No43
雨の中
雨の中ぽつりと たたずむ君を見たのは
冬の寒い夕暮れ 涙をぬぐってた
傘をそっと差し出すと 驚いてたね
頬をつたう涙は それでも止まりはしない
雨に混じって落ちる 悲しみのしるし
あどけなく キレイな 君の横顔
ただただ見つめて いるだけの僕さ
雨の中あなたの 何気ない優しさに
触れても私の心は もろく震えて
傘で雨はやんでも 凍えるからだ
頬をつたう涙は どうしても止められない
歩道を打つ雨音が 空しく響く
肩を濡らし 見つめる キレイな瞳
何も語らず側に いてくれたあなた
顔をあげた君の 瞳は涙に霞み
冷たい風が吹けば 息さえ凍えて
震えながらまたうつむいた 君の足元に
頬をつたう涙は 落ちながら弾けて
「ごめんなさい」と君の 唇が動く
濡れた髪 笑顔には まだ遠いけど
少しずつ 少しずつ 元気を出して
あの店であなたと 飲んだコーヒーの味
私はミルクを二つ 温かかったわ
あなたのスーツも雨に濡れ 私のせいね
頬をつたった涙は ゆっくり静まり
「落ち着いた?」とあなたの言葉
優しさが嬉しくて 言葉が体を離れない
そして 駅まで送ってくれたね 約束もせず
恋をなくして一月 あの店であなたを見たわ
あの時と同じ 冷たい雨が降ってる
「ありがとう」が言いたくて でも無理なんだ
頬をつたった涙を また思い出しそう
それはあなたを見つめる 素敵な彼女
ひとりきり雨の中 駅までの道
何故か心 乱れながら 涙がまたひとつ
優しさを ありがとう
温もりを ありがとう
揺れる気持ち 約束も 雨に流れて
夢の中の 恋人に そっとサヨナラ




