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「え?ラプレスって誰?呼んでないんだけど。」
「ラピュラスのニセモノ?」
「だからっ、おじさんは、悪魔じゃないから。」
「小娘、聞き捨てならぬな。余こそ、オリジナル。余の名を語る不届き者は、誰だ?」
困惑する二人の美少女と、ゼル。そして、召喚に応えて現れたのに、呼んでないとか、ニセモノ扱いされて激昂する本物の邪悪な悪魔。
「そこにいる、くたびれた人生の絞りカスのような、おっさんと、上級悪魔の余を比べようなど、正気とは思えぬ。余の方が、全てにおいて圧倒的に優れている。差は天と地だ。」
「んん。その言葉は信用出来ない。私の悲願は、赤の森の奪還だった。例えば、エンシェントドラゴンを倒せる?それとも、勇者の幹部を無力化し、卑劣な大商人から、白銀貨2枚を払った上で苛烈なる交渉を制して、奪還できる?」
「エンシェントは、無理だな。あれは、神に挑むようなもの。後者の望みならば、処女158人の魂で叶えよう。貴様の魂は、極上なので、特別に66人とみなそう。」
「んっ、まるで使えない。ゴ、ミ、ム、シ!ゼルは、ここにいるラプラスは、軽々と、易易と、何の対価も要求せず叶えてくれた。」
「な、何だと。」
こいつ、実は出来る奴だったのか!と悪魔ラプレスは、頼りないおじさんを凝視するが、まるで分からない。欠片も、有能そうでは無いのだ。どういう事だ?それに自ら悪魔である事を否定しておきながら、絶大な悪魔としての信頼を2人の少女から得ているようだ。余には分からぬ。
凝視されたゼルは戸惑う。チュワークから、赤の森を買い戻したのは、レイのお金だ。勇者は、勝手に死んだし、お小遣いまで貰っていたよな。
そして、他にも納得しない女が、いた!ラピュラスをこの世に産み落とした聖母、金髪の褐色娘、マリナだ。
「マリナも実力を疑うー。例えば、ニセモノさんは、これを起動できる?」
「いや、無理だ。ガラクタだ。」
「なんて無能。ゼルさんは、古代遺物を、起動した。それも簡単に、4つも!」
「よ、4つだと。」
こいつ、まさか実力を隠していたのか!と悪魔ラプレスは、やはり頼りなく見えるおじさんを、警戒の目で観察する。しかし、擬態が見破れない。
よもや、目の前のガラクタは、古代遺物なのか!最狂の上級悪魔である余の魔眼でも分からぬ。ならば、この目の前にいる男は、なんだ?超越者、人外、もしや神か?
悪魔に熱く凝視され、ゼルは戸惑う。そこにあるのは、ゴミだ。マリナの妄想を真に受けて絡まないで欲しいと。
2人の美少女は、本物の悪魔ラプレスを、(くそ使えないわ、このゴミ)という、ご褒美の視線で見下す。
肌の色が違う二人の美少女。レイの白、マリナの黒。白黒つける美少女最高裁が出した判決は、ラプレス有罪、懲役1万年。
「ぐっ、分かった。そこの腑抜けたおっさんに、擬態した男が、実力者なのは認めよう。だが、余がオリジナルだ。だいたい、その変な着ぐるみは、人を馬鹿にしてるのか?」
全く、その通りである。着ぐるみはどうかしていると、ゼルは、悪魔のセリフに、禿しく、こくこくと頷き、全面的に同意した。
しかし、目の前の2人の美少女の反応は、いささか異なった。
「んん。これは無い。被告には、懲役100億年追加で。」
「うみゅ、こいつ、キモい。マリナ嫌い。きしょっ。」
「ま、待て待て。そのジャッジは、公平性を著しく欠いているぞ。到底、納得は出来ない。」
「帰って、どうぞ。」
「かえれ!かえれ!」
「く、クソガキども!余を、余を怒らせた。この上級悪魔たる余を、召喚しておきながら無礼であるぞ。用も無く呼びおって!赦さぬ。互いの命を賭けた魔界決闘を申し込む。泣いて慈悲を乞うがよい。」
「ん。ゼルを侮辱されて、引くような女では無い。後で言い訳されても、面倒くさいから、ルールも任せる。せいぜいズルすれば?」
「マリナも賭ける。ゼルさんは凄い人、唯一、尊敬する大人。ラピュラスを馬鹿にした事を後悔させてあげる。」
「クソガキ共、まとめて殺してやる。此度の魔界決闘のルールを通告する。着ぐるみキチガイでは無い第三者が、公平に、どちらが有能な悪魔かをジャッジし、敗者には死を!これで、異論は無いか?」
「ん。泣かしてあげる。」
「マリナもいいよー、ニセモノさん?」




