15 巫女の役割
約9ヶ月の間お待たせしてしまって本当に申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ
ポイントとか伸びないのでローファンに逃げてましたm(__)m
これからは……毎週土日に定期更新できるよう頑張ります
それでは、本編どうぞ~
魔王様についていく形で私がやって来たのは、日本でいうマンションの形をした魔王城の最上階……に位置する部屋の扉の前。
扉には模様もなければ取っ手(要はドアノブとかそんな感じのアレ)もない。素材は明らかに人工的生成物なのだが……一般的に流通している素材ではないような気がする。
扉の右側には、私の手の平より一回り程大きなサイズのパネルがあり、特定の人しか入れないように作られたものだろうと思われる。
「お兄ちゃん?ここは何?」
私がそう尋ねると、隣にいたお兄ちゃん(魔王様)は右手をパネルにかざしながら答えてくれた
「ここは、俺と姫にしか入ることが出来ない部屋【管理者の間】だ。まあ、具体的な説明は中に入ってからするぞ」
言い終えた途端、うぃーん♪と自動ドアみたいな音を立てながら、スライド式の扉が開く。5秒ほど経ってお兄ちゃんが扉をくぐり、私もそれに続いた。
部屋は真っ暗で、明かりの1つも付いていない……はずなのだが、どういう訳か私には、ぼんやりと中が見えてしまう。「猫が夜でも昼のように見える」と似た感じで【暗視】のバフが掛かっているみたいだ。
さっき入口で立ち止まっていた時に掛けてくれたのかなぁ?それとも【黒の巫女】の力なのかなぁ?
そんな疑問を頭に置きながら、私はお兄ちゃんを見失わないように進む。こつ、こつ、とヒールの足が床を打つ音が部屋中に響き渡る
ふと、お兄ちゃんが立ち止まった。
「システムコマンド、ID【べリアル】」
「音声を認証しました!管理者権限を起動します!」
お兄ちゃんの声にこたえるかのように返って来たのは、初音◯クと全く同じものに聞こえる合成音声だった。何のソフトを使ってるのだろうか?
そんな疑問が湧いている間に、部屋の中はまぶしい光―滅茶苦茶目に悪そう―に照らされていた。
目の前の台座の上にぽつん……と置かれた、一体の等身大フィギュア。それは絵にかいたような美少女……いや、元々二次元にいるキャラだから絵に描いたもクソもないような気がするが、とにかく異世界にあっていいものではない……
「何でご注文はう◯ぎですか?のコ◯アちゃんのフィギュアがあるのぉぉぉぉ!?」
思わず声を荒げてツッコんでしまう。「祀っておくと加護的な何かを貰える置物」はファンタジー作品だとよくあるんだけどさぁ……普通はここまでコテコテした美少女というよりかはなんか神々しい神獣の様な気が……あ、別にそうでもなかったような気がす
「姫の役割は、こいつ……【自動成長系管理オブジェクト】コードネーム【ココ◯たん人形】に魔力を注ぐことだ。こいつは魔力を燃料にして、この世界のあらゆる事象を記憶・保存することが出来るぞ」
「見た目と効果がほとんど真逆なんですが」
いつも通りのクールさを保ちながら言っても良いような内容ではない事は確かなのだが……現に異世界の魔王をやってる人が言うと妙にすんなりと受け入れられるのはどうしてなんでしょうかねぇ?
「とりあえず……◯コアたんの頭をなでろ。そうすることで魔力を注ぐことが出来るからな」
「えっ撫でるの!?こういう物って普通は手をかざすんじゃ……?」
「……細かいことは気にすんな。あと注ぎ過ぎには注意しろよ」
「う、うん……」
私はコ◯アたんの目の前に立つと、くりっとした大きめの澄んだ紫眼のタレ目に肩までかかったストロベリーブロンドの髪の毛にそぉっと手をのせて、優しく左右に動かす。これがまあ不思議なもので、フィギュアのはずなのに本物の髪の毛を触っているみたいな感触がするのだ。
「うふふ~♪サラサラしてて気持ちぃぃ。まるで本物の女の子を撫でてるみたいだよぅ」
「まあ、コイツはほとんど生きてるようなものだからな。神が姿を変えたものだし……っと、もう手を放してもいいぞ」
そう言われた私は、30秒ほど撫でていた手を止めるとその場から一歩後ろに下がる。
と、目の前に新しいチートを獲得したことを知らせるウィンドウが出現した
『派生チート【黒の服従】を獲得しました!』
「ふ……服従?」
ウィンドウを操作し、詳しい解説を読んでみる
「えっと……【黒の服従】:相手が指定した方法で相手の支配下に一定期間置かれることで、そいつと相互的主従関係を結ぶことが出来る。は……?」
うんもう半端ないくらい物騒な事が書かれていたことにはツッコまないとして、簡単にまとめて言ってしまえば「戦わずに相手を仲間に出来る。ただし、相手依存で」という、チートかと問われれば少し返答に迷うくらいの性能をしている。
「と、いう訳でだ。今のところは俺の支配下に置かれているわけだが……あと1ヶ月ほどすれば俺と同じ権限を与えてやるからな。」
「それってつまり……私が魔王になるってこと?」
聞き返すと、お兄ちゃんは「ああ」と首を縦に振り、こう付け加えた
「魔王って言っても多分ステータス上の変化は現れないと思うけどな。」
「ふぅ~ん。なるほどねぇ……ってかコ◯アたん人形は神が姿を変えたものってどういうことなの?」
「今更ソコにツッコむのか……。気になるならまた時間がある時に自分で聞いてみな」
「うん……なんか納得できないけどお兄ちゃんが言うならそうする。」
「ふっ……姫は良い子だな」
と言いつつ、お兄ちゃんは私の頭を撫でてくれたのだった
――5分後――
「戻るぞ。【幹部】の奴らが待ってるからな」
「はいっ!」
こうして……私は魔王様に仕える身となったのでした。
という訳で次回からは新章です
まあいろんなキャラが出てくると……思う
それじゃあ次回も、サービスサービs(((殴