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旅立ち...8

面白いと思っていただければ幸いです。

評価やコメントも頂けると、今後の励みになります。

拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。

<毎週土曜日掲載>


さて、思わぬ出会いもあったけど、次は大き目の町を目指して街道を進もう。


村を出て歩き続ける・・・・・・歩き続ける・・・続ける。


いい天気だなぁ~・・・・・・うん!いい天気・・・天気。


フッ、フラグは、立てませんよ! ええ、立てませんとも!

ただただ畑を両脇に見ながら、歩き続けるから退屈なわけじゃないよ!


ええ、ありませんとも!


独り言ちるのは、秋拡(アキヒロ)の時からだ。

独りで居ることに慣れてるつもりが、転生後の記憶のせいか寂しさが募る。






・・・・・・・・・・・・






畑風景も消え去り一昨日の様な起伏のある地形の草原を、ひたすら歩き続けて日が中天に差し掛かった昼頃、遠く何かの陰影が街道に止まっているのが見えてきた。

何だろうと思いつつ歩き続け、その陰影が何か分るぐらいに近づく・・・馬車? 荷馬車?

はい! 途中で、荷馬車に遭遇です! また、テンプレ?


更に近づくと荷馬車の近くに人影が見えたのと、その様子は襲われているわけではないようだったので、一先ず声を掛けてみることにする。 テンプレだけど~♪ テンプレじゃない♪(某○○ロかっ!)


「あの~、どうされましたか?」

「うん? ああ、旅の人かね。 なに、車輪が溝に嵌ってしまって、動けなくて困ってたんだよ」

「車軸は傷んどらんので、抜け出しさえすればいいんだが・・・もし構わんなら、手伝ってくれんか? 駄賃は払えんが、次の村まで乗せてってやるから」


年の頃は30台半ばかな? 商人(?)それとも、農家の人だろうか? 見た目では、よく分らないな。

荷台には穀物(?)か何かが入った樽や、箱が荷台の3分の2程度積み込まれていた。

何処かに、納めるんだろうか? まあ、乗せてくれるみたいだし、お手伝いしてみますか!


「・・・分りました。 お手伝いします。 どうすれば良いですか?」

「まずはこの棒を荷台の下に差し込んで、車体を持ち上げるようにしてくれ。 持ち上げたら合図してくれ、そしたらアシヌス(ロバ)に引かせる」


持ち上げるねぇ・・・棒を受け取って荷台の下に差し込み、棒の先を支点にして肩で押し上げる。

これって、テコの原理(?)だったけ・・・


「いきますよ! せぇ~のっ!」


アシヌス(ロバ)が引き始める。


ガタッ・・・ギィ、ギィギ・・・ガタンッ!


荷物の量からして重たいと思ってたけど、これは持ち上げるのが辛いな~・・・

上げかたが足りなかったので、溝から出そうで出なかった。 もう一度、同じように押し上げる。


「ほれ、もっぺんだ。 頼んだぞ」

「はい。 いきますよ! せぇ~のっ! ぐぅ~っ」


荷台が浮き上がり車輪が溝から出たので、引き摺られるように荷馬車が動きだした。

自分もその動きに引き摺られるが、動き出して直ぐに車輪は溝から出ることができ、少し進んで荷馬車は止まった。


「ふぅ~、助かったよ。 あんたが来なかったら荷物を置いて、次の村へ人を呼びに行かないといけなかった」

「あ~、それは辛いですよね。 自分はこの先に向かっていて、偶々見かけただけですので、お手伝いできてよかったです」

「さあて、時間を食ってしまったんで、早速先を急ぐとするかな。 ほれ、荷台の後ろに乗ってくれ。 歩いて疲れてるだろうから、着くまではゆっくりしてくれや」

「ええ、ではお邪魔します」


荷台に荷物を乗せ腰掛けると、荷馬車はスムーズに動きだした。


ポックポック・・・ポックポック・・・

カラカラカラ・・・


蹄の音と車輪の回転が、小刻みにリズムよく聞こえ、のんびり旅が開始された。

途中お腹が空いたので、一言断ってから携帯食を取り出す。

パニス(パン)と、カーセウス(チーズ)を、水で流し込みながらの簡単な食事。


その後もお互いに会話することも無く、夕暮れを迎える頃には次の村に着くことが出来た。

何事も無く村へ到着・・・いやいやいや、何も無いのが正しいでしょ!


村門の守衛には、いただいた身分証を提示し、何の問題も無く入ることが出来た。 変に質問されることも無く、入ることが出来るのはありがたい。


ここでも入り口近くの宿屋に部屋を借り、1泊しその日は何事も無く就寝し翌朝を迎えた。

・・・いやいやいや、何も無いのが正しいでしょ!(2回目)



◆◇



翌朝、宿屋を出ると村の入り口に、馬車が止まっていて10数人が集まっていた。

馬車と言っても大きな荷台の縁に、長椅子が備え付けられた簡素なものだった。

何だろうと思い、近くにいた年配の女性に聞いてみる。


「あのぉ~、あれは何ですか?」

「うん? あんた旅人なのに、乗合馬車使ったことないのかい?」

「ええ、まあ。 旅費節約の為に、徒歩で旅しているもので・・・ははっ」

「ふぅ~ん、そうかい。 もし乗るんなら、早く行かないと出ちまうよ」


そう言うと、村の奥へと立ち去っていった。

乗り合い馬車か・・・大きい街へ行けるのかな?

そう思い、御者に声を掛けてみる。


「あのぉ~・・・この馬車は、何処へ向かうんですか?」

「ん? 此処から南西の、サロって街へ行くよ」

「私は旅をしている者ですが、教えていただけるなら、そこはどんな所なんですか?」

「ああ、サロは海岸に面した。 森の地(デ テラ シルウァ)と呼ばれる場所だよ」


ふむ、海岸沿いか・・・大きい街のようだし、向かってみるのも良いかもしれない。


「乗るのかい? 乗るんなら、早くしてくれよ?」

「ああ、はい。 乗ります。 費用は、幾らでしょうか?」

「乗車賃は、銀貨1枚だよ。 途中2日ほど野営するから、その時の食事代も込みだ」


銀貨1枚か・・・いま手持ちの硬貨って、銀貨1枚に大銅貨5枚と銅貨3枚。

次、宿屋に泊まったら、金欠になりますね・・・はぁ~


「じゃあ、銀貨1枚」

「はいよ! 後ろから乗って、奥から順に座ってくれ」


硬貨を支払って言われた通りに、後ろへ回って他の人達と一緒に乗り込む。


奥には先ほど言っていた野営用だろうか、木箱と樽と馬用の飼料(?)と思われる物が、 山積みで積み込まれていたが、それでも以外に広く10数人でも余裕で座れるぐらいだ。

座ってから周りを見てみると、こうした乗り合いの旅と言うのは、女性は行かないみたいで、乗客は全て男性ばかりだったが、その中でも気になる集団が回りにいたので、隣に座った男性に声を掛けてみた。


「あの、すみません」

「ん? なんだい?」

「いえ、初めて利用するのですが、あの武装した人達は何なんですか?」

「ああ、あれは冒険者達だよ。 同じ馬車に乗って、旅の間の護衛をしてくれるんだよ」

「ああっ、そうなんですね」


ほむほむ、あれが冒険者か・・・あれ?

何処かでそれらしい人達を、見たような気がするんだけど・・・気のせいかな?

背格好や体格はバラバラの4人組の男性で、盾と剣を手にした青年と、斧を背負った壮年の男、小剣と軽鎧を装備した身軽な男と、大きなリュックを背負った男だ。

前衛・斥候(?)・荷物持ちかな?

まあ、旅の間の安全が、保障されてるならいいかな。


そうこうしていると、乗り込み口の戸が引き上げられて、馬車がゆっくりと動きだした。

さあ、次は大きい町へ向かって、安全な旅路のスタートだ。






◆◇






出発してから今日で3日経ち、何事も無く順調な旅となっている。

出発前に聞いた食事も昼・夜と、火で炙ったパニス(パン)に、雑多にオルス(野菜)が入ったイュース(スープ)、それとカーセウス(チーズ)と、簡素ながらも温かい食事が取れた。


今日の日暮れには街に着くとのことで、早めに昼食を済ませ馬車は進み続けている。

テンプレ無し?って、良いじゃないか! そんなに次々と、何かが起こってたまるか!

などと思いつつ目線を前に向けると、まだ遠いが街壁の影が見えてきていた。

海沿いの街と言うことで、それなりに大きいのだろうな・・・


そうして日暮れ前に、無事街へ到着することが出来た。

街門には街に入る人の列があったが、夕方のためかそう長い列ではなかった。

並んで近づきながら思ったけど、見上げる街壁には威圧感がある。

まあ、転生前も含めて街を囲むような壁を、見たことが無いのだから当然と言えば当然かな。

そうこうしていると門番の事務処理は早く、余り待たされる事もなく順番が迫ってきていた。

ただ、此処でちょっと問題が発生。


「よし、次の! こっちへ!」


自分の前の人が呼ばれた時、耳を疑う内容が聴こえて・・・


「名前と身分証の提示、入街税として銀貨1枚を、無ければ物納でも構わん」


えっ? 門番さん今なんて? 入街税? ナニソレ? オイシイノ・・・・・・いかんいかん、現実逃避してしまった。

街に入るのに、お金が要るんですか!? 何故に??

どうしよう・・・


「おい! 前より税が、上がってるじゃないか!」

「そんな事は知らん! 此方は上からの指示で、職務を遂行しているにすぎん!」

「それに、その税で魔物や犯罪から、この街と人を守ってるんだ」

「文句があるなら、領主様の処に申し出ろ!」


そうまで言われると、前の人も渋々といった体で、入街税を支払って門を入っていった。

さて、私の番です・・・


「お前、名前は?」

「・・・」

「おい! 名前は!」

「・・・」

「ふざけてるのか! お前は!」


おっといかん、呆然としてしまっていた。


「あっ、すみません。 大きい街は初めてなもので、ちょっと呆然としていました」

「っんむ、うぅんっ! 名前は?」

「はい。 ジークフリートと言います」

「身分証は?」

「旅の途中で紛失しまして・・・」

「何だ? 持ってないのか? なら、仮証明の発行をするから、それを含めて銀貨3枚だ。 ギルドで発行してもらい、3日以内に此処に返しに来るんだぞ。 遅れたら更に、銀貨2枚の罰金だ」

「いえ、あのですね。 前の村で領主様から・・・その、仮の身分証をいただいてまして・・・」

「うん? 仮だと? 見せてみろ」


折りたたんで仕舞っておいた用紙を、広げて門番に手渡すと・・・


「こっ、これは!?」

「あっ、あの~、何か問題でも・・・」

「おまっ! いっ、いや、問題は何も無い。 入街税は不要だから、さっさと中に入れ」

「えっ? でも・・・」

「不要だと言ったのだ! いいからさっさと入らんか!」


あれ? お金取らないの? あれ?


「いえ、でも・・・」

「ええいっ! その貴族印が押された書面に、この者の手続きに関する便宜を図れと、そう書かれておるのだ!」

「後ろが閊えるから、さっさと入ってくれ!」


なんですって!?

受け取った時もその後も、ちゃんと書面の内容を見てなかったけど、そんな事が書かれていたんだ。

男爵様・・・ありがとうございます。


と言うわけで、無事に街へは入れたけど、こっからどうするかな?

さっき身分証の発行はギルドって言ってたけど、ギルドって何なのか知らないし、何処に在るかも分らないんだよね。


あの”人族”と”ナニカ”に関する情報を、この街で少しでも手に入れれることを願って、早速行動を開始しするとしますか!



To be continued...

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