6.確認と準備の一緒
「さて、講義とは言ったがまずは現状の確認だ。時雨澤、お前は今リングを持っているか?」
冷静な口調で話しかけてくる三条先生。
「いえ、着けた瞬間に破裂しましたぁ!」
明るく、ふざけているような感じで返す私。
「そうか、。まさか、着けた瞬間に、とはな。」
まさかとは言うが驚いたということが感じ取れない声を出して言った。
「何か、やばいことですか?」
「いや、やばくはないむしろここにすぐ来るわけが理解できる良い報告だ。そのリングが破裂した後はどうした?」
「なんか、深刻そうな顔した先生たちに連れられて色々な検査されましたね。」
「なるほど、運営の奴らはさぞかし困惑していただろうよ。今まで、リングが不具合を起こすはいたが今回は破裂だもんな!しかも、事情を知らない奴らを対処に当てたせいで高級な検査機もパァというわけだ!ハハハ!」
なんか邪悪な声と顔で笑ってる。これは通報いてしまえば先生はすぐに警察さんたちに事情聴取に連れて行かれるやつだ。
「はぁー、まぁ運営のやつらの事はいいか。重要なのはお前は弾かれ者になる資格があるっていうことだ。」
ふむ、さっきから出ている弾かれ者とはなんぞや?
「……弾かれ者を説明するにはこの湖群学園について説明しなくてはならない。」
ありゃ、表情に出ていたか。でもこれはいいチャンスだ。
「ハイ!先生、転入のときにこの学園は少し特殊だよ。くらいの説明しかなかったので細かいところまで知りたいです!」
先生の話に少し割り込んで質問する。
「・・・・っ!」
その瞬間、先生の表情が冷静なものから……鬼の形相を浮かべている?
「良いことっをっ教えてっやろうか!時雨澤 秋、俺はなぁ話を遮られるととてもいらつくからしないほうが良いぞぉ~」
鬼の形相を浮かべつつ、なんとか振り上げそうな手を抑えてってマジで殴りそうじゃん!この人も結構理不尽なタイプな人ぉー!?
「えっと、なんかあの、すみません!」
こういう時は謝るに限る!
「ふぅぅ。まぁ、何だ俺は話を遮られるのがとても嫌いなんだ。だから、絶・対・に・遮るなよ。」
それはそれとして、この人の反応面白いな。後でどっかのタイミングでイジろう!
「じゃ、話を再開する。まずはこの湖群学園のことについてだ。」
ホワイトボードに向かってなにか書き始めてる。
「この、湖群学園は日夜面積が増えたり減ったりしているせいで正確な面積はわからないが半端な島国より大きい面積でできている。もはや規模的に国と言っても過言ではない学園だ。どうしてこうなったかは、この学校特有の権力システムも絡んできていて、この学園ではおよそ、120年前から権力システムというものが採用されてきた。このシステムは基本普通にテストの成績が良かったり、授業態度が良かったりと学校のルールに從って、模範とされる行動を取ることで権力ポイントという自分の権力の度合いを示すものが上昇する、逆に生活態度が悪かったり、学校のルールを違反したりすれば減少する、こういった誰でも思いつきそうな人を縛るためものだな。」
ここで、少し私の状態を省みてみよう!わたしは超絶まどろんでいる!
「この権力ポイントはポイントの数が高いと特権が付与され、ポイントが低いと逆に縛りが課されることになる。このシステムはこの学校の風紀を守る仕組みと言っても過言ではないな。もう、お前が微睡んでいる頃だろうから、色々割愛するとこのシステムを使ってこの学園を広げた生徒がいる。」
ここで、私は長話が終わったことを察して目を覚ました!
「それがこの学園の歴代権力保有者たちだ。」
ここで私は反射的に
「ふむ、権力保有者ってなんですか?」
・・・と聞いてしまった。
「ふむ、時雨澤 秋権力保有者についての説明はいらんようだな。」
ここで、私はさっきの言葉は失言であると思い至る。
「あーーー!前言撤回、さっきの言葉取り消し、取り消しーーー!超聞きたいでーーす!」
私の命乞いにも似た謝罪の言葉の結果はいかに
「じゃ、次の弾かれ者についての話を進めるぞ。」
何もなかったの如く無視されてしまった。だが!何も言わない。次なにか言ってしまったら話自体が打ち切られそうだから!無情にも!無情にも!!
「弾かれ者はこの学園の生徒が当たり前に身につけられるAIリングを着けられない者がなる職業のようなものだ。弾かれ者がつけられないこのリングにはありとあらゆる便利機能とこの学園で生活するうえでの必要な機能が搭載されている。だが、弾かれ者はこれをつけるとリングの方に何らかの不具合が生じてしまい、使えなくなる。これが弾かれ者と呼ばれる原因だ。」
ホワイトボードにリングと人を表す絵が書かれる。
「だが、だ。弾かれ者が弾かれ者であるゆえんはそれじゃない。原因は後2つの特権と仕事があるからだ。」
ホワイトボードに更に書き足される学園の絵
「そして、この特権と仕事の上で語らないといけないのはこの学園の成り立ちだ。」
三条先生は少し押し黙ったような感じで間を作り。
「時雨澤 秋、俺はお前に確認したい。」
と言い放った。
「なにをですか?」
私は軽く答える。
「お前はこの話を聞いた後から、もうこの学園を卒業する以外で外に出れることはほとんどなくなる。
そのうえ、弾かれ者の仕事は歴代の奴等全てが誘拐、失踪、行方不明、死亡または何らかの措置でこの学園を出られなくなっている。つまり、お前は兄を探すヒントを得るのと同時に今までの弾かれ者を手玉に取ってきたものを相手にしなくてはいけないわけだ。しかも、弾かれ者である以上別の火の粉も降りかかってくる。だが、それ以上にお前を苦しめるのは弾かれ者の義務だろうが… 改めて聞くぞ。」
厳格そうに苦しそうにいう三条先生の姿
「時雨澤 秋お前に覚悟はあるか?」
「はい!」
明るく。しかし、そのすべてが分かっているかのように答える私。
「やっぱり、私は兄に会いたいしそのためにこの学園に来たんですから!そのためには、毒だろうが爆弾であろうが飲み込む覚悟です!」
数瞬の間そして、
「そうか、なら良い。」
私の覚悟の宣言を聞いて目を細めてどこか諦めと嬉しさを混ざらせた声を出した三条先生がいた。
「じゃ、さっさと教えて準備を終わらせてもらうか。」
また、冷静な口調に冷静な表情でいかにも厳格そうな感じを漂わせる。
だが、今回はほんっの少しだけ嬉しそうに
「では、講義を始める」
「はい!」




