三十六幕目 お買い物です。弐 光に誘われて 双剣は双剣?
新年明けましておめでとう御座います。
本年も宜しくお願い致します。
昨年はデータの消滅に原因不明の目眩、何時もの冤罪と運が悪いのには自信があり、毎年の事です。
毎年の様に実力と知識と勘に執念深さで切り抜ける所存です。
三十六幕目は実在する武具は寸鉄と弩に契木だけです、双剣・鎖鎌は魔道具にしました。
双剣の解説は後書きで。
「旦那様。この二品にしました」
椿が手に持っているのは、あらま。釘バット!!
釘バットは九十センチ位、腰切りの長さだ、野球のバットの形だが、持ち手以外の所が鋭い鋲で覆われている。尖端は平たいと思ったら、魔獣の甲羅が付けてあるそうだ。
撲られ突かれる相手に同情する。
椿は片手で軽々と振って見せる。自分も持たしてもらった、腕がもげるー!何て重さだ!小柄なのに何処にそんなパワーがあるの?今度じっくりと布団の中で調べましょう。
椿が選んだ物は、鉄の塊を職人が切り出した品と主。鉄だから真っ黒なんだ。
主が鉞を持っている。鉞は小型だ。片方だけに刃が付いてる。
「斧より、鉞の形の方が好みなので」
鬼姫様、斧と鉞は形が違うのですか、知らんかった。
「ほう。その鉄熊手を選びましたか。他の品より癖が強く、鎖の先が分銅になっている珍品の為に、十五年間売れ残っていました。慧眼ですな。それは本来なら二十両なのですが、五両ではいかがですかな」
「是非」
「有り難う御座います」
商談成立。
「鎖鎌は此方です」
主が案内をする。棚に様々なタイプの鎖鎌が並べてある。
自分が選び初めると、一番高い段の隅に勘が誘う、そこには不思議な光を放つ品があった。鉄製で長さは三十センチ位、太さは五百円玉位だが、これで鎖鎌?手に取る。
「其れを選びますのか。訳ありの品で御座います」
主が驚いたが、訳ありね、訳ありに縁あるな~。
鎖鎌を選らび終えて三人で店に戻ると、早彩ちゃんに付いている炎が、箪笥の前で困惑の表情をしていた。
「凪様。何故、武具の店に紙を押さえる、文鎮が有るのですか」
見ると、寸鉄だった!
「炎。それは、寸鉄で武具だよ。文鎮に似ているけど」
自分が答える。
「これが寸鉄ですか」
確かに知らないと、変わった形の文鎮と思うかも、炎が見ていた寸鉄は、形な四角形、金属製でボールペン位の長さ、太さは五円玉位で尖端は細くなってる。中央に金属製の指輪の様な穴が、本体と同方向に付いている。
「寸鉄は護身の品です。持っていると覚られないように、隠し持ちます」
「隠し持てる大きさですね」
早彩ちゃんの説明に炎が答える。
「早彩、拙者も持つから、違う物を二組求めよう。片方が刃物になってる物を、一つづつ持てば良かろう」
「一つづつですか」
炎には説明が必要です。
「寸鉄は二本一組だ。刃物と叩くだけの物を一つづつ持てば、何とか出来る」
「寸鉄は双具なんですね」
炎は理解した。
「我は使えませんが、二つ一組です」
鬼姫様が話した。
「御兄様、寸鉄はこの二品が宜しいかと」
早彩ちゃん選んだね。
「一つが、叩くだけの品で、もう一つは、片方の先が尖ってるな。突く為だな」
「斬るより、突くだけの品が使い易いです」
「なら、この二品にしよう」
一組、一両だった。計二両なり。
寸鉄は得意だ。日本でも、形は代わるが寸鉄の業で使える品が、一部でブームだ。
タクティカルペン(護身具にもなるボールペン・マジックマカー)だ。
タクティカルペンは、車のフロントガラスを突きさせる強度が有る筆記具だ、メーカーにもよるが。沢山のナイフメーカーと銃器メーカーが参入してる筆記具だ。
筆記具なのに、日本の飛行機だけは税関で持ち込みを拒否された品だ、筆記具なのにね。
世界中の税関で唯一の対応で、朝日新聞の記事になった、ペンが機内持ち込み禁止!の見出し。スミス&ウェソン等の大銃器メーカーに新聞が取材して、法的に根拠がなく馬鹿げてると失笑された。ペンで人殺せるんだって、笑える。
自分も三本持ってる筆記具だ。三崎藩に取り上げられたが。あくまでも護身も出来ちゃう筆記具です!
そして、もう一つが空手家の窪田先生が考案された、クボタンだ。独自の使い方があるが寸鉄術も併用できる。
「早彩、千切木と双剣はどうだった」
「御兄様、御姉様、双剣はこの一組の品が宜しいのですが」
早彩ちゃんが選んだのは、双具だから二匕(短剣・懐剣の数え方)一組、組だから二本差しが禁止の奴隷でも問題なしだと早彩ちゃん講座。
ロングソード?タガ―ナイフ?
魔道剣は諸刃(両刃)で鐔が左右にだけ有り、ナイフに似た感じがする。杷は両方とも黒色で、杷尻に其々緑色と白色の宝石が付いている。鞘は竹製で黒色に塗ってある。
「魔道剣になりまする。魔道具の一つです。双剣は二つ一組の意もありますが、諸刃が多く、諸刃の剣も双剣と申します。此は小さいですが」
自分の表情で気付いた、早彩ちゃんが小声で解説してくれた。
諸刃も双剣なんだ。双剣は双剣?
「店の者より、その魔道剣を選んだと聞き及びました。その品は訳ありでして」
主よ、唐五三人娘と鎖鎌に続いて訳ありか。本当に訳ありに縁あるな。
「訳あり」
早彩ちゃんの表情が曇る。だよね。
「魔道の武具は持ち主を選びます。この品もです。祖父の代からある品で、魔道剣は持ち主の魔道力を与える事で力をだします。この魔道剣は魔道力を込めても、持ち主に力が跳ね返ります」
あらま!何て危険な剣なの、可愛い早彩ちゃんにはバツです。
「魔道力を込めます」
「「えっ」」
「早彩、血迷うな」
早彩ちゃん何をするの!
「早彩さん、無茶!」
炎は大慌て。
「早彩、辞めなさい!」
椿も叫んだ。二人に深く同意。
バチバチと刃から音がした、剣の刃が放電した!!
「何と、持ち主に認めた」
主、驚愕です。
「此方にも、魔道力を込めます」
白色の宝石が付いているほうに、魔道力を込めた。刃から水滴が出て床に落ちる。水の魔道剣かな。
緑色の方は、放電したから多分電気だな。早彩ちゃんの才の日は多分火だから、電気と水か、中々の組合だな。
主が茫然自失してる。
「魔道剣から、面妖(不思議な)な光が見えたので選びました。白色の方は氷もでると感じます」
早彩ちゃんが小声で椿と炎、自分に報告。自分と同じだ、光で誘われて双剣に選ばれさせられたのか。
其でも無謀だ。早彩 無鉄砲な子。
「その魔道剣は、祖父の申し付けで使える方が現れたら、お代はいただくなと言われております」
「主、其だと」
「今までに魔道剣は、千と百五人の方が挑まれました、使えれば無代との噂がたちまして。寿様が御選びになった鎖鎌は千と三百九人です。皆様しくじりました。鎖鎌も魔道具で祖父の代から伝わる品。持ち主を選びまする」
「それで、驚いたんだ」
「扱えれば無代と、御存じないのに御選び頂いたので。思いし驚き(ビックリ)ました。
皆様、種族に問わず挑まれしくじりました。
人間族の方々は念書を書いたのに痛い目にあったと文句を申し、金子を求められるのでして。これで静になりましょう。まだ二品御座いますが」
ごねるのは人間族か、人間ってダメだな。
「弩は組み立てにしました。石も射れる逸品です。滑車が付いているので、非力な我でも矢が容易に取り付けれます」
早彩ちゃんが話す。炎が持っているクロスボウだね。弩はクロスボウだ。
日本にもクロスボウはあった。滑車付きは初めて見たが。
日本では古代中国からの輸入品だ。奈良時代に入り平安時代に廃れた。強力で射程距離が長い弩は、日本では流行らなかった。
廃れた理由は動く標的に当りにくく野戦に向かないからだ、連射が難しいのも理由。輸入品の為に値段が高いのも廃れた理由だ。
日本では携帯しやすい攻撃の為の短弩。大型で城や陣に備え付けて使う、長距離用の長弩の二種類が輸入された。
自分はクロスボウなら経験は少しある。弩は皆無だ。
「其は菜山の品ね」
椿が懐かしそうに炎から弩を受け取る。
「主、小鬼族の大弓は有りますか」
「申し訳ありません。小鬼族の大弓は、御座いません」
自分の問いに主が答えた。
「大弓は扱える者が少ないですから、置いてる店も少ないです。小鬼族の大弓は珍しいく、品薄で御座います」
「左様で」
椿が残念そうに答えた。
「御兄様、御姉様、千切木は此方の品が宜しいのですが」
早彩ちゃんが選んだ千切木は、百二十センチの棒で先端から九十センチの鎖が付いている、鎖の先は鋲でおおわれた分銅が付いている。標準的な品だ。
「もう一つの品は、我には大きすぎるので。あちらに御座います」
早彩ちゃんの指の先には、あらま!西洋のフレイル(モーニングスターとも)が陳列してあった。
木と鎖は千切木に比べて太い、木は九十センチで鎖も九十センチだ。分銅はかなりの大きさで、太い棘がででいる。これは鋲じゃないよ棘だ。早彩ちゃんにはダメだ。狂暴すぎます。
紙が貼ってある。 契木 五両 腰切り
へ~。契木と書くんだ。日本にも有るのかな。
流石は異世界だな。色んな武具があるな。
「もう一つの品は、乳切木でした、棒の品でした」
乳切り棒とか、沢山名があるタダの棒の方ね。
この店には、日本では入手不可能な、あのちぎりきは無いか。残念。日乃に有るのかな?早彩ちゃんに聴いたらビックリしていたしな。無いのかな。
琥珀とみりあが入ってくる。みりあよ、琥珀よ、手に持ってる品は何ですか?
琥珀は黒い縄?鞭?
みりあはまさかの西洋のレイピア!
流石は異世界だ、和・中・西・魔道具何でもありだ!!
双剣の数え方を変更しました。
刀剣は口(くち・こう、とも読みます)が数え方の一つですが、短剣・懐剣の小型剣は、匕の数え方なので、悩みに悩んで口にしたんですが、小型なので匕に直しました。また刀剣は腰、振り、本と数え方があります。
双剣は古代中国から伝わり、神話の時代は両刃の剣が日本でも主流でした。ロングソードに似てます。
刀を使用するのに剣術・剣豪と書くのは双剣(両刃剣)の剣の名残です。
早彩のは小型です。
中国では諸刃の双剣による武術も盛んです。中国では剣術・刀術と区別されてます。
クボタンはアメリカの方が知名度があります。
タクティカペンはボールペンが主流です。あくまでも護身も出来るかもしれない頑丈な筆記具です。ナイフ・銃器メーカーが作ったから、頑丈なだけです。
百ヵ国以上に輸出していて、機内持ち込み禁止は日本だけの対応。
日本政府よ、税関よ。あまり馬鹿をやらないで、日本人として恥ずかしゅう御座います。
寸鉄は様々な種類があります。寸鉄術も型稽古で稽古します。
クロスボウには玉(パチンコ玉位の物)でも射れる機能がある品があり、弩には石にして組み込みました。(最近は何故か専門誌でも見かけませんが)本来の弩は石は射れません。滑車も付いてません。(滑車は手で回して弦を引きます。)
西洋の品には滑車付きもあります。
契木は西洋のフレイルを持ってきました。一つは創作?の答えです。悪役が使用予定。
契木は日本の御流技で遣われている、文字をあてました。
本年も宜しくお願い致します。




