女公爵はカジノを視察する
カジノが一番の稼ぎ頭
アンジェリクはリュカを連れてエルドラド公爵家直轄のカジノを訪れた。
「んー、香水とタバコとお酒の匂い。鼻が曲がりそう」
「まあ、カジノですから多少は仕方ありませんね。賭け事も貴族の嗜みの一つですから」
「香水とタバコとお酒もね」
アンジェリクは一瞬顔を顰めたものの、すぐに笑顔を貼り付けた。そんなアンジェリクを見てリュカは申し訳無さそうに視線を落とす。
「申し訳ございません、ご主人様。匂いを消してしまえばいいだけなのですが、それをすると騒ぎになってしまいますので」
「大丈夫よ。ありがとう、リュカ」
アンジェリクはリュカにウィンクして見せた。そして、持ってきたお金をチップに両替し賭け事に興じる。
「と言っても、オーナーである私はディーラーに顔を覚えられているから忖度されるのよね」
小声でリュカに愚痴を言うアンジェリク。どうせ来たのだから負けてもいいから真剣勝負をしたいというのがアンジェリクの言い分だ。
「オーナーを負けさせて首にされたくないのでしょう。仕方がありませんよ」
リュカも小声で返す。アンジェリクは仕方がないかと肩を落とす。そのまましばらく賭け事に興じながら、カジノの雰囲気を感じ取る。
「結構盛り上がっているわね。従業員達もきちんと接客しているようだし、悪くはないわ」
「やはりこのカジノこそエルドラドの稼ぎ頭ですね。他の観光業も勿論頑張ってくれてはいますが」
「ええ。あんまり一つの事業に依存したくはないから他の観光業も頑張ってくれていて助かるけれど、このカジノはやっぱり特別だわ。潰さないように頑張らないとね」
ほどほどのところで賭け事を切り上げて両替して帰るアンジェリクとリュカ。これで四泊五日の視察は終わった。このまま屋敷に帰ってゆっくりと疲れを癒し、明日からまた執務に励むこととなった。
でも他の観光業も頑張ってます




