第十依頼 いるべき場所 6話
作戦を始めて早2日。灯達は事務所で陸を待ち続けていた。最初はいつ帰ってくるのかとそわそわしながら待っていたが、今はもうその元気もない。
「陸は無事だろうか……」
「だ、大丈夫だと思いますよ。先生の持っていた双石は砕けましたし!」
「なら、ボク達の所には戻らずに元の世界に帰ったのか?」
「僕達に何も言わずに?有り得ません。陸君ですよ?」
「うん、だよね。ならやはり、何か予期せぬことがあったのだろうか」
皆で頭を抱える。もう陸は帰って来ないのではないか……そう思っていた時、事務所の扉がガチャリと開き……
「たっだいま〜!」
陸が普通に帰ってきた。灯達は驚きながらも喜び駆け寄る。
「陸!よかった、無事だったのだね」
「りっくーん!心配したんだよ〜!」
「お疲れ様です。怪我はしていませんか?」
「ワン!ワン!」
「わわっ、皆落ち着いて!ちょっ、ケルベロス!歩けないから!」
「こらこら、儂のダーリンが困っておるじゃろ」
暫く騒いだ後、ソファに座って陸から話を聞くことになった。陸は元の世界の未来で起きたこと、その帰りに何があったかを説明した。灯達は静かに話を聞く。
「……それで今に至るって感じだな。遅れてごめんな」
「気にしないで!りっくんが無事なら問題なし!だよ」
「それに、陸君がご家族に会えてよかったです。本当の自室の方が落ち着けたでしょうし」
「ん〜……まあ、確かに懐かしくてよかったし、帰れて嬉しかった。けど、皆にもう会えないと思ったら凄く寂しくてさ……」
陸は皆の顔を見て、照れたように、嬉しそうに笑う。
「我儘かもしれないけど、これからも事務所の皆と一緒にいたい!」
陸のその言葉に、真っ先に反応したのはマミだった。
「私も!私もりっくんと一緒がいい!」
「我儘なものか。例えキミが向こうの世界に帰っても、ずっとボク達探偵事務所の一員だと思っていたよ」
「ええ。陸君さえ構わないのなら、これからも僕達と共にいてください」
灯やフェリもマミに続く。その声からは嬉しさが隠してきれていない。陸が抱きしめているケルベロスも、喜んでいるのか陸の手を舐めている。
本来陸がいるべき世界とは違う、けれど間違いなくここも陸の“いるべき場所”だ。
「皆……ありがとう!」
陸はそう言って仲間達と笑い合うのだった。
皆様こんにちは。作者の深読ノナカです。今回投稿分で『オカくろ』は最終回を迎えました。
このシリーズが人生で初めての投稿で、「誰も読んでくれなかったらどうしよう」と不安でした。そんな中でも心が折れることなく投稿を続けられたのは、読んでくださる皆様がいてくれたからです。本当にありがとうございました。
さて、『オカくろ』のこれからについてですが、いつか続きを書けたらいいなと思っております。というのも、書きたい話がまだまだ多い!……からです。
マミやフェリの過去、キフシを加えた古目探偵団、出番の少ないキャラやまだ出せていないキャラの話など、書きたいものはどんどん増えていくばかりで……せっかくなのだから、ちゃんと中身を考えて形にしたいな〜と思っております。
ですが、今は別の作品を執筆している最中でして、まだオカくろの続きは1文字も書けていません。その為、続きを書くとしてもまだまだ先、ストーリーも長編ではなく短編をちょこちょこと書いては投稿になると思います。それでもいいよ〜!と思っていただけるのでしたら、また投稿をした時に見てもらえると嬉しく存じます。
最後になりますが、これからも陸達オカくろを、そして次回作を含めた深読ノナカの作品をよろしくお願いします。




