表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/82

(´・ω・`)


 《赤の森》


 紅葉(もみじ)が咲き乱れる幻想的な森。厳密には、違う品種だが、一年中、赤い葉をつけるこの木の葉は、地球で見たそれと、良く似ていた。

 下に落ちても紅葉の葉は、枯れる事なく赤いのが、異世界らしい。


 ポゥポゥポゥポゥ

 プヮプヮプヮプヮ


 森の奥へ、立ち入ると、何か分からないが、間が抜けた鳴き声が響く。


 地面は、もちもちした弾力があり、無数の穴が空いていて、透明度の高い水が所々張った湿地帯のような場所だ。

 清流も流れている。


 空気は、澄んでおり、魔力のようなみなぎるチカラを感じる大森林。ここが、赤の森。幻想的な場所だった。



 ふと、この綺麗な森に似つかわしくない、不快な黒いもやを、前方に発見した。


「ん。忘れてた。」


 レイが、アイテムポーチから、虫除けスプレーを出して、かけてくれた。


「あの黒いもやは?」


「チクチク。小さい羽虫が集まってる。刺されたら、凄く被れて痛い。針は、細く長いから、防具を着ていても駄目。」


「やっかいな害虫だな。蚊柱のようなものか。」


「んん。カバシラは知らないけど、チクチクのおかげで、魔獣が少ない。」


「ふむ。」


 レイが、指を高く上げて、その指をゆっくりと、前方の赤く鮮やかな紅葉の落ち葉に向けて、指す。


「今から、《紅葉蟹(モミジガニ)》を採るので、見てて。殺すと、劣化するから、殺しては駄目。」


「あの動いてる落ち葉?蟹がいた。あの赤い蟹は、紅葉の葉を食べてるのか。」


「ん。疑似稲妻(フェイクサンダー)


 レイの指先から、視認できる小さな雷撃が奔る。ビビビッと伸びていった雷撃は、狙い通り、落ち葉に命中。しかし、直前で蟹に気付かれ、ちょこちょこと歩き、穴の中に逃げられてしまった。


 ひょっこり、穴から出て来て、大きいハサミをカチカチしながら、挑発してくる紅葉蟹(モミジガニ)


「あの、カニ。めっちゃ煽ってくるぞ。」


「んんん。疑似稲妻(フェイクサンダー)


 怒ったレイの怒りの2撃目は、大きくハズレ、近くで隠れていた紅葉蟹(モミジガニ)に偶然、当たり、巻き添えを食った蟹は、泡を吹いて倒れる。


 紅葉蟹(モミジガニ)を獲得×1


「え?」


「ん。私、天才。」


 いや、満足なら良いんです。見せて貰った紅葉蟹(モミジガニ)は、シオマネキっていう蟹に似ていた。違いは、真っ赤な事だ。あと、大きさも大きい。

 普通、蟹は、茶色などの目立たない色をしており、茹でてから赤くなるのだが、すでに赤い。


 山林で、赤は凄く目立つ色だけど、この赤の森では、例外だ。真っ赤な落ち葉に紛れる赤い蟹は、分からない。食べ尽くしてしまうのか落ち葉が少ないのが、救いだが、風で動く落ち葉と、蟹の食事で動く落ち葉の見分けがつかない。


 しかし、先程から挑発してくる蟹野郎に、電気ショック漁を見せてやろう。離れて余裕かましているが、そこまで水で繋がっているんだ。得意魔法を食らうといい、手を地面につける。


「まぁ見てろ、レイ。いくぜ、高電圧(スタン)!」


 ビビビッと、大地に一撃。それだけだ。異世界に科学ルールが通用するとでも思ったのか。結果は明確だ。大きいハサミをカチカチしながら、挑発してくる紅葉蟹(モミジガニ)


「ぜ、ゼル?」


活性化(オーバライド)×3。どちくしょー。」


 美少女ハーフエルフ、レイの憐れみの視線に耐え切れず、紅葉蟹(モミジガニ)を目掛けて走っていくが、ちょこちょこと歩き、穴に逃げられた。膝をつくゼル。


 すると、ひょっこり、周囲の穴穴から、ワラワラと紅葉蟹(モミジガニ)達が出て来て、大きいハサミをカチカチしながら、挑発してきた。


「良いでしょう。戦争だ、貴方達は、怒らせてはいけない相手を怒らせた。これは、戦争だ!」


 ゼルは、決意に満ち、その目に燃える闘志が宿る。お前の血は燃えているのかと。


 すまない。言い直そう。何の戦闘力も保たない小蟹相手に、このおじさんは、顔を真っ赤にして怒った。ふんぬー。ふんぬー。


 呆れ顔のレイに、生暖かく見守られる事20分。ついに、その時は、来た。


 ぐらりと、ゼルの体が揺れる。体力の限界だった。仰向けに倒れ込む。


「ぐはっ、俺は、・・何て無力なんだ。」


「ゼル、もういいの、頑張ったよ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ