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短いですが、きりのいいところまでで。

 大陸暦1052年 雷の月 9日



 私が「アナザーアース・クロニクル」を始めて現実で1週間が経過しました。


 ……いえ、やっていることがウサギを丸かじりして空腹度と渇水度を回復させながらノクターナルさんと訓練という名の模擬戦を繰り返しているだけなので、一応の記録は取っていましたがあまりに日記と呼べるようなものではなかったのですよね。


 世界を見て回ることを目的にゲームを始めたはずなのですが。日常のルーチンに流れるのは私の悪い癖です。


 とは言っても、ここから出られないんですよね……外に出ようとしても、危険だ、と言われて出してもらえないですし……外が高レベル用のマップで強い敵がうろうろしているのは掲示板で見て知っているんですが。まあ、ドラゴンの中でも一人前にならないと外で狩りはさせてもらえないようなので、やむを得ません。

 

と言う感じですが、現在のステータスです。名前とかは変わっていないので省略です。



【ステータス】

 [体力]10

 [生命]34

 [器用]30

 [敏捷]7

 [知性]19

 [精神]27

 [魔力]47

 [幸運]15

【スキルとアーツ】

 〈竜闘術〉LV13 〈状態異常耐性〉LV1 〈礼儀作法〉LV4 

 〈園芸〉LV1 〈調教〉LV1 〈動植物知識〉LV2 

 〈魔力知覚〉LV6 〈気配察知〉LV3 〈鑑定〉LV5

【装備品】

 [頭]

 [顔]

 [上半身]粗末な服♀

 [下半身]粗末な服♀

 [手]

 [足]粗末なサンダル♀

 [アクセサリー1]ロスフェラードの指輪

 [アクセサリー2]

 [アクセサリー3]

 [アクセサリー4]

【所持品】

 なし



 スキルとアーツですが、まずは〈竜闘術〉。ノクターナルさんとの訓練で順調にレベルもあがり10レベルで新しいアーツも覚えました。現在はこうなっています。


【アーツ】〈ドラゴンクロー〉LV9 〈ドラゴンスケイル〉LV21 

〈ドラゴンバイト〉LV10 〈ドラゴンブラッド〉LV1 

〈ドラゴンテイル〉LV4


 〈ドラゴンテイル〉が新しく覚えたアーツです。尻尾による攻撃、ですね。薙ぎ払っての殴属性での範囲攻撃アーツ、という扱いのようです。ただ上手く使えば相手に絡みつけて拘束や締め付け、にも使えそうです。というか実際にノクターナルさんにやられました。後は〈ドラゴンスケイル〉が順調にレベルが上がっています。高レベルの相手の攻撃を防いでいるせいでレベルの上りが速いのでしょう。15レベルで次のアーツを覚えるそうなので当面はそれが目標ですね。とても重要なアーツだそうなので、頑張りましょう。

 

 後はそれ以外のスキルですが、ほとんどレベル上がっていません。あまり使う機会がないのですよね……地道にそこら辺の草とかに〈鑑定〉使ってみたりしているんですけれど。〈動植物知識〉が上がったのはそのおかげでしょう。


      ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇



 さて、ログインしてお腹を満たしたらいつものようにノクターナルさんに訓練をしてもらいましょう……と思うと、今日は珍しく、ノクターナルさんの他に人がいます。しかも初めて見る人ですね?


 緑の髪をツインテールにして、緑の目は他の人と同じ竜の目。緑のゴシックドレス?という感じのフリルの派手なドレスを着ています。そして、日傘らしきものを差しています。ここ、洞窟の中なんですけど。確かに日の光は差し込んできますけど、そんなにまぶしいわけでも強いわけでもないんですが。


 「このちっこいのはヴィリジット。ついこの前、戻ってきたばっかりだよ」


 ノクターナルさんがちっこいの、と言うようにかなり背は低いです。150あるかないか、くらいでしょうか。わしわしと頭をなでるのをうるさそうに払いのけています。


 「ちっこいのは余計ですわ。貴女がノエルね?あらためて、私の名はヴィリジット。グリムレット様配下の緑竜ですわ。こう見えてもずっと〈人化〉で人間の街で暮らしていたから、人間の常識にも詳しいのですよ」


 「はい、よろしくお願いします」


 こう胸を張って口元に手をあてて、おーほっほっほ、と笑いそうな人ですね。というか、そのドレスで人間の街で暮らしてたらすごく変人だったんでは……と思いますが。


 「ま、自己紹介はそれくらいにして。今日はヴィリジットからノエルに〈魔力操作〉を教えてもらおうと思ってさ。魔力の扱いなら私よりヴィルの方が上手いからね」


 〈魔力操作〉


 確か魔法使い系統のキャラなら覚えておいた方がいい魔力系スキル、の中にあったような気がします。

 どういうスキルかと言えば、魔力を自由に動かすスキルですね。これがあると魔法系アーツの自由度がかなり上がるとか。範囲魔法で味方だけ攻撃を避けて敵に攻撃をぶつけたりできるようになるそうです。


 「そんなこと言って、〈竜闘術〉における魔力の応用度は貴女が上でしょうに」


 「やー、私は黒竜だからさ、魔力を扱うこと自体は苦手なんだよね。その辺はヴィルの方が上手いよね」


 ドラゴンは体の色によって能力が違います。


 「赤」は火属性で炎のブレスを吐きバランスのよいオールラウンダー型。

 「白」は風属性で音波ブレスを吐きスピード重視型。

 「青」は水属性で水流ブレスを吐き水中行動に適性がある特殊型。

 「緑」は土属性で酸のブレスを吐きパワーとタフネス重視型。

 「黒」は無属性でブレスは吐くことができないけれど、どの竜よりも強固な鱗とパワーとスピード、タフネスを持つファイター型です。


 属性がなくブレスが吐けないというのは竜の中では魔力が低い・扱いが苦手、という意味らしいですね。


 「ただ、〈竜闘術〉じゃ魔力を扱うこと自体は大切なんだよね。基本、自分を覆う魔力の範囲に、魔力を使って部位を形造るわけだから、それを自由に動かす、てことは〈竜闘術〉での戦闘の幅を広げることができるようになるからね」


 なるほど。普段、ノクターナルさんにいいようにやられているのはその辺りのスキルの差なんですね。予想もしないところから爪が飛んで来たりとか、こっちの死角から尻尾が巻き付いてきたりとかしていたのは魔力を動かして、アーツが発生する起点を変えていたのでしょう。


 「……まあ、いいですわ。私がしっかり教えて、ノエルが〈魔力操作〉が使えるようにしましょう。大船に乗った気でいなさい」


 胸を張るヴィリジットさんを見て、ああ、これがドヤ顔というやつなんですね。得意げな顔。


 ……ちょっと不安になってきました……。

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