表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれ変わったのですが転生先がどえらいブラックです  作者: 早熟最中
どうやって仕事へのモチベーションって保つんでしょうか
97/218

焦っても事は進まない、落ち着いてやりましょう:3

「アイツ騎兵学校入る前と後で性格全然違うんだよなー」

 あろう事か私の背後でエドガーが私の過去を喋り始めた。


「学校行く前はもうシンプルにワガママ女、他人の痛みがわからない上好奇心のまま突っ走る悲しいモンスター……」

 奴にこれ以上話させてはならない。


「学校入って牙抜かれるまでは俺が毎日──」

「エドガァァ……」

 奴の頭に原石銃(アガサ)の糸を這わせる。

「古傷が!古傷が痛むであります姉さん!新しいのも開いちゃう!」

「誰が姉さんか!カチ割るわよ!」

 頭を下げさせヘッドロックをかけてやる。

「なるほどこんな感じなのね」

「いでででで」

 エドガーの頭の傷が開くのは怖いのでほどほどにして解いてやる。


「っ……ふー、今回はこの辺にしといたげるわよ」

 ついついやってしまった。

 年甲斐もなくはしゃぐ姿を隊長に見られたかもしれない。

 隊長の方を振り返る。

「…………ふっ」

 愉快そうにこちらを眺めていた。小さな笑い声が聞こえたような気もする。

 わにゃわにゃした妙な恥ずかしさを押し殺し、後は大人しく歩く事にした。


 イストサインの屋台通り、昼時のそこは街の人達憩いの場。

「なんかがらんとしてるな」

 だが、今日に限って空いている店が少ない。

「本当、どうしてかな?」

 屋台が、と言うよりも外を歩く人自体少ない感じだ。


「……朝刊のせいだな」

 隊長の言葉にはっとする。

「昨日怪物が出た件、新聞社が騒ぎ立てたろ」

「それで屋台が減ったの?」

 ファルナは少し残念そうな顔をしている。屋台での食事が楽しみだったのだろう。

「そうです……な、組織的にやってる所はともかく、個人営業の屋台は出店に来なくてもおかしくない」


 昨今のイストサインの状況を思い出す。

 街には連続殺人鬼が潜み、外国人労働者の流入による治安の悪化、まだ記憶に新しいグラドミスの暴動、と。

「結構ヤバい街になってますねぇイストサイン」

「だなぁ、早いところ元に戻ってほしいぜ」

「……そっか、事件が増えると屋台も減っちゃうんだ」

 ファルナの声は寂しそうだ。何か認識を間違えている気もするが。


「でも、解決すれば元に戻るんだよね」

 ファルナの眼に熱い決意のような物が灯った気がした。

「……だと良いね」

「よし!頑張りましょ!」

 ファルナが私の手を握り、決意を込めて大きく振り上げた。

(眩しいなー)

 どこまでも前向きな彼女の姿に私は憧れを覚えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ