二十五幕目 鬼の目にも涙、女神の目にも涙
すいません、遅くなりました。
「プリンよ、戻れ」
椿が命じるとゆっくりとだが、盾が無くなり椿の右手に痣が戻る、角も黒くなった。
椿の小さな角が黒いのは、痣の影響か。
「御姉様、角が盾を出している間は、白くなってました」
「えっ、真なの、早彩」
「はい。御姉様」
「白くなってました」
みりあが姉妹の会話を補足する。
「角が白く・・」
椿の目からポロポロと涙の雫が溢れた。
まさに、鬼の目にも涙だ。
角が白い種族なのに角が黒いなら、トラウマになってたんだろう。
椿が泣き止むまで、休憩になってしまった。
この間に、椿の才をチェックする。
菫 陰無名ぷりん 矛盾
平蔵
あんなに簡単に解除できるとは、思わなかったから、一緒に見えてたけど、スルーした平蔵は手付かずだ。術者の名だと思うが、それなら一緒に砕け散ると思うがな。
「平蔵」
自分が唐突に、男名を話したら、菜山三人娘は激しく動揺した。
「父上の名ですが、御兄様はご存知なのですか」
早彩ちゃんそうなの。
「勘で解ったが、術者の名と思い込んでしまった」
術者じゃないのか、勘は読めるが、読み方と意味に文字の色の訳が解らない、手探りで試すしかないか。
平蔵には、変化が無かった。平蔵は名・字だそうだ。
今はスルーするしかないか。
「あの、凪様。先程のかんたんはなんでしょか」
ひめのよ、簡単て言葉無いの。麺みたいに知らないだけかな。
「かんたんは無いです」
琥珀が言うなら、間違いないな。
「えっと、簡単は容易かな」
「左様ですか。容易は平易とも申します」
ひめの、今度は知ってたのね。元姫様なら麺とか庶民の事は、知らないよね。
「先程の、丸鬼盾は初めて見ました」
「炎、丸鬼盾はバックラーの事かい」
炎の言葉に自分が質問。
「ばっくは解りませんが、小角鬼族の丸鬼盾かと」
炎、解答ありがとう。
「丸盾は小角鬼族の防具ですが、近頃は他の種族も、似た品を作っていると聞き及んでおります」
そうなんだ、椿。馴染み深いから、椿の思い入れでバックラーに変わったんだね。
色々と試すしかないか、三崎でやろう。
椿は顔がスキッリした感じがする。
みりあに小声で話す。
「早彩に素性が知られるが、どうする」
「はい。何時かは知られるでしょう。封印が解けたら、隠しとおせません。早彩様と皆様には、我から話します」
「さて、次はみりあにしよう」
「はい。旦那様。宜しくお願い致します」
皆を円形に座らせる。
まん中にみりあと自分が、向かい合わせで座る。
みりあが自分の素性とあやかしの正体を説明をしてから、秘め事にする。
早彩は呆然としていた。
そういえば、早彩に隠す理由を聴いて無いや。
みりあの才を見る。
金色のフィルターが掛かった感じで見える。
たくすぃ 海神でぃに
みりあの名らしき文字の横には、海神 でぃにと有るな。日本語?日乃語?で表れるから助かる。
西の大陸の文字なら、お手上げだ。
「海神 ディニ」
何も起こらない。
「タクスィ 海神 ディニ」
何も起こらない。
「みりあ、涙」
椿が指摘する。
「えっ」
椿の指摘で、みりあが涙に気が付く。
「みりあ。多分だが、封印されていても心が解ったんだ」
「心が・・」
自分の推測にみりあが戸惑う。タクスィが封印前の名か、神の血を引くのなら、女神かもしれない。鬼の目にも涙の次は、女神の目にも涙か。
「みりあ、タクスィと言うんだ」
「タクスィ・・」
あらま! みりあが呟いたら、金色のフィルターに罅がはいる。
「海神 ディニと言って」
「海神 ディニ」
みりあが叫ぶ。
才を覆う金色のフィルターが、ドロドロに溶けた。
スマホの変換機能は便利ですが、うっかりすると、間違っているのを気が付きませんね。




