4-37 直江津王国の後始末
直江津王国の後始末
直江津王国の神殿前の広場にオヤジや移動するグループや若と弓使いが戻ってきた。
佐久の巫女は、王や宰相がいる執務室に入った。挨拶をした後、早々に巫女が話し始める
「南の国の兵どもは、100名ほどいましたが、全て片付きました。」
片付いた?宰相も王も信じられない。という顔をして見合った。宰相が、部下に見て参れと命じる。
広場にいた若や弓使いが部下たちを導き、直江津王国の民も、春日山の山奥に入ることになった。
若や弓使いの案内もと、山奥の罠の後や大きな亀裂の落とし穴、熊と争って、倒れてる兵たちを見つけ、片付けが始まった。
部下が確認すると、すぐに執務室に戻った。
「王にお伝えします。春日山には、数多くの南の国の兵と思われるものが、倒れており、罠や大きな亀裂を発見いたしました。正確には分かりませんが、争いがあり、倒れているのは南の国の兵のみでございました。」
王も宰相も深く安堵し、しかし佐久の巫女がした事を認めざる得なかった。深い沈黙が走った。
そこに、騒ぎを感じて、春日山の巫女が執務室に入って来た。
「お父様、外が騒がしくなってます。何があったのでしょうか。」
王がこの期に及んで、仕方ないと切り返した。
「巫女よ、王と呼ばんか。そんな事では、巫女としての務めも憚らんぞ。」
佐久の巫女が答える
「春日山の巫女様、騒ぎは終わりました。安心してください。南の国の兵はすべて片付けました。もう大丈夫ですよ」
宰相は大きく頷き、続けた。
「巫女様、佐久の皆様方が、南の国の兵に対抗して、倒してくださいました。兵は100人余りいたそうです。我々は助けられたのです」
宰相は、しっかりと分かった。直江津王国は、助けられたのだ。王も宰相も自覚するしかなかったのだ。
余りにも大きな貸しであった。
しかし佐久の巫女が続けた。
「我々は王族の血を引き継ぐ、同じ弥生の民です。この血で、私ども佐久の巫女は、大きく成長いたしました。縄文巫女の血筋こそが、われわれの力なのです。」
宰相は、そういうことかと理解した、では春日山の巫女にも可能性はあるのかと思った。
春日山の巫女は、何が起きたのか、堂々と父である王に対峙する佐久の巫女を見て、気圧されていた。何かを話したい、でも言葉にならない。
すると佐久の巫女が続けた。
「春日山の巫女、まだ途中なのでしょ、戸隠へ戻りなさい。さすれば、戸隠の巫女が、縄文の力に導いてくれます。しっかりやってください」
春日山の巫女は、それでも、答えが見つからなかったが、王は続けた。
「南の国の話があったので、何としても春日山の巫女は戻さなければと考えたが、そうか、戸隠での修行は続ければ、そなたのような力が、、、」
佐久の巫女は少し笑いながら伝える
「修行は、縄文の理を学ぶことです。巫女としての力は自分でも分かりませんが、とにかくしっかり学ぶことですよ」
王は、戸隠で何が起きてるのか、何を学ぶのかを理解できなかったが、佐久の巫女が言ってることを春日山の巫女も素直に聞いているのを見て、これならと考えた。
収穫の秋が近づいていた。
真っ青な空が晴れ渡り、太陽は高く、しかし日の力は少しづつ、穏やかな光に変わっていったのであった。




