あっ仕事増えそう:4
背筋がゾワついた。
『聞こえてる、居るのか、初めてだ、この子が』
レベリオに向けて原石糸を飛ばした。
手足に糸を絡ませて距離を取る。入り口の方に陣取り、奴の様子を伺う。
「ほう、なんと、これが、よくある、聞こえているんだね」
レベリオの瞳は落ち着き払っている。
私の手から放たれた原石糸に驚いた様子すら無い。
「何なの貴方……?」
最早ただの医者とは思わない。
この男はイストサインに現れた新たな異物だ。
「何とは?何、私、私です、興味深い、存在意義かな?」
人を食ったような返答にマトモな答えが期待できない事がわかる。
「原石武器、この言葉に聞き覚えは?」
「何のことかな?知ってる、知ってる、わかってる、聞いたことはないが」
「嘘をつかないで」
レベリオを捕える糸に力が込もる。
「そうか、私たちの声が聞こえるんだね」
ざわめきが少し遠のいた。
「あの声は何?貴方の原石武器の力?」
「声か、全部私だ」
糸で手足を絞められている彼は痛がる素振りすら見せない。
「連行します、ついて来ていただけますね」
「ふむ、難しい誘いだね」
突然、原石糸の感覚が消えた。
「……え?」
レベリオの手足に糸は繋げている。
だが、糸の制御が私から離れたような奇妙な感触。
「とりあえず話合おうじゃないか」
私が絞める彼の腕、繋がった糸から黒い糸が伸びはじめた。
「なっ……?離れて!」
糸を断とうとするが原石銃の糸の制御が効かない。
不気味な黒い糸が登ってくる。糸が腕の神経に繋がり、視界が暗転する──




