56、爆弾愛好家・・・だと!?
クラスでダンジョンに行った日から数日経って、生徒達の部活が始まった。
私は部活の顧問ではないから部活の時間は暇をしている。
なので、面白そうな研究をやっている研究棟に向かっている。
「ここかぁ」
明らかにヤバそうな、危険物でも入っていそうな重厚なミスリルの扉を見ながら呟く。
扉を開いて中を覗くと―――。
爆弾を抱きながらニヤニヤしている変人がいた。
「はっ?」
「ふぇ?ああ、お客さんね。あと5分待って。メルシーちゃんを愛していたいから」
「は?」
意味がわからない。
何この変態。
まあ、とりあえず5分間待ってみようかな。
―――5分後。
「5分経ちましたよー」
「あと5分っ!メルシーちゃん!はぁはぁ」
こいつやばいね。
爆弾に興奮するやつなんて創造神時代の記憶を見ても初めてだよ。
「ちょっと落ち着こうか。『精神安定』」
「はぁはぁはぁ」
「効いてない!?」
ちょっとどうしよ。
そうだ!
「斜め45度から叩く!」
ゴンッ!
「メルシーちゃん・・・ふぎゅ」
え?死んだ?
「気絶してるだけか・・・。じゃあいいか」
しばらくすると、変態は起き上がった。
「あれっ?私、確かメルシーちゃんと愛し合っていたはずなのに?」
「ようやくおきたかぁ・・・。1時間は待ったかな」
「あなた誰です?もしや、あなたもメルシーちゃんの可愛さに惹かれて来られたのですか?」
爆弾に愛着は持てないかな。
「そんなことはないよ。ただ、研究棟で魔力が一番濃い場所に来たらここだったという訳」
「そうですか・・・同士が増えるかと思ったのに・・・」
同士はなかなかいないと思うよ。
そう口には出さない。
「この爆弾すごいね。この帝都ぐらい吹き飛ばせると思うよ」
「そうですよね!私!このメルシーちゃんを差し出せと言われたら怒って起動しちゃいます!」
「さらっと恐ろしいこと言うね」
まあ私が頑張ればそれぐらい止められると思うけど。
「大丈夫。爆弾を寄越せとは言わないから。普通に見に来ただけだから」
「ほっ。メルシーちゃんが盗られると思うと気が気じゃなかったんだよ」
「そういえば、何故名前がメルシーちゃんなの?」
「私の姉の名前なんです」
私は思った・・・。
―――こいつ!シスコンだっ!
「お姉さんは爆弾に自分の名前を付けられてどう思ってるの?」
「それは・・・。分からないです」
ん?
分からない?
「聞いてないの?」
「聞けないんです。何故なら・・・」
何故なら・・・?
「姉は今、喋れない病にかかっているからです」
次回更新したらしばらく更新が止まると思われます。
申し訳ないです。
ただ、次回、新作と同時更新します。
楽しみにしていてください!
イカ戦士よりはうまくかけているかなと思います。
タイトルは
「堕ちし天使は禁忌の箱を解く」です。
カクヨム様でも投稿予定です!
そういえば5000pv感謝です




