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魔界決闘 命を捧げよ
挑戦者 悪魔(本物)ラプルス
王者 悪魔(偽物)ゼル
勝敗条件 どちらが有能な悪魔か?
敗者罰則 死
裁定者 ギルドの看板娘ジーニャ
厳守事項 公平な判断
ゆるく決闘の流れになったが、全然ゆるくない。悪魔ラプレスが、おじさんゼルよりも、有能な悪魔であると裁定された場合は、レイとマリナは、死ぬ。
普通に裁定すれば呆気なく、二人の少女の命は、無意味に摘み取られる。上級悪魔の策略に嵌り、極めて不利な戦いを強いられていた。
奇跡よ、どうか2人をお救いください。
「それで、アタシが呼ばれたの?そういえば、最初は、レイに無理矢理、着せられてるの知らなくて、危ないおじさんだと思ってたわ。え?着なくて良くない?」
ジーニャさんの言葉に、激しく、頷き同意する。上級悪魔とおじさんは、固い握手を交わした。これに、不満顔なのは、レイとマリナ。
「んん。嫌がらなかった。ゼルは、優しい。凄く凄く優しい。」
「ラピュラスは凄いのー、子供達のヒーローなの。ゼルさんはマリナの理解者。」
「黙れ、着ぐるみキチガイのクソガキ共め。良いだろう、娘よ、裁定者として認めよう。」
本物の悪魔ラプレスは、ジーニャさんを、裁定者と認めた。命を賭けた裁定が始まる。
ゼルは、先程から話に入れず、オロオロするだけでまるで役に立たない。王者の余裕を見せつけた。
ジーニャさんは、素直に、裁定者を引き受けた。彼女には、レイが負けるなんて心配は微塵も無い、あるのは、ゼルに寄せる絶大な信頼だけ。
「分かった。自称本物の、上級悪魔サン。試して、あげる。勝負内容は、コレよ。」
不敵に、ニヤッと笑ったジーニャさんは、ポーション瓶93本が入った四角い100枠の何時ものケースを、カウンターに、ガチャンッと置いて、悪魔(本物)に、突き付けた。
「これの数を、ぱっと教えて。その根拠も。有能な方を勝者とします。」
「まずは余が答えよう、総数が10×10=100だ。そして、空きの数が1,2,3,4,6,7だな。だから、100引く事の7で、93だ。」
勝った!先に答えてしまい、相手の選択を潰したと、勝利を確信して、嗤う悪魔(本物)ラプレス。しかし、
「引く、って何?」
「引き算も知らぬのか、バカ娘め。」
「ぷっ、引き算とか意味ないのにー。教えて、あ、げ、る。古代の叡智を。10,20,30,40,50,60,70,80,90,91,92,93。これが正解の真理。分かりましたか、偽物のおバカさん?裁定は下りました、勝者ゼル。」
どや顔の裁定者ジーニャさん。
あんまりに低レベルな回答に、呆然として、あんぐり口を空ける悪魔(本物)ラプレス。
黒歴史を人前で披露され、顔を赤らめる悪魔(偽物)ゼル。
さぁ、フルボッコタイムだ。
敗者を断罪しろ!!
「んん。ラプレスは、使えないし、何も分かってない。ゴミムシは取り消す、ゴミムシが可哀想。ラプルスは、ゴ、ミ、ム、シ以下。」
「マリナも思う。ラプレスは、キモい、きしょい、ニセモノは、近寄らないでー。」
「ぷぷぷっ、ラプレスさん?引き算とか意味ないのにー。もぅウケるー。」
「ラプレスとやら、貴様は終わりだ。」
黒歴史を隠滅するべく、最後に、勝馬に、ちゃっかり乗る悪魔のような男、それがゼルだ!
「こんな裁定は、有り得ぬ。余が、余がオリジナルなのだ。」
敗者の声は、等しく無価値だ。
裁定は覆らない。
決闘契約魔法は、愚かな敗者から、容赦なく命を取り立てる。最狂と呼ばれた悪魔は、無様な断末魔の声をあげて、ついには、次元に切り裂かれ、小さな青い炎となり、呆気なく最後を迎えた。功績も墓標も名前すら焼き尽くす愚かな敗者に相応な結末。
この物語の冒頭で、レイが呼ぼうとしていた残虐非道な上級悪魔《本物の悪魔ラプレス》は、惨めに消滅した。
こうして、真の悪は、打ち倒された。




