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前半は説明回的な何かですので、面倒と思ったら読み飛ばしてください。

 余談ですが。流石に消費MP0からの多重発動ってバグじゃないかなあ、と思って問い合わせてみました。


 戦闘関連担当というGMのユナリアさん(ゲーム内世界では戦女神として広く知られていますね)という方が答えてくれました。結果は、問題ないとのことでした。


 理由としては、



 1.発動がプレイヤースキルに依存する。



 消費MP0での発動というのはプレイヤーの制御でのみ〈魔力操作〉スキルとの複合効果として行うことができるそうです。余談になりますが、〈ドラゴンスケイル〉はちょっと例外で、自動で発動して防御できる機能のために消費MP0での発動がデフォルトで備わっているとか。


 そのため、「アーツの多重発動ができるレベルで消費MP0でアーツを連続で発動させ続ける」というのはプレイヤーの技術による恩恵と判断されるそうです。


 私的にはそんなに難しいことではありませんけれど、そういうものなんでしょうね。



 2.効果が限定的である。



 〈ドラゴンスケイル〉でなら多重発動効果で防御力が高まったとしても所詮大きさは手のひらサイズです。相手の攻撃に対して自動で発動する分には適用されませんから、これを操って相手の攻撃を上手く防御しなければなりません。もちろん広範囲の攻撃などは防ぎきれないでしょう。上手く時間差で広範囲に置けたら行けそうな気もしますが、難易度は高そうです。


 〈ドラゴンクロー〉も効果が目に見えて出るほどに多重発動させるには準備時間が結構必要になります(事前に大量に発動させておいて一斉にぶつけないと多重発動が途中で途切れてしまうため)。私も相手の攻撃を防ぎながら準備していました。時間をかければかけるほど威力が増せるというのは魅力的ですが、結局力を溜めて攻撃するのとあまり変わらないということなのでしょう。 


 あとそもそも命中しなければ意味がないとも言いますね。


 なお、多重発動の判定基準とMP消費は作成した段階で判定されます。例えば、5つ〈ドラゴンクロー〉を作れば、多重発動しているとみなされ、2個目以降はMP消費が倍々になっていきます。しかし、攻撃に使用した場合、この5つは同時に使用されないといけません。2個だけ攻撃に使って3個は取って置く……みたいな使い方はできない仕様になっています。


 「だいたいアーツを連続で発動させながら敵の攻撃を見て防御したり、別のアーツをさらに連続で発動したりするような頭のおかしい行動から発生する状況はシステムの穴とは言わない」


 と、言われました。何か私が頭がおかしいみたいに言われてる気がしますが、気のせいでしょう。


 あ、ただ、1つだけバグはあったようです。


 それは私がボーンゴーレムと戦闘中〈ドラゴンスケイル〉を誤って全体で発動させてしまい、MPが0になってしまったことです。


 本来なら消費MPを払いきれないならMPが0になった上でアーツは発動しないはずなのですが、なぜか発動してしまっていたようです。補正で消費MPが増えた分の計算方法がおかしかったあれこれ言ってました。何となくはわかりますが専門的なことでしょうから深く考えないことにします。


 これは修正するとのことでした。


 消費MP0〈ドラゴンクロー〉を思いっきり重ねた上で最後に普通に使った〈ドラゴンクロー〉を重ねたらMP0になるのと引き換えに大打撃を与える切り札になるかも……と、密かに考えていたんですけどダメみたいですね。残念。




 大陸暦1052年 土の月 27日



 食事と戦闘の心配がおおむね無くなったのでいよいよ本格的にダンジョンの探索を始めました。まあ、始めてから既にゲーム内で12日(現実で言うと4日)が過ぎましたが。


 その探索は、というと全然進んでいません。12日かけて最初に回った通路と小部屋から少し進んだ程度です。


 理由は今、私がやっている作業のためです。


 針に糸を通し、布に糸を縫い付けて行く。簡潔に言うと、お裁縫です。


 とは言っても、何か服とか布製品を作っているわけではなく、布を紙に、針と糸を筆記用具代わりにしてダンジョンの地図を描いているのです。


 そもそもグリムレットさんの所には紙と筆記用具に類するものは存在しませんでした。そりゃそうですよね。ドラゴンは普段そんな物使いませんから。


 とはいえ、探索を進めるにはただダンジョンの中を歩き回っているだけだと絶対迷子になります。だから自分の歩いた通路を記録するために地図を描くのは必須だったわけです。


 そのための手段をどうするか、という問題に対して、私が思いついたのがとりあえず布に糸を縫い付けて線を引いて地図を描いていくことでした。


 サマリーさんに大量の布と糸、それに針を用意してもらっていたのはこのためでした。できればみんながまだいた時にゆっくりとダンジョン探索をして実際に上手く地図を作れるか検証したかったんですけれどね。


 ぶっつけ本番で始めた結果、ものすごい時間かかっています。ちょっと線を引くのにいちいち針と糸で縫物をするわけですから当たり前ですけれど。


 おかげで作業の途中で〈裁縫〉スキルを覚えてレベル4まで上がりました。そもそも手縫いなんて知識はありますけどやったことがなかったのでえらく苦労しました。スキルを覚えてからはだいぶ楽になりましたけれどね。


 さて、このダンジョンですが、よく見ると床が正方形に区分けされています。境目がわかりにくくはあるのですが、タイルが敷いてあるような感じですね。なので、この正方形の大きさを基準にして、正確な地図作製を心がけています。


 まあ、さすがにずっとこの裁縫による地図縫い合わせをいつまでもやるつもりはありませんよ?


 目標は〈地図〉スキルの取得です。


 このスキルを覚えているとキャラクターブックに自動的に自分の行ったことのある場所の地図が作成されて、いつでも見ることができるようになるのです。いわゆるオートマッピングという奴です。


 で、このスキルの取得方法はと言うと。「アナザーアース・クロニクル」の基本通りに、スキルの内容を1回自分で実行することです。つまり、「自分で一定の範囲かつある程度の精度の地図を作製すること」です。


 まあ、普通にやってそんなことできる人は、伊能忠敬くらいですので、だいたいは知識を持っている専門のNPCに指導してもらって覚えるか、スキルスクロールで覚えるもののようです。


 その両方ともない私は仕方ないので自力で覚えることを目指したわけです。


 さすがに普通の森やら草原やらそんな場所の地図を作りなさいと言われたら途方にくれますが、幸いここはダンジョンです。通路も正方形のマスで区切られています。これなら素人の私でもなんとかなるだろうと挑戦しました。


 昔はゲームをする人はこういうダンジョンでみんな方眼紙に地図を描いたと言いますし。私もゲームをしているわけですからやらないといけないでしょう。



 【〈地図〉スキルを取得しました】




 復活地点に戻って調べた通路の情報をちくちく縫い付けていると、システムメッセージが流れました。


 苦節12日、やっとこの地道で時間のかかる作業から開放されそうです。




 というわけでこの12日間の成果として。


 [体力]7 → 8

 [生命]21 → 24

 [器用]16 → 24

 [敏捷]6 → 7

 [知性]12 → 13

 [精神]15 → 18

 [魔力]24 → 35


 ステータスは魔力と器用がよく成長しました。〈竜闘術〉で魔力を使って戦闘を繰り返したことと、裁縫作業ばっかりやってたからでしょう。

 体力と敏捷は、まあお察しです。上がったので、よしとしましょう。



 〈竜闘術・王魔★〉LV1 → LV5

 〈ドラゴンクロー★〉LV1 → LV7

 〈ドラゴンスケイル★〉LV1 → LV11

 〈ドラゴンバイト★〉取得 LV1 → LV2

 〈ドラゴンブラッド★〉取得

 〈気配察知〉LV1 → LV3

 〈鑑定〉LV1 → LV5

 〈魔力操作〉LV1 → LV14

 〈魔力奪取〉LV1 → LV5

 〈竜の胃袋〉LV1 → LV7

 〈裁縫〉取得 LV1 → LV4

 〈地図〉取得 LV1


 スキルは〈魔力操作〉が滅茶苦茶上がっているのは多重発動でアーツを使いまくっているからです。あまり意識はないですが、〈ドラゴンクロー〉を消費MP0で発動させているのは〈魔力操作〉を使っている扱いになるようですね。


 あと〈竜の胃袋〉が結構上がっているのは……お察しください。美味しい食事は、明日への活力なのです。



 そろそろ多重発動に頼らず普通に戦っても何とかなるくらいにはなりました。


 そういえば〈ドラゴンバイト〉ですが、以前は特に味は感じなかったのですが、今は味を感じるようになりました。〈竜の胃袋〉のスキルの効果でしょうね。


 というわけで、戦闘力、食事、マッピング。事前の準備が十分に整ったところであらためて。




 いざ、ダンジョン探索開始です!


かっこよければいいんだよ!と割り切れないのが作者の悪い癖で……。

アーツの発動とか判定の仕組みがちゃんとしてないと気持ち悪くなる今日この頃。

なお、ちゃんとしているかどうかは定かではない。

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