姉弟…1
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拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。
<毎週土曜日掲載>
装身具が、二つに分かれた。
弄っている最中、頭の中に声が響く・・・。
『 ジジィッ・・・汝が 』
『 ザッジィジッ・・・ 』
『 愛・・・ギィッ 』
『 慈・くくっ・・しみ 』
『 許・・くっ・ 』
『 あはっ・赦し・・ 』
『 供に歩・・おいっ・・・む 』
『 ちっ・・・与え・・し 』
『 力の・まだ・・・ 』
なっ、なんだ!? これは、えっ、あっ、どういう、こと、な、ん、だ?!
キィィィイイイイイインンンンッ・・・・・・・・・・・・
「ぐあっ! ひぅあぁぁぁっ!!」
頭が割れそうな雑音に、脳味噌を掻き回される感覚の中、意識が奈落の底に沈み・・・そう・・・に・・・・・・っはがぁ! と、とにかく、外した腕輪を元に戻さな、いと・・・。
め、目が霞む・・・て、手も震え、て・・・・・・。
カチャカチャカチャ・・・カカッ、カチャッ!
霞む意識の外で腕輪が嵌った音が、聞こえたと思った間に雑音が遠のき、失いかけた意識が急速に戻ってくる。
「ぐぁっ、はぁはぁはぁっ・・・・・」
「いったい、何だったんだ。 はぁはぁ・・・」
「くそっ! また、厄介なことに」
「”ナニカ”と言い、神々と言い、ああっ!俺に、何させようってんだっ!!」
「くそっ!くそっ!くそぉーーーーーーーーっ!」
「ぜぁ、はぁはぁはぁ・・・ふぅふぅ、ふぅ~」
ギッ、キィーーーッギギィィィッ・・・
「ジ、ジーク・・・叫び声、が、した、けど・・どうか、した、の?」
扉が開き、ヴィが不安そうに、声を掛けてきた。
肩で息をしながら、顔だけヴィへ向ける。 若干の怯えと、不安が、その目に見てとれた。
急な事で、直ぐに返事が返せなかったが、今は大丈夫だと、何でも無いと、伝えないと、そう思った。
「んあ、ああ、ごめんごめん。 ははっ、悪い夢を、見たんだよ」
「そ、そう。 うん。 それなら、良かった。 てっきり、また・・・」
「うん? また?」
「あっ! ううん。 何でもないの、ほんとに何でも・・・」
「そうか・・・ごめんな。 心配させて」
「そ、そんなこと無いよ! うん! 全然!」
誤魔化せたとは思えないが、ヴィに不安を抱かせないように、気を付けないといけないな。
「で、どんな、悪夢だったの?」
「ああ、いや、大したもんじゃないよ。 財布の中身全部、ヴィの食費に消えたと言・・・」
「なっ!なぁんですってぇーーーーーーっ! ちょっと、どう言うことよっ!! 心配したのにっ!! キィィィッ!」
「あははははっ、冗談、冗談だって、イテテテッ! ちょっ、やめっ、いたっ、痛いって!」
「もうっ! 絶っ対に、許さないんだからねっ!」
「いやっ、ちょ、ほんと、ごめんって! いやいやいや、弓で狙うな! それ、冗談にならないって」
「言い訳無用! そこで、ジッとしてなさいっ!」
「ギャアアアアアァァァァァ・・・・・・」
ってなやり取りにお互い疲れたところで、馬鹿馬鹿しくなって「とにかく出掛けるか」、と言って街中の散策へと繰り出した。
◆◇
さて、無駄な体力と無駄な時間を過ごし、二人で迷路のような街中を散策していると、当然と言うか迷子になってしまったようで、城壁に近い区画に迷い込んでしまっていた。
そこで、奇妙な集団を見かける。 全員が首輪の様な物を身に着け、身なりも質素とまでは言わないが、簡素な服装で統一されて労働に従事している。
不思議に思い近くで彼らに指示している人に、彼らは何者なのか聞いてみることに・・・。
「あのぉ~・・・」
「あ゛? 何だぁ、お前らはぁ?」
「ああ、えっと、俺達は冒険者で」
「冒険者ぁ? あ~ああ、そう言えば何だ、他の街へ依頼したって言うあれか」
「え、ええ、まあ・・」
「で、その冒険者が、俺に何の用だ?」
「いや、あの集団は、何かと思って・・・」
「うん? お前達、奴隷を見たことないのか?」
「奴隷?」
「ああ、そうだ。 奴らは、奴隷だよ」
「はぁ・・・」
「まあこいつらは、殆んどが犯罪奴隷だ。 殺人以外の犯罪者が、こうして労働を課せられてる」
ど、奴隷かぁ・・・。 中世とかそれ以前の本で読んだ中での事が、今目の前に実際に目にすると、なんだか、ねぇ~・・・・・・。 よくよく見ると性別も年齢もバラバラで、皆一様に悲観と疲れが滲み出た顔してるしな。
「んで、それが聞きたかっただけで、他に用が無いならさっさと、何処かに行ってくれ! こっちは、忙しいんだ」
「あ、ああ、すまないな」
「ったく、おらぁーっ! そこっ、とっとと運べ!」
話を切り上げてその場を離れるが、人が人と思われずに使われてる光景は、見ていて気持ちのいいものではないが、罪を犯してしまった事での結果なら、この世界ではこう言うものだと思うしかないな。
散策を再開しようとその場を立ち去ろうとした時、奴隷の列の向こうから他とは大きさがまったく違う、女?と男?の奴隷が出てきたのが目についた。 何となく気になったけど、まあ係わることは無いと思い、改めて立ち去ろうとしたら、ヴィが服の裾を握って動こうとしない。
「おい、ヴィ。 服を掴まれると、歩けないんだが」
「・・・」
「ヴィ?」
「・・・」
「おい、聞いてるのか?」
「・・・」
「おい、怒るぞ?」
「・・・」
「朝の仕返しか? まだ、やり足りないのか?」
「・・・」
「ん~? ヴィ、おい!どうした?」
ヴィの視線の先を追ってみると、黙ったままあの大きな奴隷を見つめてる。
横から顔を覗き込むと・・・。
「・・・きゃあっ! な、何よっ!」
「何よっ! じゃあないだろが、呼んでも返事すらしないで」
「ご、ごめん・・・」
「で、どうしたんだよ?」
「な、なんでも、さっ行こっ!」
うん? なぁ~んか、おかしいな?
「なあ、ヴィさぁ~」
「なあに?」
「あの奴隷が、気になるのか?」
「えっ!? なっ、ち、違うわよ・・・」
「そうか?」
「そ、そうよ・・・」
「ん~、そっか。 じゃあ、行くか」
「あっ、うん・・・」
で、歩きながら後ろを見ると、付いて来ながらも時折、振り返ってあの奴隷を見ている。
「なあ、ヴィ」
「えっ、あ、ごめん。 で、次は何処へ」
「いいから、ちゃんと話せ」
「えっ、何を?」
「あの奴隷が、どうかしたのか? さっきから、ずっと見てるよな?」
「あ、いや、それは・・・」
「知り合いか何かか?」
「ちが、うけど・・・」
「そうか・・・あのな、もし知り合いだったとしても、今の俺達には何も出来ないぞ?」
「うん・・・」
俯いて、黙ってしまった。
いったい、どうしたってんだ?
「はぁ~、ヴィ。 そんな顔するなよ」
「・・・うん」
「で、どうしたいんだ?」
「えっ!?」
「だ・か・ら、どうしたいんだよ」
「えっと・・・えっと、ね」
そこから、ぽつりぽつりと話は始めた内容としては、あの奴隷は巨人族の子供で間違いないそうで、訳があるににしても奴隷は可哀想で、何とかして助けて、解放してあげれないかと・・・。
ひょっとしてあの時の自分も、若しかしたらと重ねて見てるのか? まあ、可能性としてはあっただろうけど・・・って、駄目だ駄目だ。 人族と巨人族は昔から争っている仲で、下手に俺達が動けばブレナン達にも、迷惑を掛けるだけでは済まない。 最悪の場合は罪に問われ、俺達が奴隷になりかねない。
さて、どうしたものか・・・。
俺の顔を見上げてるヴィの顔を見ると、何とか出来るならそうしたいが「こればっかりはなぁ~」、とそう思ったが一応近くで荷卸ししてる人に、声を掛けて奴隷の事を知るにはどうしたら良いか聞いてみる。
「すみません」
「ん? 何だい、兄ちゃん。 何か用か?」
「手を止めさせてすまないが、奴隷について詳しく知るには、どうしたら良いか教えてくれないか?」
「奴隷だって? あ~、俺は分からないが、この先に奴隷商があるから、そこに行ったらどうだ?」
「奴隷商?」
「ああ、そこの道を中心部に向かって歩けば、大きい建物だから直ぐに分かるさ」
「そうですか・・・いや、助かった。 ありがとう」
「ん? ああ、まあ役に立てたなら良かった。 じゃあな」
と言うことで、奴隷商に行って、話だけでも聞いてみる事にする。
言われた通りに歩いて行くと、確かに他の建物とは別格の、大きな建物が目に入ってきた。
奴隷商と言うからには、てっきり裏通りの暗い所に在ると思ってたのに、通りの表向きに建物を構えた立派な造りだった。 建物を見上げつつ突っ立ってしまったが、表で立ってても仕方ないので、中に入ってみることにし扉を潜る。
・・・・・・・・・・・・何? この、煌びやかな内装は? 夢の国?
入口に入って直ぐに、その内装の豪華さに目を奪われ、またまた突っ立ってしまった所へ、従業員らしき人が声を掛けてきた。
「いらっしゃいませ!」
「・・・」
「あの~、お客様?」
「あっ!すみません。 えっと、此処は奴隷商で、間違いないですか?」
「はい! 左様でございます。 本日は、奴隷をご購入でしょうか?」
「あ、いや、直ぐにではないですが、検討しようと思ってまして・・・」
「左様でございますか」
「どうすれば良いか知らないので、お話だけでも伺えればと・・・む、無理でしょうか?」
「いえいえ、高額なお買い物になりますので、ご不安になられるのは良く分かります。 では、詳しくお話を伺いますので、どうぞ此方にお越しください」
「はあ・・・」
案内されるまま、別室へと通された。
「では、何をお聞きになりたいので?」
「あ、ええっと・・・」
奴隷について一通り説明を受けたが、基本的には犯罪を犯した者が奴隷として、隷属の首輪で服従して労役しているそうで、安いものだと大銀貨1枚程度で取引されているそうだ。
で、話を聞いた際に、城壁近くにいた巨人族の子供について聞くと・・・。
「・・・ああ、あの奴隷ですね。 はい、当店でお取扱いしております。 巨人族がご希望ですか?」
「いえ、ただどう言った経緯で、奴隷になったのかと・・・」
「と、言いますと?」
「初めて巨人を目にし、ちょっと興味がありまして」
「左様でございますか、あれは・・・」
あの巨人は冬の始まった頃に、山脈から降りて来たところ冒険者が捕まえ、この奴隷商が買い取ったんだそうだ。で、あの二人は姉弟らしく、当初は餓えと寒さで弱っていたが、寝床と食事を与えて労働力として使ってると・・・。 まだ子供と言うことで、過酷な労働はさせていないが。
後、肝心の何故山脈から下りてきたのか、それは分からってないらしいが、人族の敵であることに変わりはないので、奴隷になるのは仕方がないことだそうだ。 殺されないだけ、まだマシな事だって・・・。
あ、そうそう。 巨人族の姉弟の名前は、女がタ-ニャ、男がコゥと言うそうだ。
「当店で引き取ってから今では、貴重な労働力として重宝しております。 ご購入されるのでしたら、大変良いお買い物になるかと」
「ちなみに、価格はどれぐらいで?」
「はい。 巨人族が生きて手に入る機会も少なく、一匹金貨10枚とさせていただきます。 二匹併せてでしたら、金貨25枚にお値引いたします」
げっ・・・金貨10枚って、手が出るわけないじゃないか。 二人で25枚って、更に無理じゃないか。
ってか、動物じゃあるまいし、匹ってどうなんだ? そもそも、迷い込んで来た所を捕まえて、奴隷にするのは良いのか?
「お見受けするところ冒険者の方のようですし、お高いように思われると思いますが、当都市にご滞在中の稼ぎでも十分購入は可能かと、隷属の首輪で服従いたしますので、長い目で見れば色々と・・・いかがです? お買い上げなさいますか?」
「いや、今回はお話だけで・・・」
「・・・左様でございますか、では、またのご来店を、お待ち申し上げております」
話を終えた俺とヴィは奴隷商を後にしたが、話を聞いてる間中ずっと暗い顔してたヴィは、今も俯いたまま後ろを付いてきている。
さて、お金の問題が解決出来ない以上、悩んでも仕方がないし、出来ることもないんだよなぁ~。
さてはて、また厄介事の予感って言うか、そうなるんだろうな・・・はぁあ~。
そしてこの出会いは、新たな旅立ちへの巡り合いに・・・・・・。
To be continued...
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