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姉弟…6

面白いと思っていただければ幸いです。

評価やコメントも頂けると、今後の励みになります。

拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。

<毎週土曜日掲載>


さて、姿も変えて、首輪も無くなったと、こんな所はさっさと出るか。

しかし・・・俺も裸だし、こいつ等も着てた服がなぁ・・・。

さて、そんな趣味は無いけど、近くで眠ってる奴らの、服をちょっと拝借するかな。


檻の隙間を抜け出してって、そもそも巨人用だから隙間大きいし、難なく檻の外に出てさっさと衣服をはぎ取っちゃいますか。 大きさ違いは、この際無視無視でっと---。

奴隷の服(?)は色々目立つだろうし、監視や管理役の人族から・・・って、二人ともぼうっとして、立ってる場合じゃないぞ。


「おい! お前達も早く、その辺の人族から、服を脱がせろ」

「あっ、う、うん・・・」


ごそごそと衣服をはぎ取るが、脱がされる側も、周りも深く眠ってるから、そんな事には全然気づくこと無い。 てか、脱がしがいがないな。(ごひゅっ・・・何故か、腹パンされた気が)

さ、さて、脱がした衣服を着て倉庫からの脱出は、そんなに時間も掛からず問題ではなかった。


問題が起こったのはこの後で、目立たない程度の駆け足で人通りを避け、宿屋に向けて進んでいた途中で、おかしいなことに気付いた。 足音もそうだけど、姉弟が通った後は何故か、重量のある物が通った後のように、そう! 荷物を積んだ馬車の轍の跡のように、地面に足跡の凹みが続いているって・・・・・・ま、まさか!! 変化は見た目だけで、自重は変化しない、っと・・・・・・・おぅ。


う~ん。 ここまでの足跡は消せないし、かと言ってこのまま進めば、後を辿って追手に捕まってしまう。

・・・おっと、急に立ち止まったから、二人が不安げな表情してるな。 長く試案してる訳にもいかないし、さてさて此処からどうするべきか・・・・・・っ!!


勇気・剛毅(アウダキア)信仰・忠実(フィデス)!』

『『我らが主よ』』

『力を貸せ!』

『『我らが主の望む(想う)ままに』』


意識を集中し真名(ルーン)を、(ヴィータ)の光を感じる。

(アクア)(イグニス)を、混ぜ併せるように意識していく。

此処は北の地、街の外同様に夜ともなれば、路地にも雪が積もっている。 そこへ氷の道を想像(イマージン)し、集めた力を進行方向に振るう。 うん! 雪がいい感じで固まって、俺が乗っても踏み潰される感じは無いな。


確認を終えて振り向くと、また二人とも目玉ひん剥いて、何? やっぱりそれ、流行ってるでしょ!

こっちは真面目にやってるのに、ほんと失礼な巨人だよまったく。

まあそんな反応はほっといて、とにかく二人が乗っても問題無いか、乗るように促して確認しなくちゃな。


「おい! 呆けてないで、此処に乗ってみてくれ」

「えっ、ああ、うん・・・こ、こう?」

「ん? ああ、そうそう、そこに乗って、ちょっと歩いてくれ」


うんうん。 特に問題無さそうだな! よしよしっと、これなら雪が凍ってても、違和感は抱かれないだろうし、夜が明ければある程度は溶けてくれるだろう。 途中までの痕跡は今からじゃどうしようも無いけど、此処から先に痕跡を残さない、いい方法だな!・・・だよ、ね?ね?


そこからは途中途中、止まりながら氷の道を通り、だいぶ夜が更けて宿屋に着いた。

一旦、宿の裏で二人を待機させ、階段を上がりヴィの待つ部屋へと向かう。


コンコンコン・・・・。


直ぐに部屋の戸が僅かに開き、暗い通路に部屋の明かりが漏れ、ヴィが隙間から覗き込んできた。

俺だと分かると、中へ迎え入れてくれる。

中に入って、戸を閉めると―――。


「ジ、ジーク!」

「しー、静かにしろよ」

「あ、うん。 ごめん・・・で、でも、心配したんだもん・・・」

「お、おう・・・ま、まあ、こうして帰って来たし、なんだ、その」

「うん。 お、お帰り・・・」

「あ、ああ、た、ただいま・・・」


な、なんだ? この会話は・・・・・・ま、まあ、良いか。


「あっ、ヴィ」

「ん? なあに?」

「服、持って帰ってもらった。 あれ、出してくれるか」

「あ、ああ、うん。 はい」


ヴィから衣服を受け取ると、今着てるのを脱いで着替える。


「ちょっ、ジ、ジーク!」


うん?何かヴィが手で顔を隠しながら、抗議(?)の声を出してるみたいだが、ただ着替えてるだけなのに意味が分らないな。ってか、指の隙間からチラチラこっち見てるけど、ま、やっぱ意味分らないし、その間に着替えを済ませ、無事二人を連れだした事、裏側で待たせてる事を伝える。

早くしないと不安な状態で、長々と待たせる訳にいかないしな。


「で、ヴィ。 二人を助けてってか、連れて来たけど・・・」

「う、うん・・・」

「今後の事を、考えないとだな」

「うん・・・」

「さて・・・で、どうしよっか?」

「どう、って、わたしには、分んない・・・」

「だな。 俺もどうするか、これといって考えてた訳じゃないし、さて、どうしたもんか。 まあ、取りあえずは、匿う場所を確保する方が先決だよな」

「・・・うん」

「と言っても、何処に匿うかだけど一旦は、この宿屋しか無いよな~~」


ふむぅ~、助けたは良いけど、どうするかは深く考えてなかったし、色々と問題だらけなのは間違いないな。 今から女将さんに声かけると、怪しさ満点なんだよなぁ。 一先ず俺の部屋へ入れておくかな?


「ま、その辺は、明日改めて考えてくか。 どうにかして、ブレナン達にも相談しなきゃな。 そいじゃ、二人を俺の部屋に案内し・・・あっ!」

「なっ、何?! ど、どうしたの?」

「あ、いや、その、だな・・・」


やっべ、あの二人を部屋に、入れないじゃないか!

絶対、いや、間違いなく、床が抜けるぞ・・・ぐぬぬぬっ、此処でも重量問題が絡むか。

し、仕方がない。 た、確か宿の脇に厩があったはず・・・そ、そこで一晩明かしてもらう、か。


「ヴィ、ちょっと行ってくる」

「えっ! ちょっ、待ってよ。 何?何処行くのよ?!」


自分の部屋に一旦立ち寄り、荷物の中から毛布を引っ張り出し、それを持って二人の元に向かうと、寒さの中震えて待っていてくれた。 って、まあそうだよな。行く宛があるわけじゃないし、早く匿ってやらないとな。


「すまない。 待たせたな」

「あっ、う、ううん。 そ、それで、これからど---」

「ああ、うん。 その、だな。 宿屋の俺の部屋をと思ったんだが、このままだとちょっと無理なんだよ」

「えっ・・・あ、うん・・・」

「ああ、そお落ち込むなって、なにもこのまま放り出さないから」

「・・・」

「と、取り合えずだな。 さっきの事を思い出して、もう一度姿を変えて欲しいんだが」

「えっと、な、なに、かな?」

「ああ、俺がお前たちと会った時の、(ラットゥス)想像(イマージン)してくれ」

「う、うん。 わ、分ったわ。 コ、コゥも、ほらっ!」


一度姿を変えた為か、難なく二人の姿が変わっていく。って、ちょっとでかいな、巨人の感覚はこんな感じなのか・・・まっ、まあいいか。


「う、うん。 その感じで、大丈夫だろう」

「・・・」

「本当は温かい部屋の中で、ゆっくり休んで欲しいんだが・・・すまない。 俺の勝手で連れ出しといて、そのだな・・・今晩だけそこの厩で一晩明かして欲しい・・・」

「チュー・・・」

「寒いとは思うが藁に潜れば、少しは暖も取れると思う・・・また、明日改めて今後の、そう今後の事を話そうな」


二人を厩まで連れて行き、藁を敷き集め寝床を整え、持ってきた毛布で二人を包んでやる。

雪も積もって外気は冷え込んでいるが、これで凍えることは無いと思いたいが・・・今は、これ以上の事は出来ないしな。


再度部屋に戻りヴィに、今後の事を考えるのは明日にし、今日はこれで休むことを伝え、俺も自分の部屋に戻り、暫し眠りに落ちる事にした。


◆◇


そして翌朝・・・。

十分とは言えないが、少し眠った事で頭はすっきりしている。

身支度を簡単に整え部屋を出ると、丁度ヴィも身支度を整えて、こちらに来ようとしていた。


「ヴィ、おはよう」

「あっ、ジーク。 うん。おはよう」

「さあ、あの二人を迎えに行ったら、朝食でもゆっくり食べるか!」

「そ、そうだね。 うん!そうしよっ!」

「よしっ! じゃあまず、あの二人の服を準備しないとな。 俺とヴィの予備を、持って行って着せようか」

「わ、分かったわ! 直ぐ準備する!」


出たばかりの部屋に戻り、其々の衣服を持って下に降りて行く。

まだ朝も早く、奥の厨房からは、調理の音が聞こえてるが、一階の酒場に人は居なかった。

さっと表に出て厩に向かい、寝ていた二人を起こして再度、人目に付かない宿屋の裏側にまわる。


「二人とも、おはよう。 ゆっくり、とは休めてないだろうが、これから朝食でも食べながら、今後の事を含めて、話をしてみないか?」

「・・・チュー」

「? ああ、もうその姿はいいぞ。 元のぉ、と言っても・・・そうだな」


どんな姿になれば、怪しまれないだろうか? ヴィに意見をと思い、その姿を眺めて・・・ん? ああ、そうか。 ははっ、多分これなら大丈夫かな?


「ああ、おま・・・ん゛ん。 えっと、ターニャだったよな? で、そっちはコゥだよな? 今から二人には―――――」


少しして、表通りに人が居ない事を確認し、ヴィと共に出て来たのは・・・幼さの残る顔立ちに、燃える様な紅い髪を木綿の布で纏めた人族の少女と、黒髪で目元まで覆われ、顔立ちは分からないが、ずんぐりした体形のドワーフの少年だ。 ターニャの服は丈が短いし、コゥは逆にだぼだぼで、後でそれらを揃えないといけないな。


しかし・・・ふふふっ・・・・・・ふははははっ! さあ、見て驚くがいいっ!! って、誰に向かって言ってんだ俺は? ま、まあいいや。 改めて、ターニャとコゥの姉弟には、姿を変えてもらったわけだが、背格好や容姿が似ていれば、何が切っ掛けで人目に付くか分からない。

なので、姉は人族、弟はドワーフと、姿形を変えてもらい。 見た目だけなら、誰も二人を巨人族とは思わないだろう。

まあ、この街を離れる当面の間だけ、誤魔化すことが出来ればいいわけだし、さあ、腹も減ったことだし、みんなで温かい食事といきますか! これからの細かい事は、食べるもん、食べてからにしよう!


「よっし! 二人とも腹減っただろ? まずは温かい食事を摂って、その後は身の回りの品を買いに行こう、な?」

「あ、いやっ、そ、の・・・」

「ほらほら、さっさと行くぞ! 早くしないと、ヴィに全部喰われちまうぞ?」

「なんですって?!! ジークゥ~~~~~っ!!」

「おっと! さっ、二人とも行こうっ! なっ?」

「う・・・うん。 うん!」

「あっ、こらっ! 二人とも、って置いてかないでよっ! もう!・・・ふふっ」


俺は二人の手を取って、酒場に向かう・・・まあ、何とかなるだろ。


To be continued...

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よろしくお願いします。

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