それぞれコレットとシュレインが管理しているのだが、それぞれの豊富な神力があるのを生かして、色々な物を設置しているようだった。
 だが、手当たり次第に設置をしても眷属たちの進化にはさほど影響を与えていないようだった。
 そもそもどういった目的で使う物なのかも分からないような設置物も存在しているため、ただ置いているだけでは意味がない物もあるのだろう。
 もっとも、そういった設置物は、アマミヤの塔にも存在している。
 ごく普通に<石ころ>なんて言う物も存在しているのだ。
 説明文を読んでも「ただの石ころ」としか書かれていない。
 最初は、何かに化けたりするのかと思ったのだが、左目を使ってみても本当にただの石ころだった。
 一つだけ設置して確認したのだが、最初は他の石とまぎれてどれが設置物か分からなかったくらいだ。
 しょうがないので、拠点の建物内に置いて判明したのだが、全く意味が分からなかった。
 そんなわけで、設置物にも罠のような物が用意されているのは、他のメンバーも分かっている。
 コレットもシュレインも、余り意味のなさそうな物は避けて設置しているのだが、現状うまく行っていないようだった。
 とはいえ、その豊富な神力を活用して、眷属の召喚陣を多数設置していた。
 ゴーレム一号が出来て喜んだのは、他のメンバーと同様なのだ。

 階層の広さを生かして眷属を増やしているため、四属性の塔とはまた違った規模の眷属の集団になっているため、塔の成長も聖魔の塔の方が早い。
 そして、シュレインとコレットからその報告を受けたのはほぼ同時だった。
「「塔LV5になった」」
「え? ほんと? 早くない?」
 その報告には流石の考助も驚いた。
 アマミヤの塔が塔LV5になった時よりも早い。
「まあ、神力があるからの。好き勝手に出来るのが大きいのだろ?」
「あと、考助と違って結構無茶な眷属召喚しているからね」
 考助が狼と狐を召喚していた時は、なるべく犠牲が出ないようにして設置していた。
 考助にしてみれば、家族みたいな感じだったので、そうなっていたのだが、他のメンバーにしてみればモンスターの一種であるので、あまりそう言う意識がない。
 一応考助の眷属なので、ある程度の気は使っているのだが、この辺は異世界から来た考助との意識の差になっている。
「でもこんなに早くLVが上がるんだったら、他の大陸の塔も結構上がっててもおかしくないと思うんだけど?」
 コレットとシュレインは顔を見合わせた。
 他の大陸の塔も攻略されている塔は、当然ながら存在している。
 何より未だに届く通信文が、他の管理者の存在を示していた。
 だが、他の塔が少なくともLV10になっている痕跡を示す物は一つもなかった。
 これは、アマミヤの塔が塔LV10になった時に出て来た機能で、現在LV10になっている塔を示す一覧があったのだが、そこにはアマミヤの塔以外の名前は記されていないのだ。

「あのな、コウスケ。他の塔のLVアップ条件がどんなものかは分からんが、普通に考えて神になることという条件を満たせると思うのか?」
「そもそもそんな人がいれば、とっくに噂になっているでしょうね」
「うっ・・・!?」
 そもそも考助が、歴史上初の現人神なのだ。
 これは、それこそ神域の女神達から聞いている情報なので間違いない。
「い、いや、ほら。別に神になることが条件になっていないかもしれないじゃないか」
 塔LVのLVアップ条件は、規模によって変わっているという事が分かってきていた。
 アマミヤの塔と聖魔の塔、四属性の塔でそれぞれ違っているのだ。
「それはそうかもしれんが、その前の神獣を眷属にするというのも大概だと思うがの?」
「ついでに言えば、ワンリの存在だって普通に考えればあり得ないんだけど?」
 ナナに関しては言うに及ばず、ワンリとてほとんど神獣一歩手前といったランクになっている。
 そもそも九尾の狐という存在自体が伝説から神話になりかかっている状態なのだ。
 ナナとワンリ。その一人(?)と一匹を眷属にしている時点で、既に普通とは程遠い存在なのだ。
「あー・・・。はい。ごめんなさい。わかったので、それ以上責めないでください」
 シュレインとコレットの視線に耐えきれなくなった考助が、ついと視線を逸らした。

「と、ところで塔LV5になる条件は何だったの?」
 考助のあからさまな話題そらしだったが、シュレインとコレットも元々それ以上言うつもりは無かったので、その話題に乗ってきた。
「吾のところは、眷属を中級モンスターに進化させること、だったの」
「南の塔も同じだったわ」
 シュレインが管理している北の塔も、コレットが管理している南の塔も、召喚している眷属の中で進化を果たして中級モンスターになっている者が既に存在していた。
 アマミヤの塔の<神水>のように、ハッキリした理由はわかっていないが、進化を果たしているのだ。
 逆を言えば、数さえこなせば<神水>のような物が無くても進化するの可能性がある。
 これは、聖魔の塔だけではなく、四属性の塔でも同じようなことになっている。
「うーん・・・。<神水>が進化に関わっているというのは、早とちりだったのかな?」
「いや待て。それは少し早計ではないかの?」
「そうね。<神水>が<神力操作>に関わっているのは、あり得ると思うわよ? 眷属たちのステータスまで見れないから、はっきりとは分からないけど」
 当然だが、シュレインもコレットもステータスが見れるわけではないので、スキルや称号が何を持っているかは分からないのだ。

「そうか。僕自身が見に行ってもいいんだけど・・・ステータスが見れないと不便だな・・・」
 考助の言葉に、コレットとシュレインが苦笑した。
 そもそもステータスが見れるという時点で、普通ではないのだ。
 見れないのが不便ではなく、見れることが便利すぎるのだ。
「いや、普通はステータスなど見れないのが普通なのだからな?」
「それは、そうなんだけど・・・ああ、そうか。だからかな?」
「何?」
「いや。ステータスが見れないせいで、スキル構成とかが見えないから進化の条件とか分かっていないとか?」
 何のことかと言えば、他の塔を支配している者達の事だ。
 そもそもステータスが見えなければ、召喚獣たちが眷属かどうかも見分けがつかない。
 召喚数の多い召喚陣と少ない召喚陣が二つある意味すら分かっていない者もいるかもしれない。
「流石にそんなことはないか」
「いや。案外あり得るかもしれんぞ?」
「そうね。塔を資源が取れる場所、としか考えていない所もあるし」
 そもそも塔に入るのは、冒険者たちがモンスターを倒してそこから素材を得るためだ。
 考助のように、中に町を作ったり、召喚獣を召喚したりするという話は聞いたことが無かった。
 勿論、そう言ったことを知っていて隠している支配者もいるだろうが。
 考助もそうなので、人の事は言えない。
「ということは、変に公開すると戦争とかに召喚獣が使われたりしたり?」
「ああ、間違いなくあり得るだろうの」
 断言するシュレインに、考助は渋い顔になった。
「だったらますます言えないな」
「そうね。言わないほうがいいと思うわ」
 コレットも頷いて同意を示した。
 見るとシュレインも頷いている。
 もともと言うつもりはなかったが、戦争に召喚獣たちが使われることを考えると気軽に公開していい話ではない。
 考助としても別に召喚獣をそう言った争いに使わないという選択肢は取らないだろう。
 いざとなれば、間違いなく召喚獣たちも投入する。
 ただし、コウヒとミツキがいる限り眷属たちを投入しなければならない事態と言うのもなかなか考えづらいだろうが。
 わざわざ災いの種を蒔く気もないので、これに関しては他のメンバーにも言わないように徹底することを決める考助であった。
最後、それらしく締めましたが、わざわざ言いふらすメンバーはいません。
改めて共通の認識にする、と言った意味で書きました。
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