第3章 海域に堕ちる疫病神
しばらくの間、投稿できず、申し訳ありませんでした。
二週間前、母が倒れ救急車で運ばれ、くも膜下出血と診断され、その日の内に緊急手術が行われ、何とか手術は成功しましたが、そこから二週間の間に動脈瘤が詰まったり、脳梗塞になる可能性盛ると言われ、その期間の間、小説が書けるほど、思考が安定しておりませんでした。
なんとか二週間も無事すぎ、医師の人から説明があり、もう安心していいと言われ、ホッとしています。
気になる事があるとすれば、点滴などの薬剤における後遺症で、肺に水が溜まってる状態ですが、それも薬でどうにか収まるとも言われ、退院後は循環器のクリニックに行く予定です。
ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
今日から投稿を再開しますので、どうかよろしくお願いします。
ジェイルたちが現世でヨシュアたちを探しながら、満喫していた頃だった。
とある現世の海域で、新たなる物語が始まろうとしていた。
揺蕩う波を航海していた海賊たち。
悪魔の世界と呼ばれてから生きる事を優先していたが、弱きを助け強きを挫く、と拍が付いていた海賊たち。
だが、その海賊たちは、特に世直しなどが目的ではなく、当初の目的は金品を略奪し、自分たちが生き延びる事を目的としていたが、どう言うわけか、とある一人の厄病神のせいで、自分たちの意志とは関係なく、自分たちの金品が、何故か無くなり、貧困な人たちに分け与えられていた。
お金や物資の監視も厳重に警戒していたが、何故か無くなり、飢えている人たちに分け与えられている。
もちろん、それだけではない。
出航する前には、大半のクルーたちが食中毒を起こしたり、何もない道に、一面の道を埋め尽くすほどのカモメのフン。
何とか海に出ても、巨大鯨に体当たりされたりして、船が大破した時もしょっちゅうあった。
その海賊の名はシップ・オブ・ディザスター。
不幸の象徴を世間から浴び、船長であるリバルボ・ハックが苦渋の決断で付けた。
そして、とある日、何とか出航にこぎ着け、巨大生物とも遭遇せず、航海していた時だった。
船員たちが生きた心地がしない状態で、警戒態勢で海や船内を警戒していた。
リバルボは訝しい目で、これからの衣食住をどうするべきか真剣に悩んでいた。
毎日のように飢えが襲ってくる。
船員の何人かが釣りをしていたが、釣れるのは、何故か幼魚や未成魚ばかり。
釣るたびに深いため息が出てしまう。
「おう、リバルボ。景気はどうだ?」
茶色い無精髭を生やし、鋭い一重の瞼、オンボロの茶黒いコートを着ていながらも、どこか気品を感じる40代の男、リバルボに陽気に話しかける男こそ、諸悪の根源と言われる30代の疫病神、イヅナ・ツエルブ。
常に明るい面持ちで、第一印象は暖かい印象をもたらせるが、どこか抜けてるような感じも見受けられる。
背後から気さくに話しかけてくるイヅナに鋭い目つきを飛ばすリバルボ。
「……お前、よくそんなケロリとしてられるな。お前のせいで食料は無いわ、物資も消えうせるわ。おまけに海に出る度、疫病染みた感染を負う船員たち。他にも訪れる災難は五万とある。どうだ? 俺たちを苦しめて楽しいか?」
嫌味で小言でも口にするリバルボ。
「だから何度も言ってるだろ。たまたま、俺が居るだけで不幸に遭うって。な? たまたまさ」
ウキウキ気分で口にするイヅナ。
それには堪忍袋の緒が切れそうになるのをグッと堪えるリバルボ。
「なら聞くが、試しにお前をフン地場って、曰くつきの灯台にぶち込み、そこで神父が一カ月、祈りを捧げながらお前を封印している間、俺たちは幸福が齎せられ続けた。これには、どう説明する気だ?」
「い、いや。だから、それもたまたまなんだって」
リバルボが顔を近づけ、威圧する様に問いただすと、イヅナは気まずそうにまごまごと口にする。
すると、嫌な空気を払い飛ばそうと、急に満面の笑みになるイヅナ。
「まあ、そう気を立てるなよ。見ろよ。今日は風も穏やかだろ?」
笑顔でそう口にした途端だった。
ボヒューン!
途轍もない突風が吹きだし、イヅナたちの顔を自分たちの髪でめちゃくちゃな形で覆い隠される。
ビュー! ビュー! ビュー!
収まる事のない突風。
リバルボは、何か言いたげだった事を、隠れた顔からオーラだけで察したイヅナは何か気晴らしになる様な事がないか、と思考を巡らせる。
「えっとだな……そ、そうだ! 波は穏やかだろ⁉ そうさ! 俺たちは海賊だし、波さえ荒れてなかったらどこにでも行ける」
悠々と口にするイヅナ。
だがその直後。
ザバーーーーン!
今度は大津波が船全体を襲い掛かり、クルー全員が暫しの間、船の上で溺れてしまう。
何とか船が海から顔を出した時には、イヅナが目にしたのは、今にでもブちぎれそうなリバルボの姿。
全身ずぶ濡れでありながらも、その噴火する寸前の怒りの目がイヅナに向けられていた。
イヅナは、どう対処したら良いのか分からずしかめっ面で甲板に打ち上げられていた幼魚を手にし、「今日は俺が手料理を振舞ってやるよ。な、相棒」とウキウキ気分で口にする。
すると、リバルボが不敵に笑い出す。
「フハハハハッ。散々、俺たちを引っ搔き回しといて、その代償が疫病神の作る稚魚料理か? 泣けるねえ~。いや本当に……泣けるよ」
少しでもイヅナに重く受け止めてもらえるよう、最後に、めいいっぱい感情を込めて重く口にするリバルボ。
すると、イヅナは未成魚を「いつか俺に恩返ししてくれよ」とその魚に祈りを込め、海に放り投げる。
「大変だ! 船長! 巨大な渦潮が眼前にある!」
「ああくそ! お前といるといつもこれだ!」
船員の呼びかけに、等々、怒りが爆発したリバルボは声を荒げながらイヅナを強引に払いのけるように押し出し、渦潮があると言われているポイントの甲板にまでズカズカとした足取りで向かう。
「いやいや、だから何もかも偶然なんだって!」
必死に弁明しながらリバルボの後についていくイヅナ。
「くそ! 流石に俺たちの悪運もここまでか。本当に恨むぞイヅナ!」
「だから俺のせいにするなって!」
クルーたちがイヅナに詰め寄る様に口にすると、イヅナは嫌気が差す様な態度を取る。
「イヅナ様。どうか疫病神なあなたは仮にも神の称号をお持ちのはず。ならば、その力で、我々をお導きください」
等々、精神がおかしくなったクルーの一人が、支離滅裂な神頼みをイヅナにし始めた。
それを聞いた他のクルーたちは「なるほど、味方を変えるとこの窮地を救えるのは、天災を招いた張本人」「ああ。それこそ神である災いを招いた本人の手で解決するのが筋だよな」と陽気に語り合う。
だが、その笑顔の裏には業が見え隠れしていた。
それを察したイヅナはテンパりながら、船長であるリバルボに助けを求める様な目を送る。
「……疫病神だからこそのケジメか……」
何か思い悩むように渦潮を見ながら口にするリバルボ。
その様子を見て、何か嫌な予感がし始めたイヅナ。
「……イヅナ、もしかしたらこの窮地を脱出できる糸口がお前にあるのかもしれない」
「え!? まじか!? どんな方法だ船長!?」
リバルボの言葉に希望の目を向けるクルーたち。
すると、リバルボは、険しい表情で懐から、ゆっくりとピストルを抜き出し、その銃口をイヅナの額に向ける。
「……え?」
イヅナは思考が停止したかのように、目を点にする。
「その方法とは、疫病神そのものを殺す事だ。そうすれば、災いは俺たちの前から消え失せる」
人の心を捨てたかのようにリバルボが口にした途端、リバルボは引き金を引き、イヅナの意識は、闇に葬られたのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回で第3章は終わりです。
次章からも是非ご一読ください。
よろしくお願いします。




