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第3章: 王城での1歳の誕生日パーティー

第3章: 王城での1歳の誕生日パーティー


[数日後]

ポルはベビーベッドの中で深く考え込んでいた。

今日が誕生日じゃないか?新しい世界で丸一年経ったってわけだ。

彼は心の中でため息をついた。

普通の人間なら、魔力回路が活性化するのは7歳から14歳の間。でも俺は違う。あと8年はこの赤ちゃん生活を頑張らないと、面白いことなんて何も起きないんだろうな。

彼は本が積まれた棚に目を向けた。

本なんて得意じゃないけど、他にやることもないしな。とりあえず、赤ちゃん向けの魔力基礎学を勉強するか。普通の子供みたいに振る舞わないとな。それじゃ、行くぞ…

柔らかな朝の光が薄いカーテンを通り抜け、ポルの顔を優しく照らした。小さな手が、ラベンダーの香りがほのかに残る暖かいブランケットに触れる。その安心感に彼は微笑んだ。

静かな足音が近づき、彼女の存在を感じる。心地よい野花の香りと彼女特有の香りが漂ってきた。彼の額の髪を撫でる暖かい指先。くすぐったさに思わず笑い声が漏れた。

「おはよう、私の小さな星。」

彼女の声は柔らかく子守唄のようだった。その言葉の意味はまだ理解できなかったが、その音だけで十分だった。彼は本能的に手を伸ばし、ぽっちゃりとした手で彼女の指を掴んだ。それは暖かさであり、安全であり、家そのものだった。

彼女の髪が頬に触れ、くすぐったさが心地よく、額への軽いキスと共に安心感を与えた。その瞬間、ポルは理解していた—これが愛だと。彼女の声と触れ合いの中に包まれた世界が完璧だった。

「お誕生日おめでとう、ポル。愛してるわ。」

彼女が微笑みながらそう言ったとき、ポルは心の中で思った。

いいな、これ。家族ができたのは悪くない。内心では大人だとしても、こうやって愛されるのは悪くない。


[その日の午後: 王家の舞踏会]

静かに家で祝うと思ってたのに、違った。今日は第二王子の誕生日でもあるから、王宮でお祝いらしい。王様の命令だってさ。

ポルは壮大な大広間を見回した。シャンデリアが裏返しの星の森のように輝き、貴族たちが床を滑るように踊る。その服装はまるで「私の価値は君の家より高い」と言わんばかりだった。

彼の両親は他の高位貴族たちと礼儀正しい会話を交わしていた。一方、ポルは可愛さを全面に出して世界で一番愛らしいアクセサリーとしての役割をこなしていた。

ただ一つの問題がある。

なんでみんな俺の頬をつついていいと思ってるんだ?!

彼は内心で不満をこぼしながら、また別の知らない人が近づいてきて、彼の顔をまるでインタラクティブアートの展示品のように押してきた。

その時だった。彼女が現れた。

プラチナの髪と鋭い、いたずらっぽい目を持つ若い女性が、優雅に歩み寄ってきた。彼女の一歩一歩には自信が溢れていた。月光のように輝くドレスが彼女の動きに合わせて揺れ、その意地悪そうな笑みがポルの視線を釘付けにした。

彼女は彼の目線の高さまでしゃがみ込み、その視線には遊び心と危険な魅力が混ざっていた。

「ねえ、ちっちゃいの。」彼女は甘い蜂蜜のような声で囁いた。しかしその中にはいたずら心が隠れていた。

「人生、楽しみだよね?早く大きくなってね。そしたら、いろんな悪いことが一緒にできるから。」

ちょっと待て、なんだって?!

彼の赤ちゃんの脳は壊れたエンジンのように空回りした。

『悪いこと』だって?!うわー、1歳児には刺激が強すぎる!

彼のぽっちゃりした顔は真っ赤になり、その衝撃で一瞬固まってしまった。

「見てろよ、お嬢さん…早く成長してみせる!」

彼の小さな心にドラマチックな決意が宿り、その大きな目がほんの少し輝いた。

「陛下、それは少し不適切かと。」エリンドールが冷静に口を挟んだ。「こんな印象的な言葉を子供に与えるのは賢明ではありませんよ。」

おい、今なんて言った?

「この若者の将来に期待している。」

彼女——セラフィン王女だとポルは気づいた——は軽く笑い、その笑みは決して消えなかった。

「キャプテン・ナイトベール、私の単なる言葉で若い心が形作られると本気で思いますか?」

彼女はポルにウィンクし、続けた。「でも、あなたの言う通り。彼はきっと私たちを驚かせてくれるでしょう。」

何だこの王室の会話劇は?!

ポルは理解していないふりをしながら必死で耐えていた。

セラフィンは優雅に立ち上がり、その振る舞いは遊び心から一瞬で王女らしい気品に変わった。彼女はセラフィナに向かって温かい微笑みを浮かべた。

「ナイトベール卿、いつもお会いできて光栄です。相変わらずお美しいですね。」

セラフィナは優雅に一礼した。「陛下、過分なお言葉をありがとうございます。このような場に招かれたことは光栄です。」

セラフィンは手を軽く振り、「私たちの間で形式は不要です。ほら、ほとんど家族のようなものじゃないですか。」

彼女はポルを見つめ、その目はきらめいていた。「この子もきっと、強さと知恵に囲まれて育つことでしょう。そして、私の精神も少し受け継ぐかもしれませんね。」

「やれやれ、演技が多すぎだ。」

やがて、笑い声と音楽が広間を満たした。その時、大きな両開きの扉が音を立てて開き、部屋が静まり返った。

王の側近が前に進み、その声が響いた。「貴族の皆様、陛下、ヴァリンドール・エルソール王をお迎えいたします!」

ポルの小さな目が驚きで見開かれた。

あれが王様か…。

王の荘厳な姿が光の中で輝き、その一歩一歩が威厳に満ちていた。

「これは絶対に逆らっちゃいけないタイプだな。」

やがてポルは特別席に案内されたが、彼はそれどころではなかった。その小さな瞼は重くなり、彼の頭はふわふわと夢の中へ。

「今日は…大きい…部屋……」

「おやすみ…zzzz…」

こうして誕生日の主役は、壮大な王家の舞踏会の中でぐっすりと眠りに落ちた。


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