痛みと愛おしさ
またまた三ヶ月も空いてしまいました……。
すみません!
よろしくお願いします。
「お前のせいじゃ──」
「いいんです!」
クリストフ様の気遣いはありがたい。だけど、それじゃ駄目だ。お母様が「あなたは悪くない」と駄目な私を肯定してくれていたときみたいに、依存の対象がクリストフ様に変わるだけだ。私は認めたくないことも受け入れた上で、前に進まなければいけない。それが辛いことだとわかっていても。
腹の奥底から出した大声でクリストフ様の言葉を遮ってしまった。クリストフ様は何度か口を開閉すると、結局その後は言葉を発することなく閉じた。その口角は納得いかないようで下がっている。
大きな声を出したせいで胸の鼓動が激しい。落ち着かせようと何度か深呼吸して、私は続けた。
「クリストフ様が私のせいじゃないと思ってくださるように、私は私で責任があると思っているんです。誰かがそう言ってくれたから、と私が楽になる言葉に甘えていたら、私はいつまでたっても変わることなんてできません」
クリストフ様ははっと息をのんだ。
私はずるいのかもしれない。こういえばきっとクリストフ様は何も言えなくなる。ここでクリストフ様が私の言葉を否定したら、クリストフ様がお母様と同じことを私に強いることになるし、クリストフ様自身が私に言ってくれたことを否定することになるから。
いつまでも、甘やかされた愚かな娘でいられたらよかったのだろうか。こうして、相手がどう思うかを考えて相手から何かを奪うことが、こんなに嫌なことだとは思わなかった。
自分を知ることで自分が汚い人間に思えたけれど、以前よりも成長することで更に自分の汚さを思い知った気がして胸が痛んだ。
「……俺は、お前のそんな顔が見たかったわけじゃない」
感情を押し殺した低い声で、クリストフ様は呟いた。その表情が今にも泣きそうに見えて、私は慌てて立ち上がるとクリストフ様の方へ駆け寄った。
「っ、私だって! クリストフ様のそんな顔が見たかったわけじゃありません……!」
傷つけたくないのに傷つけてしまった。経験不足で、こんな時にどうすればいいのかわからない。クリストフ様の席まで駆け寄ったのはいいものの、これ以上近づいていいのかわからずに、クリストフ様へ伸ばしかけた手をゆっくり下そうとしたときだった。
クリストフ様は勢いよく立ち上がり、私の手を掴んでその胸に抱き寄せる。椅子がガタガタと倒れる音がしたけれど、周囲の景色から自分たち二人だけが切り離されたように、それがどこか遠くに感じた。
言葉はお互いになかった。
私は謝罪の言葉ばかりが頭の中を巡っていたから口に出せなかった。だけどそれ以上に、衣服越しに聞こえるクリストフ様の胸の鼓動が、私と同じように大きく早くて、聞いていたかったから。
罪悪感はある。それでも、私の心はクリストフ様を思うことをやめたいと言わなかった。痛みと共に感じる愛おしさが、私の腕をクリストフ様の背中に回させた。
読んでいただき、ありがとうございました。
次はもっと早く投稿できるように頑張ります(^^)




