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2話 鬼と剣姫の戦いは圧倒的

 現れたモンスターはオーガだった。

 つまりは鬼なのだが、手には棍棒を持っていた。


 木でできた武器だった。

 だけど木だからと言って甘く見ては駄目で、先端にはゴツゴツとした突起物が付いていた。


 絶対に当たったら駄目だ。

 直感と言うか、全身に悪寒が伝わってきたので、すぐに冷静な思考で考えられた。


「如何しようリタ。多分オーガの仕業だよね」

「うん」


 リアに尋ねると、同意見だった。

 あの狼のモンスターが負った傷とあの棍棒の形を比べてみると、とても酷似していた。

 ゴツゴツとしていなかったのは、多分抉られたせいだと解釈した。


「こんなところに若い人間の女がやって来るとはな。じゅるり、美味そうだ」


 私とリタは嫌悪感に浸った。

 このモンスターを野放しにしては駄目だと脳が叫んだ。


「如何しようリタ。オーガが私達を食べようとしてる」

「大丈夫。シルキーは、私が守るから」


 リタはそう言うと、率先して私の前に出た。

 まるで私のことを守る騎士のような立ち振る舞いで、鞘から剣を抜いた。


「お前が相手か? ふん、剣を構えたところで所詮は女だろ」

「甘く見ない」

「はぁ? この俺様がお前にやられると思うなよ」

「黙った方がいい」


 リタはオーガを煽った。

 普段は喋らないのに、今日は何故か起こっていた。


「しかも戦えない女を守るのか。雑魚がやることだな」

「黙って」


 リタが確実に切れた。

 表情も目の色も何もかも一切変えなかったが、明らかに全身から吹き出るオーラが変わった。


「ふん、威勢がいいな。かかってこい」


 オーガはリタを煽った。

 攻撃の機会を一度与えたが最後だと、私はゴクリと喉を鳴らした。


「後悔しない?」

 

 リタは尋ねた。だけどオーガがふんぞり帰っていたので、リタは素早く前に出た。

 利き足を前に出すと、私の目の前から消えた。


「き、消えただと!?」


 オーガは困惑した。

 しかしすぐさま背後に殺気を感じると、持っていた棍棒を構えた。

 しかし……。


「筋はいいけど、遅い」

「な、何!? うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 リタが剣でオーガを切り裂いた。

 棍棒が派手に砕け散り、攻撃性を失った。

 それどころの騒ぎには止まらず、オーガの右腕から心臓にかけて切り裂かれてしまった。


 オーガは絶叫をあげた。

 あまりの声の大きさに、私は耳を塞いでしまったけど、リタはオーガがのけ反ったタイミングで間合いを一気に詰め寄り、さらに連続切りをみせた。


 スパスパスパスパ!


「や、やめろ! やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「やめない」


 オーガはあまりの痛みに声を荒げた。

 しかしリタは容赦しなかった。


 次から次へと剣で切りつけていった。

 あまりに冷酷な所業から、「いつもよりもアグレッシブだなー」と私は口走ってしまった。

 もの凄く呑気に聞こえるかもしれないけど、リタは凄い剣士なので、私は何にも驚かなかった。


 だって、リタは【氷酷の剣姫】と呼ばれる凄腕剣士だから。

 それこそ勲章を贈られるような逸材だってことを、私はよく知っていた。


「でも、これじゃあ私の出番ないよね」


 とは言え流石だこのまま終わってもらうのは忍びなかった。

 だって私は何もしていないから、これで勝って報酬を山分けされても何だか歯切れが悪かった。


「おーい、リタ! そのまま倒しちゃうの?」


 私は叫んでみた。

 するとリタが戦いながら首をコクリと縦に振った。


「うーん、でもいつもみたいに魔法は使わないの?」


 リタは完全に怒っていた。だけど遊んでもいた。

 いつもならもっと魔法で相手を苦しめるはずなのに、今日は遊んでいるみたいだ。

 しかしオーガの方は怒ってしまった。


「な、何!?」


 するとオーガが苛立った。

 手加減されていると教えられたせいで、牙を震わせて持っていた棍棒を叩きつけた。


「ふざけるなぁ!」


 棍棒は地面を直撃した。

 しかし、リタは簡単にかわしてしまい、棍棒は虚しくも宙を切った。


「手加減だと! 俺を愚弄する気か! この野郎!」

「怒ると冷静さを欠く」

「黙れ!」


 オーガは持っていた棍棒を放り投げた。

 リタは易々とかわしたのだが、まさか私の方にもの凄いスピードで空気を切りながら飛んできた。

 

「うわぁ!」


 私は叫んだ。

 突然飛んできた棍棒を避けるには、私の魔法は的確だけど、私の実力だと無理だった。


 これは終わった。

 そう思った瞬間、目の前に影ができた。

 そこにいたのはリタで、鋭い剣で棍棒を粉々にしてしまった。おまけに氷の礫が微かに散った。


「リタ?」

「大丈夫、シルキー?」


 そこにいたのリタはすっごくカッコよかった。

 だけどすっごく焦った様子で、すっごく綺麗だった。


「ごめん、シルキー」

「ううん。それより助けてくれてありがと、リタ。後ね……」


 ドン!


 リタの懐に拳を入れた。

 軽かったせいかリタの筋肉の前には全くもって無意味だった。


「私も戦いたいから」

「シルキー……うん」


 私の意思が通じた。

 首を一回縦に振ると、にこやかな表情を浮かべてくれた。

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