合同受注...3
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<毎週土曜日掲載>
講習以来で、ローナン達と出合った。
ローナンから話を聞いてくれと言われ、その話を聞こうとしていたんだが・・・
「なあ、ちょっと話は出来るか?」
「話? 別に構わないが、どうかしたのか?」
「実は・・・」
ちょんちょん・・・
ん? 何か、裾を引っ張られるな。
ちょんちょんちょん・・・
んん? 何だ?
視線を下げると、ヴィが引っ張っていた。
「ヴィどうした? 今、話してるんだが・・・」
「わたしを、紹介しなさいよ!」
小声で、文句を言ってきた。
「あ、ああ、そう言うことか、すまんすまん」
「そういえばジーク、気にはなっていたんだが、さっきから隣に居るのは・・・」
「すまん。 紹介が遅れたな。 ローナン、みんな、紹介するよ。 これはロヴィーサ。 最近、俺の仲間(?)になったんだ」
「初めまして、ロヴィーサと言います。 って、ちょっと! これって何よ! これって! しかも、何で疑問系なのよ!」
「はいはい。 ちょっとしたいざこざがあって、その縁で今は一緒にいるんだ」
「だから! 何で、今はを強調するのよっ!!」
必死に反論するヴィにちょいちょいっと、指でローナン達を示すと『はっ!』とした後は、余程恥ずかしいのか押し黙ってしまった。 静かになって良いが・・・まあ、初対面の人前で、ちょっとからかい過ぎたかな。 反省、反省。
「すまんすまん。 じゃあ改めて、ローナン、みんな、小人のロヴィーサだ。 縁があって、今一緒に居る。 よろしく頼むな」
「ロ、ロヴィーサ、です・・・」
「ああ、よろしく。 俺は、ローナン。 で、こっちがニールと、フィオナだ」
「おっと、すまない。 話の途中だったな。 で、何だ?」
「いや、大丈夫だ。 それで、これからどんな依頼を?」
「ん、ああ、薬草採集だ。 来るのが遅すぎた。 まあ、近場で日帰りだな」
「そうか・・・なあ俺達と合同で、依頼を受けてくれないか?」
「んん? 合同受注? 何故?」
「ああ、知り合いの商人の護衛に付きたいんだが、俺達のランクではそれを受注できないんだ。 他にも色々声を掛けたんだが、俺達みたいな新人は相手してくれなくて・・・」
「まあ、”Ⅶ:セプテム”じゃあ、護衛依頼は駄目だろうなぁ~」
「みんな新人が背伸びして危険な行為をするよりも、近場で経験と実績を積んでからそういうのはやれって・・・」
「まあ、そりゃそうだわな。 だが、それは”Ⅴ:クィーンクェ”も、同じじゃないのか?」
「そこはギルドにも確認したが、最低でも”Ⅴ:クィーンクェ”1名と、”Ⅶ:セプテム”が3名以上なら、護衛依頼の受注は可能だそうだ」
「・・・そうか。 で、何処までなんだ? そう遠くまでは難しいが・・・」
「目的地は西へ二日の距離の、カーリナと言う小さな村だ。 其処から半日先には、港街トゥルクってとこもある」
「二日かぁ~。 で、報酬は?」
「大銀貨1枚だ。 商人は片道のみで、帰りは俺達だけで戻ることになる」
銀貨10枚換算で、5名になるから1人頭銀貨2枚か。 食費なんかを考えると、ちと報酬的には・・・
「その人さ。 昔世話になった人でさ・・・依頼人としてギルド来てて、偶々俺達と再会したんだ」
「話を聞くと、近くで盗賊が出たって聞いて、護衛依頼を出しても報酬が少ないから、誰も依頼を受けてくれないんだって・・・」
「でも、俺達だけじゃ・・・頼む! もう頼めるのは、お前しか居ないんだ」
盗賊ねぇ~~・・・もう居ないとは、言えないしなぁ~。
「う~ん。 すぐ回答が必要か?」
「いや、明後日出発だから、明日にでも返事をくれれば・・・」
「そうか。 なら明日夕方に、此処で落ち合おう」
「すまない。 良い返事を・・・期待している」
「希望に、添えないかも知れないぞ?」
「その時は、仕方ないさ・・・」
「・・・じゃあ、明日な」
「ああ、明日・・・」
そうしてローナン達と別れ、そのまま薬草採取の為に外へ向かった。
ヴィは終始、不機嫌な様子だ。 からかい過ぎたか・・・
「ヴィ」
「・・・」
「ヴィ」
「・・・」
「すまなかったって、機嫌直してくれないか?」
「・・・」
おいおい、これじゃ痴話喧嘩真っ最中の、恋人どうし見たいじゃないか?!
はぁ~、なんだかなぁ~~。
「ヴィってば、返事くらいしろよ。 そんな、怒るなって」
「もうっ! さっきから、煩いわね! ちゃんと聞こえてるわよ! そもそも謝るぐらいなら、最初からしないでよね!」
「っ! おお怖っ、やっと喋ったな。 で、何が気に入らないんだ?」
「ううん。 そんなんじゃないの、あのローナンだっけ? どうして一緒に行くって、言ってあげなかったのかなって・・・」
「うん? ああ、まあ、その、なんだ。 事情は分かったし、知らない仲じゃないんで、手伝ってやりたいんだが、今はヴィが居るからと思ってな」
って、話しながら歩いていると、ヴィが付いてきていなかった。
振り返ると立ち止まって、服の裾握りしめて、その場で俯いていたんだが、逆光で顔がよく見えないんだよな。
そもそも、身長も低いからよけいだ。
ヴィの元まで引き返し、声を掛けると・・・
「ヴィ? どうかしたのか? お腹でも痛いのか?」
「・・・も無い」
「ん? ぼそぼそ言ってたら、分からないぞ? どう・・・」
「なんでも無いのっ!」
急に顔を上げたと思ったら、大きな声を上げて先へ行ってしまった。
ふむ~、いったい何なんだ?
◆
この時ヴィの顔を正面から見た人がいたら、非常に微笑ましく思ったことだったろう。
白い頬を赤らめながら、はにかんだ笑顔を浮かべてたのだから・・・・・・
「おい! 置いてくなよ! 待て、待てって! ヴィ~~っ!」
「知らなぁ~~いっ!」
「おいってば・・・」
その後は機嫌の直ったヴィと(なんで機嫌が直ったのか分からん)、特に危険なことも無く薬草を採集し終え、暗くなる前には街へと帰還することが出来た。
そして翌日も同様に、薬草採取に出かけたが・・・今日の夕方のローナン達への回答を、どうしようか考えていたで、採取の効率は落ちるし品質は悪いわでヴィが怒る怒る。
って、ヴィよりは、多く採取してるからね!
そして何時もより早めに切り上げ、帰り道でヴィにも意見を聞いてみる事にした。
ひとりで決めても良かったけど、一緒に居る以上は一応ね?
「なあ、ヴィ」
「うん? なあに?」
「ローナン達の件な」
「うん・・・」
「受けようと思うんだが、お前はどう思う?」
「ジークが決めたんなら、わたしは付いていくだけよ」
「そうか・・・だな。 まあ、サロ以外の街や村を見るのも、必要なことだろうし行ってみるか!」
「うん!」
「よしっ! そうと決まれば、とっとと帰るぞ?」
そう言って、一気に駆け出した。 当然、ヴィは置き去りです。
何か叫んでいますが、必死で追いかけてきています。
さあ、付いてこれるかな? ふふっ・・・
さて、街に帰り着き、ギルドに向かって歩きます。
えっ? ヴィはって、後ろを付いてきてるよ? 顔が青白いけどね。
「ぜぇ~、ばぁ~、げほっげほっ・・・はぁはぁ、ゆ、ゆるざないんだがらね! ごほっ」
「よしっ! よく付いてこれた。 ヴィ! 凄いじゃないか」
「だ、だばざれないばよ。 ぜぇ~、っく、はぁはぁ・・・」
「いやいや、ほんとほんと。 これなら、遠出しても大丈夫だ」
「じーぐぅぅ、おぼえでなざいよぉ・・・」
そうこうして内にギルドに着いたので、中に入ってローナン達を探そうとすると直ぐに・・・
「ジーク! こっちだ」
酒場の方から、呼ぶ声が聞こえた。
見てみるとローナンが、立ち上がって呼んでくれていた。
俺が来るのを待っていたようで、入った瞬間に声を掛けてくれて助かったよ。
「すまん。 待たせたか?」
「いや、それ程でもない。 俺達も、来たばかりだ」
「そうか。 なら、良かったが」
「それよりジーク、ロヴィーサ大丈夫か? 顔が青いぞ」
辿り着くなり、机に突っ伏してる。
今は机の端に顎を乗せて、荒い呼吸を整えてるみたいだ。
その体勢の方が、逆にしんどくないか? それよりも・・・
「ああ、大丈夫大丈夫。 ちょっと、走り疲れただけさ。 休めば、直ぐに元気になるさ」
「そ、そうか? なら、いいん、だが」
「で、話の件だけど・・・」
「あ、ああ、どう、だろうか?」
そんな身を乗り出さなくとも、近い近い、近いって・・・
「こうして知り合ったのも、何かの縁だし・・・受けるよ」
「そっ、そうか! はぁ~、よ、よかったぁ~~~」
倒れこむ様に、椅子に深く腰掛け、安堵の溜息吐いてるよ。
よっぽど、不安だったんだな。
「ローナン、よろしく頼むぞ?」
「も、勿論だ! 此方こそ、よろしく頼む」
そこからは明日からの、打ち合わせに移行した。
お互い腹も減ったので、飯と酒を飲みながら話を進め、一応以下の事だけ決めた。
まずリーダーだが、これはローナンに任せた。
理由は、経験が浅いのは仕方ないとして、お互いの得手不得手が分からない。 なので、人数が多いローナン達に合わせた方が、万一の際に迅速に行動できると考えてたからだ。
特に反対意見も無かったので、その場はそれだけ決めて解散となった。 明日は、街門前へ集合だ。
ヴィは飯食ったら復活してたので、この後買い出しに行くぞと言うと、死にそうだった顔が・・・・・・う~~ん。(まるで、変○師!?)
そこからは商業区で、携帯保存食と消耗品等も、念のため補充しておく。 ついでに俺とヴィの、背負い鞄もこの際揃えた。 そして、翌日を向かえ。
◆◇
「ローナン! すまん。 遅かったか?」
「ああ、ジーク! いや、俺達も来たばかりだ」
「で、直ぐに出発か?」
「そうだな。 もう少しして、かな?」
その場で待っていると、幌付きの荷馬車が近づいて来た。
御者台には男性が2人・・・
「ロー坊、待たせたな。 よろしく頼むよ」
「ユアンさん。 坊は、止してくださいよ」
「おお、すまんな。 わしにとっては、昔のまんま坊だからのぉ」
「親父さん、彼らが・・・」
「ああ、シネイド。 彼らが、今回の護衛だ」
「はあ、そうですか・・・」
う~ん。 人の良さそうな人だけど、もうひとりは此方を軽視してる、かな?
まあ、別に良いけど・・・
「さあ、道のりは長い。 早めに出て、距離を稼がにゃの」
ローナンが・・・
「よしっ! じゃあ、みんな行くぞっ!」
ニールが・・・
「へい、へぇ~い」
フィオナが・・・
「は、はい!」
俺が・・・
「ああ。 ヴィ、行くぞ?」
ヴィが・・・
「うん!」
それぞれ返事を返し、隊形を整え前面にローナン、左右にニールとフィオナ、後尾に俺達2人が付く菱形を作り、街門を抜け走り出す荷馬車に並走していく。
さて、村まで2日の旅程がどうなるか、問題無く着けるように微力しますかね。
To be continued...
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