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塔の管理をしてみよう  作者: 早秋
第9章 塔をさらに発展させよう
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9話 いつもの一幕

珍しく管理層での日常を書いてみました。

 各階層を調査した結果。

 狼達と狐達がいる第七層~第九層は、大体四十一層(中級の下)辺りのレベルのモンスターが出現するようになっていた。

 第四十六層~第四十八層は、流石に上級レベルのモンスターが出るようにはなっていないが、それでも平均すると中級の中クラスのモンスターが出ていた。

 エルフやその他亜人たちがいる階層や冒険者たちが進出している階層も調べたが、変化は起こっていなかった。

 念の為、冒険者の立ち入っていない、その他の階層を調べてみたが、ここでも変化は起こっていなかった。

 拠点を作っている階層の中で、モンスターレベルが上がっているのは、召喚獣たちがいる拠点がある階層ということになる。

 召喚獣たちの拠点とその他の階層の拠点との違いは、二つある。

 一つは、各種設置物を設置しているかいないかである。

 ただこれを理由にするには、矛盾点が多い。

 例えば、世界樹やヴァミリニア城は、ユニークとはいえ立派な設置物だ。

 神力を発生する量で言えば、他に設置している物より桁違いに多いのだ。

 設置物から発生している神力が原因であるのなら、まずは第七十三層と第七十六層のモンスターが強くなっていないとおかしい。

 だが、エルフ一族やヴァンパイア一族に確認を取ったが、モンスターが強くなってきたということは言っていなかった。

 設置物でもう一つ考えられるとすれば、設置している数だが、これも考えにくい。

 考助にとっては、考えにくいというより、考えたくないというのが正確だろう。

 安いコストの設置物を大量に設置するだけで、周辺モンスターのレベルが上がるというのは、今後の為にもできれば考えたくない。

 というわけで、もう一つの理由を考えてみた。

 それは、召喚陣の設置だ。

 召喚陣は、召喚獣たちがいる階層以外ではほとんど設置していないので、こちらの方が可能性として高そうだった。

 塔で設置できる召喚陣には、眷属作成用と普通の召喚陣があるが、どちらが影響しているかまでは分からない。さらに、各層内で自然発生するモンスターと普通の召喚陣のモンスターに、違いがあるのかもよくわからない。

 そもそも召喚陣が影響しているかもわからないので、全く手を付けていない階層で試してみることにした。

 試す階層は第十層である。

 小さな泉(神水)、厩舎、神社(極小)だけを設置して、あえてその他の設置物は設置しないことにした。

 そこに、天狐十頭と地狐十頭を連れてきた。

 第十層に関しては、それ以外は何も手を加えないことにした。

 このままの状態で、変化が起きるかそれとも起きないのか、経過観察を行うのだ。

 期間は決めていないが、二、三ヶ月ほど様子を見て、変化が無ければ、今度は討伐用の召喚陣を定期的に設置する予定だ。

 それで変化が起これば、召喚陣のせいだと断定できる・・・はずである。

 長期戦になってしまうが、それはそれでしょうがない。

 眷属たちよりもレベルが上がっているのならともかく、そう言うわけではない。

 神力的な意味で有難いので、モンスターのレベルが上がる理由を急いで調べる必要もなく、特に問題ないと思うことにした考助であった。

 

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 

「それで? 飛龍の騎乗訓練は、どうなったの?」

 ここ数日、考助が出現モンスターのレベルアップについて調べている間、シュレイン達は、飛龍の騎乗訓練に励んでいた。

 それぞれが管理している階層は、大丈夫なのかと思わなくもなかったが、ここ最近は特に問題も起こらずに安定しているので、大丈夫なのだろう。

「問題ないの」

 代表してシュレインが答えて来た。

「へー」

 ここ数日で、かなりの自信を付けたようである。

「何? 信用してないの?」

 半分投げやりな考助の答えに、コレットがそう言って来た。

 考助は慌てて手を振った。

「いや、ごめん。そんなことは無いよ。ちょっと考え事をしていただけで・・・」

「うわの空で、話を聞いていた、と?」

「・・・ごめんなさい」

 なんとなく旗色が悪く感じた考助は、素直に謝ることにした。

 そんな考助を見て、コレットが表情を普段通りに戻して、聞いてきた。

「・・・それで? 何を考えていたの?」

「ああ、いや、大したことじゃないんだけどね」

「?」

「いや、その・・・今日の晩御飯は何かなー、と」

 その答えに、シュレイン達の眉が吊り上がって行った。

「うわ、まって。だからごめんって言ったのに・・・」

 そのまま土下座に移行しそうな考助に、四人はため息を吐いたのだった。

 

 夕食の席。

 今日の夕食は、ミツキ作だ。

 意外と言うべきか、それとも当然と言うべきか、実はメンバーの中で一番料理が上手なのが、ミツキだったりする。

 普段の管理層の食事は、ほぼミツキが一手に引き受けているのだ。

 もちろん、考助が外出するなどで、ミツキにも用事があったりするので、そのときは別のメンバーが作るのだが。

 ちなみに、ミツキの次に料理が上手なのは、ピーチだ。

 以下、コレット、シルヴィア、コウヒ、シュレイン、考助になる。

 シュレインと考助は、料理自体ほとんどしたことがないので、どんぐりの背比べといえる。

 シュレインは元々、御姫様育ちなので、料理する機会などなかった。

 考助は、元の世界では、コンビニ弁当にお世話になっていた人種だ。

 ここ最近では、各階層の管理の仕事も落ち着いているので、夕食はそろって取るのが当たり前になっていた。

 最初のころは、誰かが欠けているのが当たり前だったので、塔の運営もずいぶんと落ち着いてきている証拠だろう。

 食事の席では、塔に関する話はせずに、他愛もない話をすることになっている。

 誰かが決めたというわけではないのだが、何となくそうなったのだ。

 顔を合わせれば、塔の管理の話をしているのだから、食事の時くらいは、というのが暗黙の了解になっている。

 だが、時には、特に考助にとって危険な話に突入するときがある。

 例えば、こんな会話だ。

「あら。ピーチ、そんな指輪持っていたっけ?」

 コレットが目ざとくピーチの指にはめられた指輪を見つけ、そんなことを言って来た。

「これですか~? 前に考助様に買ってもらったんです」

 ピーチの落とした爆弾に、他のメンバーの視線が指輪に集まり、ついで考助の方へと向いた。

 目は口程に物を言う、と言うことを実感した瞬間である。

「いや、待って。別にピーチだけじゃなく、全員にそれぞれあげているはずだけど?」

 考助のその答えに、今度は、全員がため息を吐いた。

「私だけだと思ったのに・・・」

「油断も隙もありませんわ・・・」

「なんというか、流石だの・・・」

「たらしです~・・・」

「主様・・・」

「天然ね・・・」

 珍しいことに、コウヒやミツキも呆れたような視線を向けていた。

 それらの答えに、考助は「ちょっと待て」と思ったが、賢明にも声には出さなかった。

 実はそれらの指輪は、考助が自主的に贈ったわけでなく、それぞれからおねだりされて買っただけだったりするのだ。

 だが、ここでそんなことを言っても逆効果だということは、今までの経験からよくわかっている。

 考助とて、それなりに長くなってきたここでの生活に、馴染んできているのであった。

というわけで、モンスターたちのレベルアップについてふれました。

流石にモンスター討伐するだけでレベルアップしてしまえば、人間、亜人たちが暮らせなくなってしまうので、他の理由でレベルアップしています。

まだちゃんとした結果は出ていませんがw

(通常のモンスターを召喚モンスターの違いもいずれは触れたいです)


2014/5/25 誤字&一部文言修正

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