腹を決めたら口に出して誰かに伝える!それが行動への第一歩!:1
再びレベリオの資料に目を通す。
そこから住所をさっとメモし、資料を閉じる。
「エドガー、私ちょっと行きたい場所できた」
「レベリオの住所か?」
「……そうよ」
隠すつもりだったが簡単に言い当てられた。
正直彼には来て欲しくない。あの男が住んでいる場所など十中八九危険な場所だ。戦闘になるかも知れない。
「良いねレガリア、私も一緒に行くわよ」
「お願いファルナ、エドガーはこっちでレベリオの情報纏めといてくれる?住処は私達だけで行くから」
「良いよ、その辺やっとく……気を付けてな」
「ありがと、帰り遅くなるかもって隊長とかに言っておいて」
ベンチから立ち上がり、いそいそと病院から出た。
レベリオの住む場所はサインエンド寄りの下宿だった。
三階建てで結構大きい
「ごめんください」
「…………なんだ」
一階の受付に居た男がこちらに顔を向ける。大家だろうか。
「騎兵です。こちらにレベリオという方が下宿していると思うのですが」
男は怪訝そうに私達を見てくる。
「彼の部屋に入れてもらえますか?捜査の一環です」
「捜査?君たちが?」
「ええ、そうよ」
ファルナがずいと前に出た。
「入らせて貰えるかしら?」
「おいおい、捜査の真似事するんならちゃんと書類とか持って──」
ファルナが自身の腕、イグドラ騎士の証である漆黒鉄の手甲を男の目の前に出した。
「騎士命令です。協力いただけますね?」
「人が縮む瞬間ってやつ、初めて見たわ」
一階に居た男は大家ではなく雇われ管理人だったが、ファルナが身分を明かすとすんなり通してくれた。
「騎士になったらこう言うの楽だよ、騎兵の方は書類とか手続きとかで動きが遅いもんね」
騎兵の提出する書類やら許可証やらに判を押すのは貴族の仕事だ。認可が無ければ騎兵は仕事を回せない。
「私も言ってみたいわ、命令です、とか、従いなさい、とか」
平民が力を持ちすぎないようにしているのだろう。
今は隣で協力してくれる貴族が居るので大分楽だが。
「三階の、一番奥、左側、ここね」
掃除が行き届いているとは言えない壁、狭い階段と廊下、軋む木の床の先にレベリオの部屋はあった。
部屋の前で鍵を入れながら少し身構える。
「うー、何か緊張するわ……グロい物とか出てこないよね」
私の気持ちを代弁するようにファルナが呟く。
レベリオ、イストサインで起こる連続殺人の犯人と目される人物。
殺人鬼の住む部屋の中など想像するだけでゾッとする。
「ファルナ、心の準備は?」
「いつでも」
ファルナの声は落ち着いている。心配し過ぎているのは私の方かも知れない。
扉の先から死臭はしてこない。
意を決してドアノブに手を触れると、氷を触るかのような冷たさが手袋越しに伝わってきた。
一週間英気を養ってました




