27 神々
イチローは、夕食を皆で食べているときに、以前からの疑問をシルヴァに質問した。
「なあ、話を聞いていると竜神八部とか以前の世界の神様がこの世界でも信仰されているみたいなんだけど、何か関係があるの?」
「ふむ、これは異世界の関係から話をせねばならん。迦楼羅王が話した方がよいと思うが、長くなるぞ。」
「ええやん、食事の会話やん。皆、興味あるで」
「では、私から説明いたしましょう。
我々の世界以外にも世界があり、これを異世界と呼んでいます。異世界の数はそれこそ無限に在りますが、この中にも遠いもの、近いものが在り、当然、近い世界からの方が召還を行いやすいのです。
もちろん、遠い世界でも以前、召還が行われたことがあり道が出来ていると召還しやすくなりますが、一般的に条件を付与しての召還は近い世界から行います。
そして、近い世界は似ていることが多いのです。
例えば、イチローの元の世界は、地形が非常によく似ています。と言いますか、近い地形で魔法が無く、育てやすい食物がある世界を探したら、私たちの世界に無い南北アメリカ大陸があり、そこから世界中にイモが広がったイチローの元の世界を見つけたと言うのが正しいでしょう。
また、私たちと同じ位置にある国が豊かで、イモを盗んでも飢える人がいない畑が有ったと言うのも幸運でした。
やはり、同じ位置ですと召還し易くなりますし・・・
さて、ここからが神々の話になるのですが、近くにある世界の力のある存在は、やはり感じ取り易いのです。このため、こういう存在が神として認識される場合があります。
もちろん、近くの二つの世界が影響を及ぼし会い、一方の世界が「神界」とか「天国」「地獄」と成る場合もあります。その場合の力のある存在はまさに「神」や「悪魔」となります。
此処で重要なのは、イチローの元の世界の近くにある世界は、私達の世界の近くでもある事です。
このため、元の世界で神と認識されていた存在が、この世界でも神と認識されているのです。」
「修羅界というのも本当に存在するのか?」
「勿論です。常に闘っている者達が住む修羅界も有りますし、帝釈天に追放された阿修羅王が創った修羅界も有るでしょう。」
「じゃあ、阿修羅王が絶対神として治める修羅界も有る?」
「私は知りませんが、無数の世界の中には有るでしょうし、もしかすると帝釈天に阿修羅王が勝利した世界もあるでしょう。」
「なんや、イチローはんは、阿修羅王ばかり気にしてるけど、ここには夜叉王もおるんやで~」
「あっ、ゴメン。ただ、娘を奪われた上に天界から追放された阿修羅王の話は以前から気になっていたから。」
「いや、イチロー殿、阿修羅王としてありがたい話を聞けた。少し考えてみたい。」
「白銀は、え~な。次は夜叉王のええ話を聞かせてや。」
「え~と、・・・ゴメン、夜叉って人を食う鬼という話しか知らない」
「・・・・・」
「くくっハッハッハッ、確かに、黒姫はいつも人を食った話をして煙に巻くからな。ピッタリじゃないのか?」
「アホか~!そんなんイヤや!」
・・・それから数日、拗ねた黒姫に無視されました・・・




