二十四幕目 プリン
短いです。
「痣が動きました」
「「えっ」」
みりあの言葉に皆驚く。
自分は慌てながら、椿の才を見る。
才は、風景が見える所に硝子を置き、透明な硝子に文字を書いた様に見える。
椿の才から真っ黒が無くなり、風景が見える様になった。見えなかった赤い文字の、弱点も見える。
諱の菫も読める。呪陰封じ陰守が無く、あらま、陰無名になっている。
う〜ん。陰はともかく、無名はオーソドックスに読めばいいかな。それとももう一つの読み方かな。
「凪様、痣が波打ってます」
琥珀の声で、才を見るのを止める。
黒い痣が、確かに波打ってる、何だこれ。
「陰無名」
自分が読んだが、効果が無い。
「椿。陰無名と叫べ」
「は、はい。旦那様。陰無名」
「痣がまだ波打ってます」
真風絶叫。
「だったら、椿、次は陰無名だ」
無名のもう一つのマイナーな読み方、むみょうを試そう。
「陰無名」
椿が叫ぶ。
「痣が止まりました」
迷霧ちゃんは、報告すると畳に座りこんだ。
痣が確かに止まった。
「椿、念じてみろ。動けと」
多分、動けでいいよな。
「はい。旦那様」
椿は集中してるようだ。
暫くして自分を見る。駄目みたい。う〜ん、
椿のイメージか少しだけ反応した。
無名か! 世の中に知られていないと、名無しの意味が有るが多分後者だ、名前が必要なのかな。
「椿、痣に名を付けなさい」
椿は嫌な顔をした、女の子ならあんな目立つ大きな痣、嫌だったろうに。
「名を付けなさい。椿が名付けるんだ」
「はい。・・プリン、名はプリンです」
「プリンね」
椿も女の子、甘いお菓子が気になってたな。いつか食べさせたいな。
「痣が一時、黒さが濃く成りました」
みりあが心配そうに話す。
椿の才を見る。
陰無名ぷりん 矛盾
替わってる。プリンに成ってしまった。名前が付いても無名は有るな。
新しく文字も増えてる。むじゅんと読まないよな、オーソドックスに読めばいいかな。痣の力かな。
矛と盾に変わるという意味かな。
「椿、痣に盾になれと命じてみて。盾を思い描いきながら」
盾なら周りに被害は出ないだろ。
「盾になれ」
「御兄様、御姉様変わりません」
早彩ちゃん報告ありがとう。
「なら、名を呼んでから命じてみて」
「はい。旦那様。プリン、盾になれ」
「痣が動きました」
炎が叫ぶ。
椿の痣が右手から左手に集まり、黒い手の中で黒い塊になり、盾の形に変わっていく。
えっ。椿の小さな角が白くなった。
椿の左手には、六十センチ位の丸い盾に成った。
あらま! 盾は盾でも、丸い洋風のバックラーに成った。
何故西洋のバックラーに変わる?
無名のむみょうの読み方は、有ります。マイナーですが。
名は重要です、プリンは我ながらセンス無いと思います。




