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最弱にて最強の  作者: 凪
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三十五幕目 お買い物です。壱  熊手と鬼姫に釘バット

 やっと熊手だせる。やっとだ、長かった。

 やっと金砕棒だせる。やっとだ、長かった。

 やっと中巻・長巻が解説できる。やっとだ、長かった。

 武具オタク全開でやっぱり長くなりすぎました。まだ、長刀と弩に振り飄石が解説が出来なかった。

 

  =槍・薙刀・熊手の柄

 つか=双剣・打ち刀・太刀の杷 中巻・長巻も含む。

 区別しやすいように、文字を別けました。

 詳しくは作中で。

 翌朝、思い出の丹波屋を引き払う。

 金子が百六両も余ったので、町田様との合議で皆の装備を整える話しに為った。中松さんによれば、三崎藩の店より、品揃えが良い店がありそこで、三崎藩の武具倉には、無い品を揃える事になった。


「魔獣や盗賊のたぐいはいますが、戦がなくなったので、良き品が有りますよ。おなごの鎧兜に鎖帷子くさりかたびらが有りますよ。多少合わなくても、魔道がかけてある品なので、体に合うかと。武具も槍に薙刀。そして、長巻ながまき中巻なかまきつかに、太刀たち大太刀おおたちも良き品が有ります。打ち刀、脇差しや弓も良き品が有りますよ。

龍人の品は、御館様の許しが必要ですが、龍人の武具は取り上げた品が有ります。おなごの小袖は、古着なら無代むだい(無料)で手に入るかと。野袴のばかまは三崎で作れますが、翼人の野袴は此方でしか手に入らないかと。

後、虎族と妖鷹族の獣変化へんげ後の鎧兜も無いですね。他の種族の鎧兜なら有ります、職人が居ますので、手直しすれば宜しいかと。鎧兜や槍が直ぐに取り換えれる魔道具も有ります。

荷が多くなっても、畳二畳程入る魔道巾着袋が用意してあり、貸します。

えっ、ですか。弩は無いかと、此方で捜した方が宜しいかと。龍人の飄石ずんぱいですか、有りますね。御館様の許しがあれば、渡せるかと」

 早彩ちゃんが手拭いを返し、折角の甘いムードをぶち壊した、中松さん講座終了。


 奴隷商からの野袴は、翼を自由に出し入れできる、翼人の翼に対応してないからだ、真風の野袴は体型が似ている、ひめのか使用する。早彩の野袴は迷霧が使用する。

 翼が出る所は、魔道が掛けて有る布が使われ出し入れが自由らしい。


 今日は、八人娘は野袴姿だ。全員黒く、着物の様な長い袖が無い、洋服に近いタイプだ。

 身体を計ったりする為に、野袴の方が良いとの事。

 琥珀と迷霧ちゃんのは、野袴に穴が開けてあり、そこから尻尾を出している。

 金髪が目立つみりあは、御高祖頭巾で綺麗なブロンドヘアーを隠す。勿体無い。



 町田様の案内で武具の阪本屋に入る。

熊手くまでだ!」

 自分は絶叫しちゃた。店に入ると最初に目に留まったのは、長さ三メートル位の熊手だった。

 熊手 七両と書いた紙が貼ってある。

「槍みたいにが長いですね、先が三本のかぎ爪になっていますね。爪の付け根から鎖が柄と同じ長さで付いてます。御兄様、熊手と申しますのですか」

 早彩ちゃんは迷霧ちゃんと一緒に聴いてきた。

「熊手、鉄熊手てつくまでとも。熊の手に似てるからね。龍の三本爪にも似てるから、竜咤りゅうたとも。三本爪が多いが他には、二本、四本爪もある。珍品で五本爪も有るらしい。城取りにも捕物道具にも使われる。海賊に水軍のお気に入りの武具さ」

 しまった。人前で日本のウンチクを語ってしまった。龍の形や爪は未確認だ。

「へー。熊の手や龍様の爪に、似てますね」

 早彩が答え、迷霧ちゃんと二人で熊手を不思議そうに見ている。

 爪の形は、あってたみたい。


 日本では鉄熊手は、古代中国から渡って来た。大陸の農具、耕爪こうそうが元だ。農具は使い方次第で、凶器となる。西●記の猪●戒の武具は?

 熊手は、日本でも源平合戦には使用され、海賊と水軍でも使用された。歩兵の補助武具としても。江戸時代は捕物道具としても使用された。

 息の長い武具だ。

 

 説の一つとしてあるのが、熊手起源説。

 掃除に使用される竹熊手。農具の熊手。潮干狩りで使用されるクマデ、忍者クマデ。縁起物の熊手。

 全て武具の熊手を起源として、時間をかけてそれぞれに発展していった。

 起源が同じだから、文字は違えど全てクマデが名。説の一つである。

 武具の熊手と爪の形状が、一番似ているのは、五本爪が普通の潮干狩りで、使用される忍者クマデだ。メーカーによって、少しずつ形が違うけど。


 武蔵坊弁慶が七つ道具の一つ。

 忘れ去られた万能武具・熊手



「熊手を気に入られましたか、慧眼ですな。阪本屋の主、九蔵です。ようこそいらしゃいませ」

「寿です。宜しくお願いします」

 自分が挨拶をする。

「こちらこそ、宜しくお願い致します。九人もの、御美しい女人をお連れとは、羨ましい限りで」

「妾は違います」

 中松さん眉の上がり、MAXです。

「これは失礼を致しました」

 中松さんの殺気に主は怯えてる。自分が間に入ろう。

「琥珀と真風は、獣変化の防具を選んで。後、真風は杖にするか決めて。翼人の野袴を早彩とね。みりあは鞭を見て。炎は戻ってからだから、早彩に付いていて、寸鉄すんてつと双剣に千切木ちぎりきを。そして、弩をね。迷霧は手裏剣だね。幾つか選んで、後で見るから。椿はどうする」

「我はかなさいぼうとまさかりが良いです」

「かなさいぼう?」

 鬼姫様。解る単語を御願いします。自分は復唱してしまった。

 椿が陳列されてる商品を指差す。あらま!物語の鬼が持つ金棒だ。本物を初めて見た。金棒は鉄製で鋲がびっしり付いている。柄尻は丸い円形になっているな、鬼の絵や像がよく持っている、金棒そっくりだ。

 鬼姫様。鬼に金棒ですか。そして、鉞担いだ金太郎ですか、鬼姫なのに。

 メイスとバトルアックスですか、鬼姫様。

 才で見えた棍棒は金棒の事か、戚揚せきようようの鉞ですね。


 金砕棒 腰切り 八両と書いて有る紙が貼って有る。

 金砕棒の文字が解った。金棒は金砕棒が正式名称だそうだ。

 横には、百二十センチ位で木製の棒で八角になっている、金属製でびょうが打ってある、板を貼り付けてある物も有る。

 椿に小声で腰切りの読みと意味を聴く。こしぎり・腰の高さで切ったの意味。九十センチ位。

 他には頭の高さで切ったの頭切りとか色々な高さがあるそうだ。



「双剣とちぎりきは同じ倉に、ちぎりきは三つのくさ(種類)の品が有ります。熊手と金棒(略語)は、別の倉に品々が有ります。寸鉄は店の奥の箪笥に有ります。それと、弩ですが製作地の菜山藩の職人があの様になり、品薄でございまして、値が高くなりました。ちぎりきと同じ倉に有ります」

「後で見せて下さい」

「畏まりました」

 菜山の話に、菜山三人娘の表情が暗くなる。職人達は藩主を慕って後追い切腹したんだよな。


「琥珀は、薙刀か長巻か太刀にするか決めて。出来れば太刀は辞めて、急の時に抜きやすい品にして。剣術なら教えるから」

「はい。決めます。凪様は薙刀か長巻にされると思ってました」

「まだ、殺生がな。天下泰平呆けさ。琥珀も武具倉だから、みりあに付いていてくれ。髪の色で騒ぎになるかも」

 琥珀に小声で話す。

「畏まりました」

 頼んだよ、琥珀。

「御兄様。太刀は抜きぬくいのですか。長巻は何です」

 早彩ちゃん。まだ十二歳だからね。隣に居る迷霧ちゃんも?教えあげるね。

「あれが長巻。刀は太刀の刃が大きい大太刀おおたちだよ。刀の様につばが付いてるだろ。薙刀に比べて刃の部分が長い。薙刀は切るが、太刀の刃が長い大太刀や野太刀のだちは、なたの様に重さで鎧をぶった切るから、重いから使いやすい様に、槍みたいにつかを長くした。

横に有るのが中巻。長巻に比べて杷が短いだろ。太刀の杷よりは、長いから中巻。

長巻、中巻は武具の名ではなく、杷の名。太刀に杷を巻き長くしたから長巻。長巻は薙刀、槍に不調法ぶちょうほうの者が使う品と言われてる。扱い易い品だね」

 巴型の長巻の陳列品を二人が見ている。

「刀の杷を長くした感じですね。槍の柄とは違います」

 早彩ちゃん。可愛い。

「槍みたいな柄も有るよ」

「あの、太刀は」

 早彩ちゃんが代表。

「太刀は刃を下に向けて、金具で留めて腰に付ける。

打ち刀は刃を上にして、二本差す。

太刀は少し湾曲になっているから、抜きいくい、杷が湾曲になっているから片手持ちになる、持ちかえなければいけない。長いからぶつける。

鉈の様に大振りになる。馬上で使い易いみたいだね」

 二人がエアーで、太刀を抜く仕草をする。早彩ちゃん、迷霧ちゃんが可愛いすぎる。罪だ。

「あー。持ちかえねばなりませんね。御兄様」

 早彩ちゃん、迷霧ちゃん理解した。


「凪様は中衛をお考えですか」

 琥珀が質問してきた。

「琥珀、炎と一緒に前衛」

「駄目です。我等は凪様が頼りです。中衛でお願いします」

「だが」

「「駄目です!」」

 八人全員で迫られる。

「中衛で、椿が前衛に入って。御主人、鎖鎌くさりがま有りますか。柄尻から鎖が付いてのを」

 奴隷八人に脅された。自分の身を心配してだけど、怖かった。

「慕われていますな。熊手と同じ倉にございます」

 主が関心したように話した。

 町田様は、後ろ向きで笑っている。

 笹は、嫉妬むき出し。


「ひめのは、どうする」

「あの。女人の弓に使う胸当てと、刀の中巻の杷は有りますか。中松様」

「胸当てですか。此方で合わせた方がよろしいですね。刀の中巻の杷は珍しいので、無いかと」

「有り難う御座います」

「ひめのと真風に早彩、みりあと椿は胸当ても合わせて。刀の杷は聞いてみて」

 自分が指示をする。

 才では太刀は無いのに、中巻とあったから、疑問に思ってたが、刀の中巻か。珍しいな。

「畏まりました、凪様」

 ひめのが返事をすると、いつの間にか隣に、おばちゃんの奉公人が居て、案内をする。

 真風に目で合図を送る。みりあ用の翼人の野袴を、多めに買う為だ、三崎藩にはみりあの正体を知られたくない。


 各人を振り分け、楓と一緒に主の案内で倉に行く。


「此方が熊手に成ります。金棒と鉞は二階です」

「熊手を見てるから、選んで来て」

 二人を奥に行かせる。


 熊手を見ると、大体三メートル位が多い。

 一番奥にあった三メートルの品を手に取り振る。体に馴染む。

 先を見る。三本爪で他の物の爪より湾曲で先端が鋭い、他の物より爪が太い。

 爪の付け根から付いている、鎖も手に馴染みやすい太だ。しかも、鎖の先が小さい分銅になっている。千切木モドキとしても使える。珍品だ。

 君に命を預けよう。宜しく。


「旦那様。この二品にしました」

 後ろを向くと椿が手に持っているのは、あらま!釘バット!!

 金砕棒は鉄撮棒、鉄砕棒、金撮棒、鋼砕棒、鋼撮棒、砕棒等沢山名があるため、(自分が把握してるだけで、十九あります。)鬼に金棒と書きたいので、金砕棒表記にしました。

 南総里見●犬伝は鉄撮棒。


 熊手は作中のままですが、まだ書き足りない。

 別称の竜咤は同じ名前の秘武器・暗器があります。


 中巻・長巻は太刀用の杷の名です。武具そのものではありません。

 打ち刀の中巻は珍品。特注でしょうね。

 長巻術のみが残ってる流技は少数です。

 大半は薙刀術に併合、または混同されてます。


 この長さで壱で御座います。

 武具オタクは不満足です。


 参考文献

 武器で読む八犬伝 吉丸雄哉著 新典社新書

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