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作文  作者: 花見 福馬
31/90

No31

恋人


明日はあなたと 南の島へ

一緒に行けるの とても幸せ

白いドレスと 小さなリング

少しおめかし するつもり

あなたと二人 初めての旅

考えてると 眠れそうにない


待ち合わせは となり町の

僕が決めた 地下鉄の駅

改札の脇に ひとりたたずむ

君の姿に 心は揺れる

誰にも言えない 初めての旅

僕に気づいて 君は振り向く


電車に乗って 並んで座り

手が触れただけで 緊張しちゃう

慌てて買った ガイドブック

あなたの膝に そっと置くの

ページをめくる あなたの指

シルバーリング 私と違う


空港に立つと 夏のにおい

雨上がりの 青い空

はしゃいでいる 君の影に

なぜだろう 悲しさが滲んでる

すれ違うひとは あでやかに過ぎ

僕たちを すぐにおいて行く


部屋から見える コバルトは

私の心を 緩くさせる

せめてこの 旅だけは

あなたのために 過ごしたい

わかっていたはずの 短い恋に

私のすべてを 預けるの


荷物を下ろして 海岸通り

繋いだ手には 君の思い

せつないはずの この旅なのに

素敵な笑顔が 僕を見つめる

ゴメンと心で つぶやきながら

そのままだった リングを抜いた


すぐに気づいたの あなたの思い

左のリング 消してくれたのね

私あなたと 何をしようかな

海へおりて 思い出語ろう

珊瑚の海は 素敵すぎるよ

星の砂は そのままにしておくね


夜には有名な 祭りがあると

見知らぬ人が 話していた

思い出をつくるには いいのかな

君の意見は どうですか

薬指の リングの跡

見えないように 背中にまわし


自転車こいで あなたと二人

シュガーロード 夢の中

お店に入ると おじさんおばさん

ステキな笑顔 忘れないでしょう

今夜は祭が あるのだと

あなたの言葉に うなずく私


南の空 南の海

南の風 南の大地

南の思い出 南の人たち

南に残し 僕の思い

東京に帰ったら 僕らの真実

受け入れなければ いけないのです


あなたはちょっと 外にいて

いいよと言うまで そこにいてね

派手さはないけど 白のドレス

着替えてみるの 涙隠し

私の合図で 部屋に入ると

瞬きすら 忘れたあなた


祭りに向かう ひとの中

僕も君の 手を握り

華やかな祭 旅の思い出

祭のあとの 寂しさは

白のドレスの 君のかげり

花火をつけて 子供のように

無邪気な笑顔 隠す心


部屋に帰って 少しの間

私はシャワーを 浴びてくるわ

あなたは窓辺で タバコをくわえ

星の空に 何を思うの

ワインを二つ 並べてください

最後のこれが わがままです


ふとしたことで 知り合って

あれからどのくらい 経つのだろう

君と会うと 心がときめき

時間が経つのも 忘れてしまう

君はいつも 合わせてくれた

僕の好みも わかってくれてたね


あなたとこうして 出逢えたことを

私、後悔なんか してないよ

二人並んで グラス傾け

最後の乾杯 しましょうね

あなたの腕が 肩を抱くと

やっぱり涙で 心が揺れるよ


腕に伝わる 微かな揺れに

君の辛さを かみしめる

細い指に 小さなリング

何も言えない ダメな僕さ

グラスに映る 君の瞳

グラスに映る 君の唇


夢は覚め 現実を

二人の恋は 選んだのね

あなたの生き方 追いかけたいけど

それじゃあなたが 辛すぎるわ

南の島の ステキな思い出

胸に閉じ込め 進んで行くの


最後の口づけ 最後の言葉

今でも好きよ あなただけが


地下鉄の駅 改札抜けて

それぞれの道を 歩きましょう

振り返らず 振り返らず

ありがとうあなた いつまでも

ステキでいて ください

ステキでいて ください





















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