ドラゴンが二匹
「っっ!!!」
目が覚めると、暗い場所に僕は居た。
そこはとても暗くて、嫌な思い出を思い出してしまいそうになる。
「っ!!____っ!!」
この状況が急に怖くなってじたばたと動いても、何かが体に巻きついているのか、動けている感じは全くと言っても無く、逆に締め付けられていく様な気がする。
「_____!!」
遠くで何かが叫ぶ声がする。
それが、とても怖くて。
でも、少しだけ温かい気がしてギュッと目を閉じた。
そのままじっとして、何時間経ったのだろうか。
いや、もしかしたら数分しか経って無いかもしれない。
周りに変わった様子が無いから、余計にそう思ってしまうのだろう。
そのお陰で少しずつ落ち着いてきた。
「____・・・」
声も相変わらず聞こえるが、何故か少しずつ小さくなっている気がしないでもない。
なんて考えていると、何度目かの振動が来た。
・・・振動、と言うよりかは何かに押し出されているような感覚だ。
「!?」
とうとつ唐突に自分の周りにあったはずの温かさがなくなって、息が出来なくなった。
締め付けが強くなり、下へ下へと押されていき、急に圧力が掛からなくなり、何故か目を開けても何も見ることが出来ないが、明るくなったような気がする。
「っ!! っはっ!!! うぇええっ」
「________!______!!!」
「ッッ______!!___ッ!」
言葉は判らないが人が増えていて、嬉しそうにして・・・?
・・・何故かむしょう無性に泣きたくなったから。
「う″ぇぇええええええんっ!!!」
泣いた。
あれから何時間、否。
何日か経った頃には目がキチンと見えるようになり、ようやく自分の立場を理解した。
多分、転生と言われるものなのだろう。
そして、1からやり直しになったみたいだ。
・・・元の顔のまま。
何がいけなかったんだろう。
・・・自分の顔が嫌になったから死んだのに。
もう一度同じ顔でやり直しって・・・。
と思ったが、この世界はまだ、マシかな。
と思えるようなことがまだあった。
それは、こんな顔の僕でも優しく接してくれること。
そう思えるほどに、元の世界がつら辛かったのだ。
そう考えると、目がまたうる潤む。
「ふっ・・・ぅ」
クシャッと顔をゆが歪めると、何故かは分からないがそば傍にトカゲが来て、手から身体、顔の順にのぼ登ったかと思ったら、僕の目元を舐めた。
こうやって僕を慰めるのは、今日が初めてでは無い。
多分だが、此処で目が見える様になった前からだ。
「エイダー?___________?_____??」
父さんの声・・・?
まだ、何を言っているかは分からない。
けど、え、ぃ、・・・えいだ?
・・・エイダ、と聞こえるから、多分、僕の名前だと思う。
僕の父さんは、前世も今世も男前だ。
母さんも綺麗で・・・だから、とても苦しい。
また、同じ事を繰り返すのかと思うと、ゾッとして、血の気が引くのを感じる。
何て考えていると、顔に出ていたのか父さんが僕を抱いて、母さんの元に連れて行って、何となくだけどお腹が空いているのか、不機嫌そうだ、と話しているようにも見える。
正直に言うと、お腹は全く空いていないし、前までは食べないこともざらにあった。
それに元々小食だから、哺乳瓶らしき物に入っているミルクが多すぎて、残してしまうことや、飲んでも戻してしまったりと、両親は僕が飲み切れる量を入れてくれるのだが、まともに動けない赤子の所為で消化するのに長い時間が掛かってしまうのだ。
一回飲むと夜までか掛かってしまって、結局一日一食状態だ。
だからお腹が空いている訳でもないし、それにこんな風になれて不機嫌な訳が無い。
ただ・・・自分に嫌気が差しただけだ。
「うーあー。うっ、うっ」
と、全く言葉にならなかったが、気持ちを伝えて、気持ち悪いと言われた事のある笑顔を向けると、
一度目を見開いた後、多分何かを言っていたのか分からないけど雄たけびをあげながら抱き付いて来たので、話を逸らせたと思いたい。




