討伐...3
今年も、もう終わっちゃう・・・。汗汗
年末年始、連続投稿3日目です。
評価やコメントも頂けると、今後の励みになります。
拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。
<毎週土曜日掲載>
街門を抜け街の外へ出て、街道を逸れて直接東の森へ向かう。
歩いてのんびり進む訳にはいかないので、全員駆け足より早い速度で歩を進めていく。
距離はそれ程ではないけど、多くの冒険者と連れ立て進むのは、一種異様な光景を造出していた。
そうして畑と森の境界の、開けた場所へとたどり着く。
そこからは各自散開し、三日月の形で森へと入っていく。
森の中は静寂が支配していて、鳥や獣の鳴き声すらも聴こえてこない。
左右を見ると、俺達以外の冒険者も、視界内に捕らえられる。
お互いにカバー出来るよう、あまり間隔を開けずに進んでいるからだ。
俺達もオーロフを先頭に、右をブレナン・左を俺・後方にスヴェンが位置し、菱形のような隊形で進む。
そうした時が過ぎ、暫らくすると・・・
「おぉ・・ぁっ・・・」
「・ギィ・ッ」
「・・・りゃぁ・がぁ」
左奥の方から、声が上がった。
どうやら、戦闘が開始されたようだ。
目標の魔物は、近くに居るようだ。
俺達も神経を張り詰め、更に森の奥へと進んでいった。
まだ俺達は遭遇していないが、森の各所からは随時声が上がり、徐々に戦闘が拡大しつつあると思われた。
その時! 俺達の目の前にも、魔物の一団が現れた。
その数は・・・多いぞ!?
容姿を詳しく知らないが、親玉のイムペラートル オルクスらしき奴と、ミーレス オルクスは含まれていないのは良かった。(多分、魔物でも、いい身形(?)してるはず・・・)
遭遇した対象は・・・総数23体。
・オルクス 5体
・ミーレス ゴブリン 3体
・ゴブリン 15体
「ゴフォッ?! ブフゥ---ッ!」
「ギャッ! ギャギャギャッ」
「ギィ-ッ! ギィギィッ」
奴らも遭遇で若干慌てているが、ミーレス ゴブリンが何か指示を出し、ゴブリン達がそれに従っていた。 オルクスは興奮そのままに、こちらに突進してくるようだ。
視線を左右に振ると、両隣のパーティーもこちらへ、合流に向かってくれている。
互角以上の勝負は、出来そうな感じだ。
こちらの総数は俺達が4人と、合流組が4人と3人の計11名となった。
早速オーロフが前面に立ち、盾を構え奴らの注意を引きつけている。
ブレナンに視線を向けると、一歩下がれと合図があったので、スヴェンの近くまで下がる。
そうしていると両隣も合流し、こちらの戦力も揃ったタイミングで・・・
「おおぉぉっ!」
オーロフが叫び声を上げ、盾を前面に構え前進した。
それと同時に奴らもこちらに襲い掛かり、ゴブリンを先頭に、その後ろにミーレス ゴブリン・オルクスの順で続いていた。
オーロフは初撃を受けきり、戦槌を片手に、キトルッルスを割るように、ゴブリンを屠っていっている。 脳漿が飛び散り、辺りを一瞬で朱に染めあげる。
相手は殆んど、抗う事も出来ていない。 圧倒してるな・・・
ブレナンも木立を避けながら、器用に両手剣を使って、相手の死角から切るよりも、突き殺していってる。 こちらも圧倒的だな・・・すでに2人で、5体が倒されている。
スヴェンは、横でブツブツ言ってるけど・・・小声すぎて、聞き取れない。
「世界の根源たる真名よ、命の源・糧たる豊穣の水よ」
「猛き流れとなりて、抗い立つ者を穿つ槍と成れ。 |水牙槍《ウォータ デンス ハスタ》」
何かを言い終えた瞬間、目の前に水の槍が5本現れ、スヴェンが前へ手を振ると、後ろから迫る魔物へ向かって、真っ直ぐ飛びすさっていった。
3本の水の槍を胸と腹に受けて、オルクス1体がその場で倒れ伏し、残り2本はミーレス ゴブリンの1体の、腹と足を貫いて行動不能にしていた。
何気にスヴェンも凄いけど、3人だけでゴブリン5体、ミーレス ゴブリン1体、オルクス1体の戦果だ。 1人だけ何もしてません・・・
残余・・・
・オルクス 5体 ⇒ 4体
・ミーレス ゴブリン 3体 ⇒ 2体
・ゴブリン 15体 ⇒ 10体
他の冒険者も奮戦していて、更に敵戦力が減少している。
辺りに濃い血臭が漂い始める中、こちら側には負傷らしい負傷も無く、優位に戦闘を行えているようだ。
また敵が倒れた。 1人だけ何もしてません・・・(2回目)
残余・・・
・オルクス 4体 ⇒ 4体
・ミーレス ゴブリン 2体 ⇒ 1体
・ゴブリン 10体 ⇒ 3体
おいおい、”新しい絆”の3人は、ランク”Ⅲ:トレース”とあって余裕の戦いぶりだし、両隣に居たパーティーも危なげない戦い方を行っている。
その間も、オーロフ、ブレナンが叩き潰し、薙ぎ払い。 スヴェンは・・・魔術で殲滅している。
そして、また敵が倒れた。 1人だけ何もしてません・・・(3回目)
残余・・・
・オルクス 4体 ⇒ 3体
・ミーレス ゴブリン 1体 ⇒ 0体
・ゴブリン 3体 ⇒ 0体
残りは、オルクスのみとなった。
ゴブリンより体格や体力もあるが、軽傷を負ってるが今では戦力はこちらが上だ。
残り3体程度、時間の問題だろう。
「ブゴォッ! フゴフゴッ、ゴフィッ---!」
「ピィグッ、フィゴフィッ!?」
「ゴフォ、ゴッフ!?」
こちらが迫ろうとした時、1体のオルクスが何かを叫び、残りの2体を置き去りにして、森の奥に向かって駆け出した。
残り2体もその後を追うとしたが、こちら側が追いつくのが早く、不用意に背を晒したのが致命的となり、そのまま難なく倒されてしまった。
「よぉーし! 片付いたな。 重傷者はいるか?」
「問題無い」
「こちらもだ」
ブレナンの問に、他のパーティーが答える。
重傷者は無く、軽傷程度で済んだようだ。
「よし、このまま逃げた奴を追う。 行くぞ!」
「「「「おおっ!」」」」
その後は、死体や血・臓物・脳漿が散らばる中、討伐証明等は回収せず逃げた1体を追って、そのまま進むことになった。 仲間と合流されると面倒なので、追いすがる形を取ったわけで・・・
で、結局1人だけ何もしないまま終了・・・(チーン)
最初の遭遇場所から更に森の奥に進むと、木々の疎らな少し開けた場所に出たと思った。
が、そこは一部の木が、無造作に切り倒された場所だった。
そして、その中央付近には、魔物の大群が犇めき合っていた。
「ブフォ----ッ! ゴフォゴフォッ!!」
「ギャギャギャッ!」
「ギィ-ッ! ギャイギャギャッ!」
「ブモッ、ボフゴォフ!」
「ゴォォォオオオオオオッ!! ブフゥモッ、ボフォブフォッ!!」
「ギャギャ・・・・・・」
これは・・・ちょっと・・・・・・
相手もこちらには気付いており、奇声を上げながら襲い掛かる準備をしているようだ。
回りを見ると他にもちらほらと、冒険者が森とこの場所の境目に見え、徐々にこちらも集まりつつあるようだ。
よく見ると・・・集団の中央にひと際大きい固体、あれがイムペラートル オルクスなんだろうか?
その周囲を取り囲むようにオルクスより一回り大きく、鎧や武器を装備した固体がミーレス オルクスかな?
そんな事を考えていると・・・
「おいおい、団体様がお待ちかねだ。 ジーク! 俺達の後方で、打ち漏らしを狩ってくれ! 決して無理はせず、そして離れるなよ!」
「ぐははははっ! ちっこいの、良かったな! 獲物が、より取り見取りだぁ! おい!」
「ぼそ・ぼそぼそ・・・」
「で、おめーも、しっかり喋れ! 大物を相手する前から、辛気臭いだろうが! あぁんっ! コラッ!」
「オーロフ、少し黙ってろ! 合流した冒険者は、ざっと3分の2ってところか? ”Ⅲ:トレース”クラスは、大体揃ってる感じか・・・馴染みの顔も揃ってるな」
見た目では冒険者ランクは分らないから、どれだけ主力級が集まってるか、俺にはさっぱり分からないが、魔物の集団を囲うようにして、森の中から冒険者達が次々出てきている。
多少の疲労はしているようだが、大きな怪我をしている者はいないようだ。 まあ、その場合は、後方の拠点に下がってるだろうけど・・・
「ゴォォアアアアアアァァッ!! ゴガァァアアアアアアアッ!!」
「ゴフィ----! ゴフォッ!」
「ゴッフ、ゴッフ!」
「ギィーッ! ギャギャッ!!」
「ギャギャギャギャギャッ!!」
魔物たちが、動き出した。
放射状に散らばり、目前の冒険者に向かって殺到する。
「奴らから来たぞぉ! 迎え撃て-----っ!!」
誰の号令か分からないけど、俺達も迎え撃つべく突撃する。
重装のオーロフが、敵の前面へ突っ込んでいく。 獲物も戦槌から、斧槍へ持ち替え、無造作に思える動きで横薙ぎに払っている。 ゴブリンが木の葉の様に舞って・・・
ブレナンも両手剣を縦横に振るい、剣腹で弾き飛ばし・潰し切る形で次々屠っている。 ブーテュールムを切ってるように・・・
スヴェンは魔術で、水の刃や槍を広範囲に飛ばして・・・・・・って、血の海だね。 表現が見付からないよ・・・
”新しい絆”の面々が、奮戦しているのを眺めていると・・・
「ジーク! そっちに行ったぞ!」
ブレナンの叫び声が聴こえ、其方に視線を向けてみると、隙間を抜けてゴブリン2体が、こちらに向かってきていた。 落ち着いて意識を内へ集中し、装身具が淡く光だし頭に声が響く。
今はその声を無視し、長剣と小盾を構えつつ・・・憤怒に命じる。
『憤怒! 戦う術を! 駆逐する力を貸せ!』
『愚昧なる者らよ。 我に、消されろ』
また、体中に何かが満ち溢れ、周りの動きが酷く遅く感じられる。
一歩で1体目に近づき、小盾で横っ面を殴り飛ばす。
その間に二歩目で2体目に迫り、無防備な正面から袈裟懸けに切り伏せ、振り返って起き上がり掛けた1体目を、背後からの振り下ろしで頭部をかち割る。
2体共に致命傷を与え、動くことが無いことを確認して、ブレナン達の方へ視線を移してみると・・・
「ひゅ~ぅ、やるじゃねえか! ジーク!」
「ぼそ・ごぃ・・な」
「何じゃ?! ヌンッ!邪魔だ雑魚がっ!」
「ブモォォオオ・・・」
「ちっこいの、殺れたのか? 目の前が騒がしくて、見られんかったぞ! がははははっ!」
余裕のブレナン達はどうやら、俺を気に掛けて見てくれてたようだ。
危なければ、助けに入ってくれたのだろうか?
「ジーク? お前本当に、初心者か? なあ? よっと!」
「ギィィイイッ・・・」
「いやっ! 本当につい最近、冒険者登録したばかりですよっ!」
「ギャギャギィィッ・・・」
「そうかぁ? おりゃっ!」
「ブフォォッ・・・」
「そうですよっとりゃ!」
「ギャッ・・・」
「う~ん。 あの動きは俺でも、無理だったぞ? そうだな・・・うまく言えないが、早いというより違う時間をっと!」
「ギィヒィィッ・・・」
「まぁ、いいさ。 死なないようにっ! 自分の身は、守れそうだなっと!」
「グゥボファァッ・・・」
若干前線に出て討伐に参加しつつ、変わらず余裕なブレナンとそんな会話をし・・・
「ゴヴォォォオオオオオァァアアアアアアアアアッ!!」
辺りに耳を劈くような咆哮が上がり、一瞬の静寂の後に其方に視線を向けると、それまで動きを見せなかったイムペラートル オルクスが、残余のミーレス オルクスを伴って動き出していた。
いよいよ、ボス戦(?)ですかね?
To be continued...
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