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(´・ω・`)


「なんで倒れたの?」


 レイが不思議な顔で聞いてきた。純粋な顔で聞いてきた。なぁ、ホントは分かっててやってないか?とは怖くて聞けない。


「問題ない。気にするな、レイ。」


 起きたら、2人の美少女は、お土産みやげ林檎飴りんご あめに似た、串に刺さった温泉マンボウの卵をペロペロしていた。

 あれ?1個は、おじさんの分だったんだけどなあ。いいや、美味しそうに食べてるし。

 先程のプレイを思いだし、2人の舌先に視線がとらわれる。心が汚れてて、ごめん。だが気になる、エロくて、直視出来ない。


 よしっ、明日も温泉マンボウの卵を買って帰ろう。


「マリナよ。初めまして、レイに世話になってるゼルだ。」


「マリナだよー。嬉しいな、ゼルさん。自己紹介してないのに、名前を知ってるなんて、もしかして古代の叡智えいち?生ラピュラスに会えて感動。着てくれる人を見つけるなんて、レイは天才だよー。」


「ん。私、天才。」


 マリナが、レイを、ぎゅっと抱きしめる。嬉しそうなマリナと、ドヤ顔のレイ。ハイタッチでは無いのか。いや、好きにしてくれ。


「ラプラスでは無いのか?」


「え?ラプラスは、魔獣まじゅうキャンディーのマスコットキャラ。ちょっと怖くて人気が無かったから、マリナがリメイクしたのが、ゼルが着ているラピュラス。基本的には、同じだよー。」


「私、初代の名前を大切にしてる。前のもキモ可愛かった。」


「そ、そうか。」


 レイが、やたらと沢山渡たくさん わたしてくるあめは、片手間かたてまに作った物だと思っていたが、魔獣キャンディー社の商品だったのか。箱であったぞ。大量に、買い過ぎだろう。

 あと、この呪いの装備を作った御本人が現れた。解呪してくれないかな。


「そうだ。ゼルさん、マリナの店で働かない?ラピュラスと一緒にいれるなんてサイコーだよ。君の仕事は、マリナに、ずっと1日中、ぎゅっと抱きしめられる係ね。」


「ダメ、マリナ。ゼルは私の。」


「ふむ。だが、この装備はもう限界だ。休ませてやりたい。それに、着ぐるみを着るだけなら、誰でも良かろう。」


 褐色美少女かっしょく びしょうじょのマリナが、金髪のボブカットの髪を揺らしながら、食い気味で、悪魔の提案をしてくる。揺れるのは、胸だけじゃ無いんですね。この巨乳に、1日パフパフされるだと。けしからん。

 だけど、それって着ぐるみのチカラだよね。だまして、いたいけな少女に付け込むなんてことは出来ない。正直こんなチャンスは、もう無いと思うけど、おじさんは、そこまで落ちてないから、紳士しんしに断る。


 それに、脱ぎたい。一皮むけたいのだ。今までありがとう、呪いの装備よ。


「ゼルさんは、気付いてないみたいだけど、いちおーその着ぐるみは、特別な1点ものの魔道具なの。理力が特級ぐらい無いと着られないんだよ。だから、レイが持って帰った時もホントに着れる人が現れるなんて思ってなくて、それが最近、生ラピュラスの噂を聞くじゃない。ホンモノに会えて、嬉しいよー。」


「ん。さすが私。」


「天才だよーレイは。」


 目の前で、百合百合ユリ ユリされる。ああ、いいね、眼福がんぷくだ。天国は、ここにあった。


 どうも貴重きちょうな魔道具だったらしい。悪い事をしたようだ。焼け焦げた右手を見る。最後に美少女2人に、ペロペロされたんだ。コイツも本望ほんもうだろう。今は、クリーンをかけられて綺麗になって、凌辱りょうじょくあとは無い。

 なら、最初から、クリーンをかけてくれ。ペロペロされたのは夢に違いない。きっと、疲れてたんだ。


「えっと、コイツは治るのか?」


「ごめんなさい。核が、ほとんど壊れかけてるので、無理。さっき、ペロペロしたけど、治らなかったんだー。」


「ん。良く頑張った。」


「そっか、今までありがとうな、相棒あいぼう。」


 その時、ゼルの着ぐるみから、オーラのようなものが立ち昇った。淡い燐光りんこうが、キラキラと渦を巻くように、3人の目の前で踊る。

 くるくると回っていたそれは、1つの塊となって集まった後、ゼルの体に入ってきた。戻ってきたような感覚。身体と1つになる。

 とくんっと心がね、満たされる感覚。いつの間にか、幻想的げんそうてきな光は消えて、戻るのは何時いつもの日常。


 ラピュラスの羽を獲得した!


 着ぐるみから、つやが無くなり、不思議な一体感が無くなった。今さら思いだす、ただの着ぐるみを着ている着心地に変わる。

 今、それは魔道具としての役割を終えた。


「なんだ?」


「おおーっ、魔道具がめぐる瞬間なんて初めてみたよ。」


「ん。喜んでた。」


 何が起きたのかは分からないが、喜んでくれていたなら、良かった。


 これで、お別れだ。

 少し、しんみりとした気持ちだ。レイとアイコンタクトする。うなずくレイ。


「ん。ゼル、いで。」


 思えば、ゼルは、この魔獣ラピュラスの着ぐるみに助けられてきた。これを脱いだら、目の前の2人と関係性が変わるかもしれない。少し不安は、ある。だけど、異世界に来て変わりつつある。

 だから、大丈夫だ。何があってもモブおじさんは、陰でレイを守る。


「さよならだ、ラプラス。」


「バイバイ、ラプラス。」


「ラピュラスー。」




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