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異世界では幼児が最強のようです~元社畜による正しい生体兵器の育て方  作者: 黒辺あゆみ
第七章

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181話 ギルドの実状

「確かにだいたいレベルが低い人が多いですもんね。

 僕もレベルが高い人って、ガイルさんくらいしか知りませんし」


実はこのニケロ支部では、アキヒサがたまにちらちらと鑑定してみれば、ブリュネと並べられるレベルなのはあのガイルくらいで、他の冒険者は高レベルでも20半ばくらいなのだ。

 スキルレベルとなれば、一桁台のままな者も多い。


「ガイルね、確かにあのコ程度だといないわね。

 だからあのコに大事な仕事がいつも集中しちゃっていて、問題だとは思っているわ」


ブリュネがそう述べてため息を履く。

 そういえば、ガイルはニケロを拠点だと言っていたわりに全く姿を見ないのだが、それにはそうした理由があったとは。


「もしかして、スキルは買うものだっていう誤解の影響ですかねぇ?」


 レベルもスキルも始めは上りが早いけれど、だんだんと相応の苦労を求められることになる。

 けれどその理屈がわからないと、「自分はこの程度の実力なのだ」と諦めてしまうのかもしれない。

 しかし、それでもブリュネのように高レベルに至る人だっているわけで、やはり大事なのは本人の根気ということなのだろうか?


「そうねぇ、これで冒険者ギルド本部から、正式にスキルとかレベルシステムについての通達があれば、若手の意識も変わるのかしらねぇ。

 アタシとしては、できるだけ早く高レベルに育ってほしいところだけど。

 でないと人材不足が深刻なのよぉ」


懸念顔のブリュネだが、やはり高レベル冒険者不足は運営的に辛いらしい。

 けれど、どうして高レベルの人がこのニケロにはいないのだろうか?

 ゴルドー山という強い魔物の生息域を抱えているので、高レベルの人にも旨味が多そうなものなのに。

 アキヒサはこの疑問をぶつけてみたら、ブリュネから意外な回答が返ってくる。


「それなんだけど、ココの前任マスターが問題アリの人でね、それで大勢余所に拠点を移されちゃったのよ。

 アタシがマスターになってからのここ五年で、中堅どころはぼちぼち戻ってくれているけどねぇ」


そして問題というのが、あの金ピカことグランデ神聖教会との癒着であるという。

 それでギルト運営のお金まで使い込み、依頼料の支払いを渋ったりしたので、とうとうギルド本部も庇いきれなくなって更迭されたのだという。


「教会が王都の方でも幅を利かせていたせいで、罰するのも大変な手間がかかってね。

 その手間のせいで人材流出が止まらなかったってワケ」


なんと、ここにもあの金ピカが関わっていたとは、なんとも余計なことばかりしてくれる教会である。


「それであの教会がやたら強気に冒険者に営業をかけていたんですね」

「そうなのよ、古株の職員はまだ教会寄りだったりするからね。

 けどそういう人たちを全部やめさせたら、運営が回らなくなるし、難しい問題だったのよ。

 けど、もうその諸悪の根源が潰れちゃったわけだけどね!」


ブリュネが最後に晴れ晴れとした顔になる。


 ――なるほど、元々あの教会を潰したくて仕方なかったのか。


 それが今回は、教会地下が原因の崩壊であるので、冒険者ギルトとしては勝手に自滅してくれて大助かりというわけだ。

 アキヒサへのお咎めが今の所ないのも、そのあたりのことが原因なのかもしれない。


「そんなわけで、厳しめな依頼はアタシが直々に対処するんだけど、ここのところはアナタとレイちゃんが厄介な依頼をかなりこなしてくれたから、アタシもガイルも大助かりよ♪」


どうやらレイによる魔物の大量確保も、ギルドを困らせていたわけではないようでなによりである。

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