第9話 予想外。
泳ぎ始めて三十分ほどして……
(もしかして………… これ?)
いかにもな魔法陣を見つけた。
普通の魔法陣よりもデカかったため、すぐに分かった。
(これ、だよね……?)
少し疑いながらも、二人をメッセージで呼んだ。
──────…………
『これが入り口?』
『そうみたいね』
『よし、早速入ろう!』
私達が魔法陣の上にいくと、魔法陣が青く光り始めた。
(この魔法陣で合ってて……!!!)
切実にそう願いながら、私達はワープした。
────……
「ん…… 水の中じゃ、ない?」
「どうやら、ダンジョンに無事来れたみたいね」
「とりあえず、ここが裏ダンジョンだと信じていこ〜…。」
なんだろう…… 薄暗い神殿って感じだ。
「さて、レイを呼ぼう!」
私はレイに、『ダンジョンに入れたよ』と送った。
すぐに『おーけー』という返信が来た。
そして一分ほどして……
『エレメンタルテレポートには距離制限があるらしい』
『つまり、私は今回の攻略に参加できない、ごめん』
とメッセージがきた。
んーと……?それってつまり…………
今回、三人で攻略しないといけないってこと???
レイは私達の中でも一番強い。レイがいない状態で攻略できるか心配だ。
「ねぇ、二人とも……」
「今回、攻略できないかも…………」
「どういうこと〜…?」
「エレメンタルテレポートには、距離制限があるらしくて……」
「その制限に引っかかって、レイはここにテレポートできなかったみたい……」
「じゃあ、この三人で攻略するってこと!?」
「うん」
「そういうことになる」
「「「…………」」」
「……よ、…よし!」
「とにかく、先にっ…進もー!」
私達は現実逃避のように、先へと進んだ。
──────…………
「はぁっ…… はぁっ……」
「ここの敵、なんか強くない?」
「さすが裏ダンジョン、って感じだね〜…。」
モンスターを一体倒すのに、三人が一分間全力で殴りまくった。
これ今回大丈夫かな…………
──────…………
一方その頃、レイは……
────……
「リン達、大丈夫かな……?」
ただ待つだけ、というのも暇なものだ。
おそらくリン達は、一時間ほど帰ってこないだろうから、レベリングでもしてようかな。
(……?)
(……足、音……?)
突然、足音がした。
「あれぇー?ここに人がいるなんて、めずらしぃなぁー?」
「……!?誰ッ!?」
私は咄嗟に、武器を構えた。
「そぉーんなに警戒しないでよぉー」
「でも、それで正解だぁーよ」
「私は『わるぅーい人』、なんだからねぇ」
そう言うと相手は、一気に距離を詰めてきた。
「っ……!」
「盾を構えても間に合わなっ────」
──────……
────……
「あ、レベルアップした」
「強いから、その分XPも多いのかしら」
「多分、そうだね〜…。」
「僕ももう二レベ上がった〜…。」
「このままどんどん進んで、じゃんじゃんレベル上げしちゃおう!」
────……
「────うわぁぁぁぁぁ!?」
私達は今、中ボスっぽいモンスターに殺されかけている。
「このままじゃ全滅する〜………!」
「どうすんの!?」
「…………とりあえず!!!」
「先へ進むよ!!!」
「「分かった!」」
「とにかく走れぇぇぇーーー!!!」
──────………
「はぁ……、はぁ……」
全力で走りまくった。
なんとか逃げ切れたものの、大幅に体力を削られてしまった。
「撒けたは撒けたけど〜…。」
「どっと疲れたわね……」
「ちょっと休もう………………」
安全な場所を確保し、倒れるように座り込んだ。
──────………
────……
「ぐっ……」
盾を構えたおかげで急所はなんとか回避したものの、HPが半分ほど削られた。
「あれぇー?確実に急所を狙ったはずなのになぁー?」
「どうやら、運が強かったみたいだっ……」
「ねッ!!!」
言い終える前に、最高速度で斬った。
「はぁああああッ!!!」
さらに三撃、『神技・抜刀』というスキルでぶった斬った。
これが私が最速で出せるスキルだった。
これで……!
「もう終わりなのかにゃー?」
「なんて耐久力……」
「でも、まだまだッ!」
「『三日月』ッ!!!」
三日月は円弧状の水斬撃を十二連続で繰り出すスキル。
数が多いため、一つ一つの斬撃の威力は弱めである。
「ふぅーん…… やるじゃん」
「ルシファも本気、出しちゃおっかなぁー?」
「ルシファ……?」
その名前には聞き覚えがある。
確か……そうだ。
上位のPKギルド、「Shadow Killing」のギルドマスターの……
でも、なんでそんな人が、ここに?
「ねぇ、あなた」
「もしかしなくても、Shadow Killingのルシファ……だよね?」
「そうだよぉー?」
「私はぁー……」
「Shadow Killingのギルドマスター…… ルシファちゃん、だよぉー!」
やっぱり……
「じゃあそんな人が、なんでこんな所にいるの?」
「普通、第2エリアを攻略しない?」
「それこそ、あなただってぇー」
「なんでこんな所にいるのかにゃー?」
「それは…… 教えられないね」
「あっそ」
「まぁこっちも詳しいこと言えないから、お互い様だねぇー」
そう言うとまた、一気に距離を詰めてきた。
「私、AGIには自信、あるんだぁー」
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・スキル
魔法とは別で、武器に二つまで装備できる。
スキルにもMPを消費する。
魔法と違いレアリティは存在しない。
・神技・抜刀
光属性の斬撃を三つ高速で繰り出すスキル。
・真月
水属性の斬撃を十二連続で繰り出すスキル。
斬撃一つ一つの威力は弱めに設定されている。
・ルシファ
BALOで上位のPKギルド「Shadow Killing」のギルドマスター。
・レベリング
長時間モンスターを狩るなどして大幅なレベルアップを目指す行為。




