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スマホで見ている人の方が多いようなんですが、スマホで見るとどんな感じなんでしょうか。

私はパソコンで書いているので、それに行の見栄えとかも合わせているので見にくいのでしょうかね。

途中の表記が崩れておかしくなっているかもしれませんが、心の眼で見てください。

 大陸暦1052年 土の月 30日



 =B3階?=


 1,2,3,4,5,6,7、8……周囲にいるのは全部で8体。結構多いですね。



 ロッテドコープス

 種族:アンデッド

 レベル:17

 属性:闇

 スキル:〈悪臭〉〈毒〉



 〈鑑定〉すると7体ともこんな感じです。ロッテドコープス……日本語で言うと「腐った死体」ですね。

 鼻への刺激は肉が腐った匂いですか。どうりで臭いはずです。気をつけるべきはスキルにある〈毒〉でしょうか。状態異常にはスキル・アーツで耐性はありますが、なるべくならなりたくはないものです。


 これに包囲されているわけですが……さすが腐った死体。動きの鈍さはボーンゴーレム以上です。


 とにかく。私は駆け出しました。ここにいても取り囲まれるだけです。待ち構えていても流石に1対7では相手の手数が多すぎて防ぎきれなくなるのは上の階のラットやバットで実体験済です。


 相手の包囲網が狭まりきる前に、間をすり抜ける!


 ちょっとひやっとしましたけど、動きが鈍かったのが幸いして、間を駆け抜けました。


 壁にたどり着いたので、壁を背にして振り返ります。


 私を取り囲もうとしていた死体たちが、向きを変え、私に迫ってきます。

 だいたい円周上に配置されていた死体たちの一点をすり抜けて外側で待ち構える。


 相手は移動速度が非常に遅いので近い位置にいる個体からだいたい8体ずつくらい順番に私の方に近づいてくることになります。


 文章で説明してもわかりづらいので、雑にですけど図解しましょう。



    ①       壁

  ②   ③     壁

 ④  ●  ⑤    壁

  ⑥   ⑦     壁

    ⑧       壁



 ●=私、①~⑧=ロッテドコープス、壁=ダンジョンの壁、です。最初はこんな感じで私の周りをぐるっと囲まれていましたが、



    ①       壁

  ②   ③    ●壁

 ④     ⑤    壁

  ⑥   ⑦     壁

    ⑧       壁



 間をすりぬけて壁を背にしたことでこういう配置になりました。


 8体ともゆっくりかつ移動速度は変わらないので、私の方にはだいたい⑤③⑦①⑧②⑥④という順番で近づいてくることになります。それを順番に各個撃破してしまえばいい、という理屈になります。


 図が雑すぎてわかりにくい?

 心の眼で感じてください。


 とはいえ、近づくまでの短時間の間に敵を撃破していかないとどんどん同時に相手する敵が増えるわけですが、そこは私には「多重発動」があります。


 〈ドラゴンクロー〉

 〈ドラゴンクロー〉

 〈ドラゴンクロー〉


 消費【MP】0のアーツを大量に発動、連鎖させることで多重発動のボーナスを重ね合わせて高タメージを叩きだす、私の必殺技。


 これには消費MP0の形でアーツを正確に、しかも速く発動させ続けることが必要になります。


 私のやり方はコピペと時計のイメージ。


 消費MP0の形───〈ドラゴンクロー〉ですと針のような形の細い小さな爪1本、ですが、これをイメージした後、空中に1個ずつ貼り付けて行くような形で発動させていきます。


 で、貼り付け方は時計をイメージ。アナログの時計盤の数字の場所に1個ずつ発動したアーツを「置いて行く」ように。そうすると、12個1セットを円形に配置できます。大きさを変えた円でもう1セットで計24個。だいたい発動に1個1秒程度なので準備時間と威力の兼ね合いでこれくらいが適量というのが私の結論です。


 あとは。


 消費MP0なので射程を伸ばしたりはできないんですよね。MP消費しちゃうので。つまり、至近距離でこの二重円に配置されたアーツをぶつけないといけないわけで。


 腐った死体があぁぁ目の前でぇぇぇ臭いぃぃぃ気持ちわるいぃぃぃ!!!




 〈ドラゴンクロー〉を溜める→近づいてきたロテッドコープスにぶつける→壁沿いに走って距離を取る→〈ドラゴンクロー〉を溜める、という繰り返しで7体全部を倒しきりました。


 足が遅いというのは対私にとって致命的な弱点だな、とよく理解できました。



      ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇



 一息ついていると、部屋の中央に見慣れぬものがあります。


 それは大きな箱でした。装飾がされていて、見た目は非常に立派です。


 つまりこれは、宝箱と言うやつですか!


 そう言えば初めてみました。B1階には全然なかったんですよね。


 いや、しかし。今までなかったはずなのに急に現れて、非常に怪しい。怪しい限りです。


 こういう時は〈鑑定〉でしょう。



 宝箱

 種別:オブジェクト

 耐久度:3000/3000



 宝箱ですね。耐久度があるから壊せるのかもしれませんが、大変そうです。


 触っても大丈夫なのか、恐る恐る触ってみますが、特に何も起こりません。では、開けてみるか、と思いましたが蓋は開きません。よく見ると、正面に鍵穴のような穴が開いています。つまり、鍵がかかっているようです。


 鍵……持ってないですね。


 そういえば針金のようなもので鍵を使わずに開ける技術がありましたね。針金のようなもの、縫い針でどうでしょうか。


 縫い針を所持品から取り出して差し込んでまわしたりしてみましたが、駄目なようです。


 もう少しよく考えてみましょう。


 鍵とは複雑な凹凸があり、それが鍵穴と一致することで回して開けることができるようになるものです。結局は鍵を回してしまえば、中の金具が動いて鍵は開くわけで、それを代用できるものがあればよい、と。

 

 うん、もう1つ針のようなものがありましたね。


 〈ドラゴンクロー〉です。


 消費MP0で使う〈ドラゴンクロー〉はまさしく針のような細さです。これを鍵穴に差し込み、〈魔力操作〉で鍵穴に噛みあうように形を調整して回せば。


 カチャリ。



 【〈鍵開け〉スキルを習得しました】


 ふふっ、私の読み通りに鍵は開きました。ついでにスキルも覚えたようです。


 では、蓋を開けて中身を見てみることにしましょう。





 蓋を開けた瞬間、目の前が真っ白になりました。


 轟音。


 閃光。


 恐ろしい衝撃で私は吹っ飛ばされて、壁に叩きつけられました。


 何が起こったのか。


 そう、蓋を開けた瞬間、宝箱が爆発したのです。





 ……って、罠じゃないですかーっ!?





 HP残り4。良く生きていました私。頑張った、私。


 宝箱は跡形もなく粉々になっていました。中身?もちろんありません。


 そうそう、宝箱にはこうやって罠が仕掛けられてることもよくあるそうです。


 ……何しているんでしょうね、私。


 とりあえず休憩しないと【HP】が危ないです。ここは臭いですし、またいつロッテドコープスが出てくるかわからないのですけど外でモンスターに遭遇するのも危険なので我慢しましょう。




 大陸暦1052年 空の月 2日



 「アナザーアース・クロニクル」では睡眠が必要な種族はゲーム内で種族ごとに決められた時間の連続した睡眠を取らないと「睡眠不足」という状態異常が発生するようになっています。例で言うと普通の人間で3時間、エルフは1時間だそうです。


 で、キャラクターが睡眠を取る時にはさすがに長時間何もせずにゲーム中で寝るのも馬鹿らしいので、体を残してログアウトするのが基本になります。


 ちなみに私の種族である人竜の必要最低睡眠時間は「0」。


 ただし眠らないかというとそうではなく、寝ている間は【HP】【SP】【MP】【状態異常】が徐々に回復するという恩恵があります。


 この辺はドラゴンに準じているのでしょう。そう言えばグリムレットさんたちもいつ寝てるかわからないかと思ったら戦闘が終わった後はずーっと寝てたりしてましたね。


 まあ、何でこんな話を長々としたかというと、結構なプレイ時間になっていたのでいったん体を残してログアウトして、ダンジョンの小部屋に体を残して眠ってもらうことにしたのでした。




 というわけで、おはようございます。


 本当は復活地点のある場所で眠れたらよかったんですけどね。あそこは安全地帯になっていますから。

 ただ、ダンジョン内のモンスターは行動範囲が決まっているのか、わざわざ部屋に入ってくる敵はいないようです。臭いはあれでしたけど、寝ている所を腐った死体に襲われるということはなかったようです。


 それでも、冷たい石の床に転がって、うすぺっらい布をかぶって寝ているわけで。

 それできっちり睡眠がとれて体力回復しているのは〈睡眠負荷軽減〉スキルのおかげと言えます。同じことを現実でやったらきっと体が痛くなっていることでしょう。取得したのは偶然でしたが、取っててよかった。


 では、探索を再開しましょう。


 当面の目標は上へ戻る階段でしょうか。地図ができている場所まで戻って、自分の位置を把握しないといけませんね。



 =B3階?=


 ここの階層は十字路が多く、似たような道が多いので迷いそうです。キャラクターブックを片手に開いて、完成した地図を確認しながら、進んでいくことにします。


 と、急に首筋から背中にかけて痛みが走りました。


 〈気配察知〉には何も感じていないのですが、敵に攻撃された?


 着ていたロングスカートのワンピースが脱げ落ちます。



 え、えええ?


 足元にボロボロになった服が脱げ落ちています。〈鑑定〉してみると。



 粗末な服♀

 分類:防具(上半身/下半身)

 制作者:サマリー

 レア度:1

 重量:5

 装備効果:防御力2

 耐久度:0/30

 粗末な布で作られた手製の服。縫製技術はそれほど高くない。



 ああ、耐久度が0になっていますね。


 装備品やアイテムは耐久度が0になると使用できなくなります。本来ならそうなる前に修繕をするか、新しいものに変えるかするものなのですが、色々あったし私自身には直す技術もなかったので、すっかり忘れていました。サマリーさんの所から服を何着か持ちだしておけばよかったですね。今さらですが。


 初期装備だったらよかったんですけどね。最初から装備している服はゲームの都合で耐久度が設定されなく壊されないようにできています。しかし、初期装備は置いてきてしまいましたが。まあ、ドレスを着てダンジョン探索しろ、と言われても困りますけど。


 と、頭上から、何か降ってくる気配がします。慌てて飛びのきます。


 降ってきたのは液体でした。


 試しに踏んでみます。音を立ててサンダルの底が溶けます。


 なるほど「酸」ですね。

 首筋から背中にかけての痛みはこれが体に触れたことでダメージを受けたからですか。酸の攻撃は命中した装備品の耐久度を減らす効果がありますので、服がダメになったのもこれのせいでしょう。


 そう言えば酸で思い出しましたが、その酸のブレスを使うヴィリジットさんはロスフェラード攻防戦でPCの装備品をかなり壊したらしく掲示板で嫌われてましたね。ゲロ吐き呼ばわりで。女の子なのに。ヴィリジットさんかわいそう。


 天井を見上げます。いきなり天井から酸が降ってくるというのは罠でしょうか。


 特に何も見当たりません。濡れている?のか染みのようなものは見えますが。酸が染みだしてきているというのはやっぱり罠でしょうか。


 んー、いや、〈鑑定〉してみましょう。



 ダンジョンスライム

 種族:魔法生物

 レベル:17

 属性:-

 スキル:〈擬態〉〈酸〉〈物理攻撃半減〉



 何か微妙に染みが動いた?と思ったので〈鑑定〉してみたらモンスターでした。


 あれが有名なスライムと言う奴ですか。完全に天井の汚れにしか見えませんでした。ある意味すごい隠密能力です。


 また酸を降らせて来ました。これは逃げるが勝ちですね。天井に攻撃するのも面倒ですし。



 そして地味に装備していた粗末なサンダルの耐久度がお亡くなりになっていました。

 さっき、天井から降ってきた酸を確かめるために踏んだせいでしょう。


 ここから裸足でダンジョン探索ですか……。


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