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天照らす守護者(ガーディアン)  作者: 緋吹 楓
3話 現実の戦い
12/21

恐怖

あらすじ

G.H.の輸送艦を追い詰めたルーク達。

しかし、その前に仇敵カインハートが立ちふさがる。

エレボスの猛攻を何とか凌いだルークだったが・・・

スラスターが壊れて飛べなくなったことで意識が現実に引き戻され、エレボスとの戦闘で抑えていた色んな感情が一気に襲い掛かってくる。

僕は間違いなく死んでいた。

アマテラスでなければ確実に死んでいた。


膝に顔をうずめる。

まだ戦闘は続いている。

それなのに、僕は動くことすら出来なかった。




上空での戦闘音が消える。

恐らくスミス隊長が敵の無人機を片付けたのだろう。


【隊長機カラノ通信デス】


「ルーク、大丈夫か!?」


「スミス隊長・・・僕、何も出来ませんでした・・・」


そう言うと、スミス隊長がため息をつく。


「何言ってる、生きてるだけで上出来だ。」


地上に降り立った隊長の機体をカメラで映す。

隊長も、6機の無人機に囲まれていた所為で右腕が破壊されていた。


「俺の機体も相当やられてしまってな、レーダーと機体バランサーがいかれてる。」


隊長に任せっきりで何もしていなかった自分が憎い。

今は怯えている場合じゃなかったのに。


「僕達、帰艦出来ますかね?」


「暫くしたら救援を寄越してくれるさ。それまで警戒しておくぞ。」


「了解。」


スラスターの壊れたアマテラスを立ち上がらせる。

空は飛べなくとも、迎撃ぐらいは出来るだろう。



先ほど落とした連装ビームマシンガンを歩いて拾いにいく。

それはそれほど遠くには落ちていなかったから無事に回収することが出来た。


「フェルツでもビーム兵器が使えればいいんだがな。」


G.H.の量産機であるクラックスにはビーム兵器が標準搭載されている。

実弾兵器しかないフェルツでは戦いづらいだろう。


「英国騎士団のグレイハウンドでさえ搭載できるというのにな。」


「フェルツを改修して搭載できるようには出来ないんですか?」


ここで隊長のうなり声。


「丁度右腕が吹っ飛ばされたことだし、ビームデバイスを載っけられたらいいんだがな。」


軍事学校で習った言葉が出てくる。

ビームデバイスとは、ビーム兵器を運用する上で必須になる装置だ。

例えマガジンにエネルギーがあっても、これが無ければ発射することが出来ない。

引金を引こうものなら、自分の腕が吹っ飛ぶだろう。

勿論アマテラスを始めとしたテスト機には標準搭載されている。


「まあこんな所で文句を言っても仕方が無いな。」


隊長機の胸部から救難ビーコンが発射される。

これでしばらくしたら救助が来るだろう。



その求めていたものは思ったより早く訪れた。

レーダーに友軍機のマークが2つ映る。


「隊長、救援が来ましたよ。」


「そうか。」


ビーコンに引き寄せられるようにこちらへまっすぐ飛んできている。

その2機の形は今までに見たことのないものだった。


「あの2機、何ですかね?」


「分からん。だが恐らくアマテラスのようなテスト機だろうな。」


2機が空中で同時に変形する。

人型になって確認できた顔は、アマテラスにそっくりであった。

そのうちの1機から通信がくる。


「あんたら、大丈夫か?」


渋い声が聞こえてくる。


「ああ、救援感謝する。」


降りてきた渋い声の機体がスミス隊長の機体の肩を持つ。

空中にいる方の機体からも通信がくる。


「ボコボコにされちゃったね~」


女性・・・いや、女の子の声が聞こえてくる。


「エレナ!失礼なことは言うな!」


渋い声の怒った声がする。


「いや、構わん。それより君達はどこから来たんだ?」


「まだ名乗ってなかったな。俺はEA共同戦線第3試験部隊のマルクス・サフィーナだ。」


「EA共同戦線の方達だったのか。」


ユーラシア・アフリカ共同戦線のことだ。


「で、私がエレーナ・サフィーナです!エレナって呼んでね!」


苗字が同じって事は家族なんだろうか。


「こちらは第3艦隊旗艦空母ロバート・フォード所属ノーティカル隊隊長オリバー・スミスだ。」


スミス隊長がこちらへ合図を送ってくる。

挨拶をしろということだろうか。


「ノーティカル隊ルーク・アマギです。」


「ルーク!いい名前ね!」


「え、え・・・?」


少し戸惑いながらも照れる。

誰かの小さなため息が漏れて聞こえた。



隊長機の移動の準備が整う。


「じゃあロバート・フォードまで送ればいいか?」


「ああ頼む。」


「エレナ!そっちは頼んだぞ!」


マルクスさんとスミス隊長が飛んでいく。


「りょうか~い!」


僕とエレナさん2機が取り残される。


「じゃあ私達も行こうか。スラスターが破損してるんだって?」


「飛行が出来ないですね。」


今は航空機としては致命的だ。


「じゃあ海まで歩こうか。」


「海まで?」


確かに、帰艦するには海に行かなきゃいけないけど・・・

アマテラスでは海は泳げない。


「私に任せておきなさいな!」


何だか嫌な予感がする・・・

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

新キャラが出て参りました。

マルクスとエレナには頑張って欲しいですね。

彼らの乗っている機体はもうそろそろしたら分かるかも?

次回もよろしくおねがいします。

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