7 魔王城の入口で
以前から読んで下さってる読者様 お久しぶりです
Twitterから来て下さった皆様 ありがとうございます
かまぼこです
完成したので投稿します
いつも通り文章が汚かったり誤字脱字があったりしますが暖かい目で見ていただけると幸いです
よろしければ高評価や感想等もお願いします
それではどうぞ
ここ”帝都ヴェルティア”を20分ほど歩いていて、私はいくつかのことに気付いた
①:ここには「車」が通ってなく「馬車」が主な交通の手段になっている
②:荷物を持ち歩いている人はいない
③:至る所に防犯カメラの様なものがある
④:異世界なのに武器を装備している人がいない
⑤:私が【鑑定】で見た感じだと平均レベルは100くらい
まとめると、魔王様が統治している街という割には平和すぎなのである。攻められた時大丈夫なのかなぁ……
どうしてこんなに平和なんだろう?気になったので【通信】スキルで【幹部】の少女、クレアちゃんに聞いてみた
「この国には常時、魔王様が作った結界が機能しています。それの効果によって普段は【国民】のレベルを制限させているためにここまでの平和が成り立つのです。後は……法律とかですね」
……だそうです。レベル制限ってそんなこともできるのか。魔王様ヤバすぎなんですが
そんな人の隣での異世界生活……明らかに普通のものではないぞぉぉぉぉ
「姫様、着きましたよ!!上をみて下さいっ!」
クレアちゃんの声に促され、硬そうな城門越しに見上げた私の視界に写ったもの
それは某夢の国風のファンタジーなものではなく、かといって日本風の和の城でもない……
「これが……魔王城!?なんか四角過ぎない!?」
私の予想とイメージを180度裏切った四角いフォルム。夜だから若干分からなかったけど多分全体が真っ黒に染まっている……
マンションでした。なんでや?
とりあえず色々ツッコみたいことがあるんですけど……そういうのはお城に入って魔王様に直接聞けばいいよねだから今は我慢しよう。うん、我慢我慢
等と自分に言い聞かせている間に、クレアちゃんは門番の黒騎士さんと何か話しており、いつの間にか城門は開いていた。いつ開いたんだろ?
細かいことは気にするなって昔誰かが言っていたような気するし、深くは考えないようにしよう
魔王様のお城って中はどんな感じなんだろぅ……廊下に武器とかが飾ってあったり、めちゃくちゃ強いモンスターが住み着いているのかなぁ
そんな明るい?ことを考えながら城門をくぐろうとすると
「何者だっ!」
という声と共に私の首筋に漆黒の片手剣が突き付けられた……え?
今の状況を理解するのに3秒ほどかかった。いや、うん、何処から突っ込めばいいのか……
「私のこと、見えるの?」
先程の「何者だっ!」というセリフが私に向けて放たれたのだとすれば、この黒騎士さん達には私の事が見えていると思われる
今装備している《黒影のローブ+27》の効果で私は周りから見えなくなっているはず……いやちょっと待てよ?
「【鑑定】」
私は彼ら?(漆黒の鎧で全身を覆っているため中の人の性別が分からないので一応)に聞こえない様な小声で【鑑定】を発動してみた。初対面の人にいきなりこういうことするのって大丈夫なのかな……?
=====
名前???【部隊】
レベル780
HP???/MP???
二人とも一緒……って【部隊】ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?
「……なるほどね」
「何がなるほどなんだそこの不審者さん?」
「自分が今置かれている状況が分かっているのか?」
やっぱり、この二人には私のことが見えるし私の声も聞こえるんだ。って感心してる場合じゃないなんで敵対してるのか聞き出さないと
……ぐさっ
「いっ!?」
突然、左肩に走る痛覚。反射的に痛みの元凶を覗くと、深々と突き刺さった漆黒の片手剣と、大量の流血が視界に入った
「……ひぃぃぃぃ」
あまりにも気持ち悪い光景に、つい変な声が出てしまう。が、私が出来た行動はここまでだった
……ばたっ
私は地面に、人差し指だけ立てた左手を前に伸ばし右手は下におろした状態で崩れ落ちる。あれ?こんなこと前にもあったような?あの時……私一回死んだんだっけ?
うぅ……死ぬの怖いよぅ
あれ?意識がまだあるってことはまだ私死んでない?というか体動かないんですけど……
うつ伏せの状態のままの私は、視線を若干上に向けて視界左上に表示された自分のHPを確認する
……空かと思ってたけど端っこの方に僅かながら赤い線が見える。あと1しかないですねコレ……ってあれ?
HPバーの右端に見たことあるような雷のアイコンが……これは「麻痺」ですね
「麻痺」というのは、対象の行動をかなり制限する、ゲームでお馴染みのデバフの一種です。かけられると物凄くだるいです
まあ、唯一許せる点は、今感覚も麻痺してるので剣がぶっ刺さってる左肩の痛みをほとんど感じていないとこぐらいですね……
等と呑気に考えてみてはいるものの「麻痺」がある限り、私はこの場から動くことが出来ない
……クレアちゃん助けてぇ~
私の思いが届いたのか、前方から
「巫女様っ!?何があったのですか!?」
クレアちゃんの声が聞こえました。私の血を見たからなのでしょうか……かなり興奮している様子です
そう、ここ”帝都ヴェルティア”というのは物凄く平和な街……血が流れることなど滅多にないところです
私はこの平和さ故に襲われることなどないと思い込んでしまったため、今の様な状況になってしまったという訳です。
……魔王様が統治している街なのに流血が滅多にないのもどうかと思いますけどねっ
そんな平和な街でも、魔王軍【幹部】の子の叫び声が聞こえると
「見て!あそこで女の子が倒れてるわ!」
「血だ!彼女血を流してるぞ!」
「誰か!回復魔法を使える奴はいないか!」
と声が聞こえながら、ちょっと距離をとって私を囲むように【国民】が集まってきて……
静かだったその場所は一転して、色んな声が飛び交うようになりました
私が装備している《黒影のローブ+27》は剣に貫かれたことにより、その効果が切れたようですね。これってどのくらいお値段するんだろぅ……?
「おーい!生きてるー?」
「聞こえたら返事してー!」
「駄目だ。この子……死んでる」
私が現実逃避している間、こんな声が……いや勝手に殺さないで!?私「麻痺」で喋れないだけなんですけどぉ~
「巫女様ぁ!何やってるんですかぁ!死なないで下さい!」
……あれ、クレアちゃん?何であなたもノってるんですか?あ、私のポーズがフリー○アで有名な某団長のやつだったからでしょうか
何でそのネタ知ってるんや……?
「「団長---!団長---!団長---!」」
唐突に始まる「団長」コール
あの、私止まりませんけど……
徐々に声が大きくなってるし……どーしよぉぉぉぉぉぉぉ
と私が悩んでいた時でした
「おい、俺の城の前で騒ぐな……近所迷惑だろ」
「えっ……?」
お城の中から現れたのは、スラっとした長身 白色の髪 透き通るようなイケメン
それに、私の学校の制服を着ていた男性……
私の血のつながったお兄ちゃん、白ノ宮玲央だった……
……続く
読んでいただきありがとうございました。
次回はまたでき次第投稿します
拡散とかいっぱいしていただけると喜びます
それではまた