(´・ω・`)
またあの日に戻るのか、辛くは無い。大丈夫、目から光が無くなるだけだ。
「ゾンビワーク!いくぜ、ガキ共。もふもふクロー、ぶっ飛びロケット。」
「きゃはは、ラピュラス。」
過労死を唱えた。これで、単調な作業なら、限界を超えて働けるようになった。うっかりすると死んでしまう。
群がる子供達の相手をしながら、じりじりとマリナの部屋に向かって前進する。彼には使命がある。2つの頂きをこの手で掴むまで、倒れてはいけない。うおおお。
その時、ピコン!ピコン!と少年の胸につけられた缶バッジが光りだしたのに、ゼルが気付く。見渡せば子供達は、皆、何処かに缶バッジのようなものをつけている。
「小僧、なんか光ってるぞ?」
「ええー、帰りたくない。まだ遊びたいのに。遊ぶ。」
「何かの合図なのか?」
「、、、。」
「このバッジはねー、帰る時に光るの。ママがね、押したら光るんだよ?良く知ってるでしょ。」
「ほぅ、そうなのか、良く知っているではないか。礼を言うぞ。」
帰りたくない男の子は黙ってしまったが、他の子が、答えてくれた。遠くを見渡すと、手を振っている奥さまが見えた。ゼルより若い奥さまだ。
缶バッジのようなものは、呼び出しベルの機能があるらしい。しかも子供が外せないようなので、なかなかに、良いシステムだ。これなら、迷子の心配とか無いだろう。大人は、子供も遊ばせている間、のんびりとティータイムって訳だ。
ん?おじさんは?子供に遊ばれてますが?何か?
「ふむ。また来るが良い、ママの所に帰るんだな小僧。ぶっ飛びな。」
「ひゃーっ。」
ぶんっ!強化された腕力で、保護者の近くにぶん投げる。地面は、ふかふかだし、異世界だから、魔法の回復薬もある。日本でやったら、訴えられる方法でお見送りする。満足頂けたようで何よりだ。
どうにか二階に上がったが、そこも一面ふかふかとしたエアー遊具のような地面だった。そして、困った事に、目の前にジャングルジムのような壁がそそり立っており、ゼルの行く手を阻んでいた。
ジャングルジムを潜り抜けて通るのは、ゼルには難しい。登って乗り越えようとしたが、柔らかい素材で出来ているようで、ゼルの体重では、ぐにょっとたわみ、それも難しそうだ。
「ラピュラス、こうやって通るの、こうやって。こうやって。」
「ふむ。凄いぞ。」
子供が、ジャングルジムの中を通って、進む様子を実演してくれたが、おじさんは、お腹がつかえて通れないだろう。というか、子供にしか通れないサイズだ。
「あっ、飛べばいいんだよー。」
「そうだ、飛んで。飛んで。」
「ふむ。」
確かに、飛べるといいなとは思うが、初級で出来るのは、飛空石という落下速度を遅くする魔法ぐらいだ。自由に飛びたいなら特級魔法が必要だ。
「飛んで、飛んで、ラピュラス。」
「ラピュラスはねー、すっごく重たい物を持って飛べるの。」
「ふむ、しかしな。」
子供にせがまれるが、無理だ。この着ぐるみには、小さいコウモリのような羽がついていたが、まさか飛べる設定だったとは。てっきり退化して飛べない設定だと思っていた。どうしようかと、小さな羽に意識を向けていると、背中が何か、むずむずしだした。かゆい。
「うわーっ、羽が動いてる。飛ぶんだ。」
「え?」
どうやら羽がぷるぷると動きだしたようだ。自分では見えないが、この羽には自分の手のような感覚がある。怖っ!ついに呪われた装備が、動きだした。
その時、とくんっ、心が跳ねた。飛べるよ、そんな声が聞こえた気がした。ラピュラスの羽を獲得した事を思いだす。どうやら、前回、着ぐるみのチカラが一部解放されたようだ。今なら飛べる。例えるならば、ずっと昔に空を飛んでいたのを思い出したような不思議な感覚。
「漆黒の羽よ、いざ大空に。」
ぱたぱたと小さな羽を動かし、空へ、ふよふよと舞い上がる。物理法則を完全に無視した魔法的な飛行だ。ヘリコプターは、風切り音が、かなりうるさいんだけど、この羽は静かだ。というか飛んでる原理が想像もつかない。
ゼルは、子供達を両手に抱えて舞い上がり、ジャングルジムの上にそっと降ろした。
「わーっ、すごい、すごい。」
「我にとっては、児戯に等しい。」
ホント物理法則とかどうなってるですかね。飛行というよりは重力に左右している。ただ、あまり長い時間は飛べないようだ。つまり、時間がない。
「次は、あっちに飛んで。」
「やだ、こっちがいい。」
「小童共、残念だが、お別れの時間だ。おっと、これは秘密の話だったが、実は、我には行かねばならぬ所がある。そして、そこはとても危険な場所だ、ゆえに、そなたらを連れて行く事は残念ながら出来ない。だが、だからこそ、ここで応援して欲しい。分かってくれるな?」
「うん、分かった。頑張って。」
純真無垢な子供に嘘を吐き、己の欲望を満たすために、突き進む男、それがゼルだ。
天井に、バシバシと頭をぶつけながら、ゼルはあっという間に3階のマリナのお部屋に到着した。煩悩に捕らわれるあまり、少し焦り過ぎたようだ。
「い、痛い。マリナに、早く癒やしてもらおう。2つの豊満なマリナ山に、パフパフされるのか、危険だ、危険な戦いが始まる。ぐへへ。」
ひと呼吸し、入室する。
「入るぞ、マリナ。気は進まないがバイトに、ごふぅ。」
「うっひょー、ラピュラス。」
入室するなり、褐色娘の全力タックルを食らう。たぶんマリナには、着ぐるみしか見えていない。
そして、抱きしめられた部分が幸せに包まれる。ウキウキする。気分はまさに、南国のパラダイスのようだ。そうだ、ここに到達するために頑張った。過労死で死にかけていた顔がパリンと割れ、だらしない笑顔になる。嗚呼、癒やされるぅぅ。
だが、南国に相応しくない、冷たい風、冷気を感じた気がした。気のせいだ、ここは楽園、おじさんはカメハメハ大王。ゔっ、膝に痛みが。
「ゔ」
痛い。ホントに痛い時は、声が出ない。楽園から現実に引き戻された。いや、ぽよんぽよんとした弾力は、楽園だよーと騒いでいるのだが、そういう気分にはなれない。
なぜならば、レイがニッコリと冷たい笑顔で立っているからだ。気づかなかった。そして、蹴られたのだ。というか何でいるの?
「レイよ、誤解だ。というか、なぜいるのだ?」
「いたら悪い?材料が無くなった。」
「い、いやー、悪くないよ。そっか、錬金、すごく頑張ったんだね。明日は一緒に材料を買い出しに行こうか?楽しみだなーあはは。」
「ん。」
少し機嫌が治ったようだ。ここで安心してはいけない。追撃する。きっと、レイは寂しがり屋さんなのだ。だから、怒っているのだろう。仲間外れは良くない。
「レイよ、左側が空いているぞ。」
「私、安いオンナじゃない。」
「痛っ。」
ゼルの追撃、ミス。レイのオートカウンター、ゼルの膝にダメージ。少し優しさの感じるキックだった。けど、痛い。
ハーレム発言が駄目だったのか。ジト目で見てくるレイちゃんも、そそるわぁ。体罰に「ありがとうございます!」という域には、まだ達していないけど、何かに目覚めそう。
「レイも、もっと素直になれば良いのにー。」
「マリナ、余計なお世話。」
レイの視線の先を追うと、マリナの巨乳だつた。どうやら、レイは、ナイチチを気にされているようだ。だけど、レイちゃん、貧乳には貧乳の良さがあるんだ。心まで貧しくなってはいけない。おじさん、貧乳も好きだよ、だからおいで。
なんて、言ったら、地獄行きなので、着ぐるみのチカラで誤魔化す。
「もふもふクロー。」
「ふみゅう。」
パワーアップした、もふもふラプラスは、レイを簡単に骨抜きにする。レイは、エロい表情で果てた。
「ずるい、マリナにも、マリナにもー。」
「ふむ、天国を知るがいい。もふもふクロー。」
「うっひょー、天国だよぉ。」
マリナも涎を垂らしながら恍惚とした表情で果てた。
美少女2人が、恍惚の表情で、両手の中にいる。うわぁぁ。刺激強すぎですわー。
ゼルも、天使さんに、おいでーと呼ばれるまま果てた。。




