18 冒勇隊緊急勧誘会議
この話だけ3回書き直しました。
新登場キャラ多すぎて難しいです。
一方その頃連我達と別れた瞬飛は、とある街の外れの森の前に縛ったピエロの縄を持ちながら立っていた。
ピエロは依然気絶しているようだ。
その森に向かって歩き出す―と、突如木が茂り先の見えなかった森に木が避けるようにズレて道ができた。
しかし、近くの人は見向きもしない。
ここは結界のようになっており、一般の人からは人気ない森にしか見えず、入っても道ができることはないからだ。
政府非公認である冒勇隊にとって、自分達の身の安全を確保する設備だ。
そこをピエロをズルズルと縄で引きずりながら奥へ進む。
ほどなく、豪邸が見えてきた。
中に入ると大きなホールがあり、突き当たりに受付のような場所がある。
その近くの柱にピエロの縄を縛り付けると、奥へと歩いた。
階段を登り3階の奥。
その扉をノックし待つ。
程なくしてガチャリと大きな扉が開く。
「…瞬飛さん、珍しいね…どうかした?」
そこには黒髪に片眼鏡、上着を羽織り手には本を持った男の子がいた。
瞬飛はその部屋―書庫に入りながら話す。
「読歩、邪魔してすまない。
お前が言っていた少年、連我とその仲間だが―…俺は冒勇隊に入ってもいい素質だと考える。
むしろ野放しにするほうが例の組織の目について厄介だと見た。
彼らの記憶を調べたくてな」
そう言うと、何十万と本が並ぶ本棚の間に入っていく。
「僕も手伝いますよ、そういうことなら」
そう言うとパタリと本を閉じ、読歩も瞬飛の後に続いた。
そこから3階上、上層会議室にて。
薄暗い部屋で輪になり会議が行われていた。
「やはり援護を送るべきだと考えます。
連我…あの少年が街にいること、更には街全体を巻き込んだ腐敗。
やはりあの2人に任せるのは少々リスクかと」
そう発言するのは中性的な見た目に黒をベースにしたオレンジの模様のはいった服を纏い、
背中からは鷹の羽に似た羽を生やした人物だった。
「拙者もそう考える…あの地域には7つのオーパーツも眠っている…この攻撃は始まりに過ぎず後続が来る可能性が高いと見た」
と、鎧に身を包み逆三角形の2つの目を青白く光らせている―さながら侍といった人物が同意する。
「俺はそうは思わないっす。
第一そもそも2人で良いといったのは彼らっす。
何か策があるはずなのに邪魔するのはだめだと思うんすよ」
狼の耳にギザ歯、灰色の毛でできた羽織のような服に身を包み、その両手には鋭い爪のある人物が反論する。
「俺が意見言うのもおこがましいんだけど…
多分2人に作戦なんてないと思う…ただ下っ端と聞いて舐めてかかってるような予感がして…
だ、だから助けに行ったほうが良いと思う」
申し訳なさそうに発言するのは白髪に白のTシャツ、黒いズボンの青年だ。
この中では1人だけ軽装、私服といった印象を受ける。
「黙れや無能力、お前に何か言う権限はねぇよ。
指令で指名されたのはあの2人だけだろうが。
俺らは指令書通りに動きゃいいんだよ。
あいつらが失敗して死にゃあまた新しい指令書が来る。
そん時に完遂すりゃ問題はない、以上だ」
黒髪に眼帯、黒いコートを羽織り机に足を乗せてダルそうにしている、さながら不良といった言葉の似合う人物が冷酷に淡々と言う。
「無能力は関係ないんじゃないですか?
今はあの2人、矛盾コンビの安否会議なんですから」
無能力と罵られた人物が怒る。
「落ち着けノットネーム、打銃さん、意見と罵りは違いますよ。結果、行きたいと思う人だけ行けばよいのでは?
何事もなければ別にそのまま帰ればいいですし」
黒と白のボーダーの服、黄色の髪に椅子には停止の交通標識を杖のように立てかけている人物がまとめる。
「示…でも勝手に出発して大丈夫なの…?
陰陽さんに確認を…」
片手をそっと上げながらこっちは金髪に近い黄色の髪をした少女が聞く。
「あの人は今忙しいからな…」
と、示が悩んでいると、ドアがバタリと開く。
そこには瞬飛と読歩、そして絵に描いたような陰陽師の見た目の男性―…陰陽が居た。
「全員に告ぐ!!たった今分かった情報によると組織の人間、それも実力者が数名街付近に近づいている。
このままではオーパーツの死守、街の人々の安全や
2人の生還が怪しい。
よって今すぐに街へ向かうこととする!」
そう陰陽が述べると、先ほどまで反対していた人も皆立ち上がり、「了解!」と返事し準備を始めた。
◇◆◇
「うわぁぁぁっ!!」
その頃なんとか着地できた連我、柔音、そして1階受付で合流した木三、弾、強乃は、腐敗しきったカビだらけの街を走っていた。
後ろからはシダかツタかよくわからない巨大な奇形植物が建物を破壊しながら何本も迫る。
遡ること数分前、ホテルから出た連我達は突如伸びてきたこの植物から逃げ、街の中心地にヒントがあるかもと向かうことにしたのだ。
「こんな走ることないし!!もう体力ないんだけど!?」
柔音が走りながら言う。
町中には至る所に腐敗した瓦礫がありジャンプしながら走り続けているのだ。
連我だって体力が尽きかけている。
「コンクリの時の治癒でコンクリ巻き戻して液体にして滑るやつできないの?」
柔音が聞く。
「やろうとしたけど速攻腐敗するから液体どころか即風化するから意味をなさないんだよな…」
「私の強化で一応体力は増加させてるから自分が思うより長くは走れるはずです!」
「ま、待て連我、柔音、強乃、話す暇ないぞこれ前からも来てる!
脇道にそれろ!」
木三が伝え、脇道にそれる。
が、その時路地から出てきた植物に押され、そのまま目の前で反対の路地へと植物に押され姿を消す。
「木三!!」
目の前で仲間の1人が離脱し、思わず足を止める。
が、それがいけなかった。
背後から来ていたもう一つの植物に最後尾の弾が足をつかまれ、空高く投げられる。
「うわぁぁぁ!!皆ごめん!!絶対合流するからぁぁぁ」
そう言い残しどこかへ消えてしまった。
「柔音、俺たちで凌ぐしかないぞ」
「うん…強乃さん、サポートお願い!」
今でギリギリなのだ。
強乃が持っていかれたらバフが切れて逃げられなくなる。
そう考え強乃を守るように挟んで連我と柔音は背中を預け合って立つ。
弾を飛ばした植物をなんとか凌ぐが、長くは持たないだろう―そう感じた矢先。
地面から突如飛び出した植物が強乃に向かって突撃してくる。
「く…っそが!!」
コンクリートの壁を作り連我が受け止める。
が、腐敗死崩れどんどん押される。
「連我耐えてっ!」
連我を支えるように柔音がセメントで補強する。
が、先ほどまでいなしていた弾を飛ばした植物が勢いをつけてさらに加わる。
2本分の押す力になすすべなく、体がふわりと浮く感覚がした。
直後、連我と柔音は数十分前ホテルで落下したばかりだと言うのに今度は打ち上げられ空高く飛んでいった。
次回、それぞれで戦いが巻き起こります。
連我達の運命やいかに…




