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森の聲と元凶の遭遇

 森へと足を踏み入れたんだけど……思ったよりも状況はかなり深刻だった。

 まず呪いにかかった魔物。これが予想以上に広まってしまっていた。


「これで、10体目です…」


 現れた黒いモヤに覆われた魔物を切り捨てると、サーニャさんが数を報告してくる。


「やばいですね……」


 早く元凶を潰さないと、取り返しのつかないことになる。


「マリーナ様。森はどうしますか?」


「…ひとまず放置です。時間がありません」


 地面は黒く変色し、立ち枯れした木々があるけれど、森の浄化は私の力を持ってしても時間がかかるし、元凶の浄化、もしく討伐を考えるならば、余力は残しとかないといけない。だから後回しだ。

 ……そう。今回の元凶は、この森自体ではない。聖域は森だったけれども、これは違う。なぜ分かったかというと……この森の()からだ。


 ーニゲテー


 ーコワイー


 ーコナイデー


 そんな聲が森に入ってから途切れることなく聞こえる。コナイデとか言ってるみたいだから、元凶は別にいると思ったんだよね。

 でもまさか私の能力にこんなものがあるとは思わなかったよ……


『元々なかったんですよ』


 あ、そうなの?


『はい。ですが以前聖域の森を浄化した事。そして火龍騒ぎの森の修復。それらの行動を考慮して、()()()()森の盟友という称号が与えられたのです。森の聲が聞こえるのは、その称号の効果です』


 称号…そう言えばしばらく確認してなかったな。ちょうどお昼時だし、見てみようかな。


「休憩しましょう」


「はい」


 呪いがない場所に移動し、結界を展開。後はゴザを敷いて、宿にて作って貰っていた昼食を無限収納庫(インベントリ)から取り出す。ホットドックもどきだ。

 あ。プレナも呼んで……


「「《いただきます》」」


 さてさて。じゃあすこしステータスの確認をしよう。


 ┠ステータス┨────────

 ※( )は隠蔽している本来のステータス

 名前:マリーナ・フェル・バーニア

 種族:人間 (多分神龍)

 年齢:5

 レベル:124

 職業:Bランク冒険者

 ステータス:魔力 500(145400) HP 500 (84050)

 魔法: 水属性Ⅴ 風属性Ⅴ 火属性Ⅴ 収納Ⅴ(火、水、氷、雷、風、土、草、光、闇、無、聖、時、空間、結界、転移、治癒、神)

 ユニークスキル(全隠蔽中):無限収納庫(インベントリ)EX ハク[前ナビゲーター]EX 全言語理解EX 魔力超急速回復EX 全状態異常耐性EX 神眼 隠蔽

 スキル:早覚えⅩ 魔力循環Ⅹ 索敵Ⅹ 魔力制御Ⅹ 料理Ⅹ 木工Ⅶ 武器制作Ⅶ 武器の心得Ⅶ 錬金術Ⅵ 魔力節約Ⅵ 威圧Ⅴ 魅了Ⅲ 交渉術Ⅲ

 称号(全隠蔽中):神の被害者 地の神グランドリアの加護 八百万の加護 水の女神オケアニスの加護 風の女神エアリーズの加護 火の神イシュワームの加護 森の盟友 ∀★ゝ○Σ#⊂

 眷族:トゥベルガ種[プレナ] ヴェルトーラス種[瑠璃]

 盟約:護りの盟約

 ─────────────


 ……自分が言うのもなんだけど、ヤバいステータスだなぁ。ていうか魅了なんて厄介なもん取ってるし……あ。魔力とHPの隠蔽の値変えとかないとかな。とりあえず3000くらいでいいか……ちなみにサーニャさんは……


 ┠ステータス┨────────────────


 名前:サーニャ・バーニア・ベルムント

 種族:混血種(エルフと火龍のハーフ)

 年齢:102

 レベル:101

 職業:薬草研究員

 ステータス:魔力 56300 HP 45580

 魔法:草属性 Ⅶ 風属性 Ⅶ 火属性 Ⅷ

 ユニークスキル:火龍の護り 森人の護り

 スキル:魔力制御 Ⅷ 魔力操作 Ⅷ 状態異常耐性 Ⅵ 鑑定 Ⅴ 木工 Ⅳ 料理 Ⅴ

 称号:族長の孫 異端の存在 マリーナの従者

 盟約:従の盟約


 ────────────────────────


 ……そこまで伸びてないか。まぁ戦ってないしね。でも魔法は風とか使えるみたいだし、戦えないのかな?


「サーニャさんは、戦ったことは?」


「あるにはあります。が……」


 なんだか歯切れの悪い回答をするサーニャさん。


「が、どうしたんですか?」


「…その…強すぎたんです」


「強すぎた?」


「はい……私の称号に、火龍の護りと森人の護りというものがあるんですが……それが魔法の威力を底上げしてしまうんです」


 ほぅ。そんな効果があったのか。


「それで加減ができなかった、と?」


「はい…それからというもの、使うのが怖くなって…」


 所謂トラウマだね。強すぎる自分の力に対する恐怖か。制御できないって言うのもあるかもね。

 言うのを戸惑ったのは、思い出したくなかったからだろう。


「…すいません。お役に立てず…」


「謝る必要はありません。そう簡単に克服はできないでしょうし」


 ていうか強すぎるってなると、私もなんだけどね。だから魔法をあまり使わない。制御はまぁできるだろうけど……それでも強すぎるんだよね。


「時間がある時にでも、一緒に練習しましょうか」


「いいんですか…?」


「私も練習したいですからね」


 いつまでも物理()に頼ってばっかりっていうのもねぇ……


「…では、お願いしても?」


「お願いされることでもないとは思いますが……まぁ、これが終わった後にでもやりましょうか」


「はいっ!」


 うん。いい返事だね。


 《主様。私は?》


「プレナはねぇ…」


 聖域で特訓はしてるからなぁ…


「…とりあえず今はサーニャさんについてて。できるなら、制御についてのコツなんか教えてあげて」


 《分かった!》


 ぴょんっとプレナがサーニャさんの肩に飛び乗る。2人まとめて結界で覆って…よしっと。


「よ、よろしくお願いいたします」


 《よろしくね!》


 サーニャさんの言葉が固い……まぁ、いつもの事か。


 ゴザを片付けて、結界を解除する。

 ……その時、一気に悪寒が走った。


「っ!"護れ"!」


 咄嗟に神力で結界のようなものを構築する。思い付きでやったけれど、上手くいったらしく、()()()を弾いた感覚があった。



 ……そして。()()は現れた。


「ひっ!」


 サーニャさんが恐怖からか後ずさる。それも無理はない。

 一段と黒いモヤに覆われた巨体。下半身は蛇。上半身は人間。しかし、手は少なくとも八本確認できる。

 ……正真正銘、化け物だ。


 ギャァァァァァ!!!


「くぅ…」


 頭に直接響くような喚き声。思わず顔を顰める。


「サーニャさんは下がって!」


 さっき思い付きで展開した神力の結界で、サーニャさんとプレナを覆う。


 ……さぁ。やろうか。





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― 新着の感想 ―
[一言]  今回読んでいて気付いたのですが、魔力とHPなのですね。MPでなく魔力、体力でなくHPなのは理由があるのですか?
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