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異世界では幼児が最強のようです~元社畜による正しい生体兵器の育て方  作者: 黒辺あゆみ
第六章 グランデ神聖教会

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145話 アマンザのスキル

「あら、どうしたの?」


アマンザが一旦扉から離れて男の子の方へ向かうと、男の子はミチェの手を放して泣きながらアマンザにギュッと抱き着く。

 

「まあまあ、そんなに泣いて。

 あら、怪我をしているの?」


アマンザが男の子を慰めながら、その子のひざに布が巻かれていることに気付く。


「あのね、びっくりしすぎて、ころんじゃったの」


「いたいよぅ~」


ミチェのわかりやすい説明の後に、男の子がエグエグと泣きべそ交じりに告げた。

 どうやら新品になった建物に気を取られ、上ばかり見ていて足元がおそろかになり、転んでしまったようだ。

 つまりこの怪我も、リュウのやらかしの派生事故と言えるかもしれない。


「てあてしたけどね、いたくてなきやまないからかわいそうで、しさいさまにおねがいしてみようかって、ミリーがいったの」


そう言ったミチェは、話さなければいけなかったことを全部話せたのか、得意そうに胸を反らせた。

 そんなミチェに、アマンザは「なにがあったかお話できて、偉いわね」と頭を撫でると、抱き着いている男の子の顔を手で挟んで上げさせる。


「転んじゃうくらいに驚いたのね。

 でも、ちゃんと自分で立ってここまで歩いてきたなんて、偉いわぁ」


アマンザは男の子にそう言って微笑みかけると、血がにじむひざに手をかざす。


「痛いのなんて、風にのってピョーンってどこかに行っちゃって~」


アマンザがそう歌うように言うと、しばらくして男の子は泣き止んだ。


「……痛くない」


男の子は不思議そうに自分のひざを見る。

 そんな男の子に、アマンザがニコリと笑う。


「ふふ、私のおまじないは効くでしょう?

 でも怪我が治ったわけじゃあないから、その布を外したらだめよ?」


「うん!」


アマンザの注意に元気に頷いた男の子は、また転ばないようにとミチェに手をとられて戻っていく。


 ――今のって、もしかして……。


 アキヒサはこっそりとアマンザを鑑定してみた。


~~~

名 前 アマンザ・レイフォル(人族)

性 別 女性

年 齢 42歳

職 業 司祭

レベル 44

スキル 祈りレベル53 打撃レベル21 編み物(人形特化)レベル38

~~~


アマンザに「治癒」のスキルがあるのかと思ったのだが、「治癒」はないけれど、その代わりに「祈り」というスキルがあった。

 そして打撃という攻撃スキルがある。

 どうしても女性だと腕力で男性に敵わないことが多い中で、道理で決して治安がよくない地域でやっていけるはずだ。

 戦う聖職者には、アキヒサだって立ち向かいたくないものだ。

 さらに気になるのは、「編み物(人形特化)」とは、もしかして編みぐるみだろうか?

 レベルも高いし、レイのおもちゃにちょっと欲しいとアキヒサは思ってしまう。

 レイは人形のおもちゃはまた持っていないのだ。

 シロがその人形の代わりになってしまっているが。

 ともあれ、「祈り」スキルとはなんだろうか?


~~~

祈りスキル

聖職者固有スキルで、生き物の精神や神経に作用する。

上位スキル「奇跡」に進化すると、身体欠損の修復が可能。

~~~


どうやら「祈り」のスキルは直接的な効果というよりも、補助的効果があるもののようだ。

 ゲーム的表現でいえばステータス効果というヤツだろう。

 痛みが和らぐのも効果だろうが、もしかすると治るまでの時間が短くなるのかもしれない。

 そして上位スキルの「奇跡」とやらの効果がすごい。

 聖職者固有スキルらしいので、アキヒサが使う治癒の術とはそもそもの治し方が違うのかもしれない。


 ――あとでリュウさんに聞いてみよう。


 幸い、ここにはスキルに詳しいドラゴンがいるのだから。

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