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最弱にて最強の  作者: 凪
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二十三幕目 陰陽師

 凪の市町の陰陽師の歴史です。

 そのまま、私の地元の話しです。

「日本の事はここまでにして、陰陽師の事を話そう」

 自分が話しを仕切りなおす。

「「え〜」」

 不満は無視。

 食べ物の話しで終わりそうだから。


「自分の出身地は」

「しゅっしんですか」

 迷霧ちゃんが首を傾げた。

「えっと、出かな」

「はい。解ります」

 迷霧ちゃん理解した。

「自分の出は昔、藩が強く公儀に口だしをさせなかった、陰陽もそうだった。他の地から公儀に弾圧された、陰陽師達が大勢移住した。陰陽師の里を造り。万歳まんざい(漫才の原形)や踊りに変わった手妻てづま(手品・奇術)の芸能を伝え。珍しい料理や菓子。植物の種も伝えた」

「陰陽師様が色々伝えたのですか」

 迷霧ちゃんビックリ。

「女二人の万歳も有る」

「おなごだけ!」

 真風ビックリ。


「自分達の文化は、陰陽師が造りあげた。だが、そんな事を知っている人は、一握りの変わり者。陰陽師の里も石碑だけさ」

「そんな事に」

 ひめのか呟く。

「時代さ」

 自分は寂しく呟く。


「公儀が陰陽師の人数を決めた為に、溢れた陰陽師が、成ったのが手妻師と、殆んどの陰陽師が成ったのが渡り万歳師だ。

今は、手妻師は居なくなり。万歳が演じられるのは、正月のみ、各家の廻りをするのは数組だ。殆んどは家を廻らず、寺などで演じ、保存会が伝えるだけ。そんな時代」

「ほぞんかいですか」

 早彩ちゃん解らないか。

「芸能を護る会かな」

「はい。解りました」


「自分の地は、信仰あつきと呼ばれ、信心深い人が多いから、陰陽師の仕事は沢山あったから、寺や神社・・嫌、神家へ石碑に色々な寄進をした。調べると移住して来た、近所の陰陽師とある。名も年も違う、其だけの人数がいて、実入りがあったのさ。全部忘れられた事さ。嫌な時代だよ」


「自分の家は、古い陰陽の家だが、移住して来た陰陽の影響で、変化したらしい。古い事だからよくは解らないが。呪術が無いのは禁止されてたからさ。死罪だからね。使えば」

「そのような事に」

 ひめのが淋しそうに呟いた。


「五人は椿達の事は知ってるな」

「はい。菜山の因果は知れてますから」

 炎も知ってるのか。


「今から、三人の因果を断つつもりだ」

「今からですか」

 ひめのは、怪訝な顔をした。

「試すだけさ、まずは椿からな」

「はい。旦那様。宜しくお願い致します」

 椿は緊張した返事をした。


「まず。自分は人の才と弱点が見える、諱も見える。この勘と名付けた力で、三人の因果を断つ。椿、早彩、みりあ秘め事で」

 菜山三人娘の首輪の石が光るのを確認する。


 七人が円に座り、真ん中に椿と正座で、向かい合わせで座る。

「椿、痣を見させてくれ」

「はい。旦那様」

「袖からでなく、襟から肩を出して、両肩を。恥ずかしいだろうけど」

「我は旦那様のモノですから」

 椿は、小袖の襟から両手を出し、胸元まで一気にだす。

 時代ドラマの賭博場で、賽子サイコロを振る、鉄火てっか(賭博の別名)女みたいだ。胸元を隠す白い晒しは、巻いてないけど。

 それでも女の子、すぐに胸元を隠す。


「御姉様・・」

 早彩が姉を心配する。

「恥ずかしいだろ。後ろを向いてもいいよ」

「ありがとうございます。旦那様」

 椿は後ろを向く。 

「触るよ」 

「はい。旦那様」

 椿の肌の黒い痣の部分に触る。ビクッと椿が身体を振るわせた。

「この痣は、痣であって痣じゃないよ。伝承にある力移しだよ。妖魔の間で引き継がれてきたんだろう。伝承が正しければ代を重ねれば、重ねるほど力が強くなる筈だ。痣が力さ。代々受け継がれてきた、力を消したくないが、力を使われたくないから、死ぬ寸前で力を移して、呪いで封じ込めた。椿が死ねば妖魔の一族に戻るか、力が消えるかまでは、解らないが」


「痣が力・・」

 椿が複雑そうに呟いた。

「やるよ、椿」

「はい。旦那様を信心ます」

「うん。必ずインスタントカレーを食べさすからな」

「はい。旦那様、楽しみにしてます」

 

 意識を集中する。真っ黒がでてくる、黒い部分に意識を集中する、文字が浮かび上がる。

    菫 呪陰封じ陰守


 すみれは多分諱だ、陰守は、力を護ると言う意味かな。

陰守かげもり


 才の黒い部分にひびが入り、硝子が砕け散る様に、砕け散った。

「うあ!」

 ビックリした。刺さるかと思った。

 こんなに簡単なの、祝詞を幾つも用意したのに、簡単すぎるよ。

「凪様、どうされました」

 ひめのが心配して声を掛けて

きた。

「簡単すぎて驚いただけだよ、ひめの。椿、しゅが解けたよ」

 ひめのが心配しない様に、少し話しを変える。

「ええー、容易よういすぎます」

 椿が叫ぶ。


 早彩ちゃんとみりあが心配して、椿に近づく。

「御姉様、まだ痣が有ります」

 早彩の疑問に自分が答えた。

「痣は多分無くならない。痣が力だから」

「そんな」

 椿が茫然とする。


 椿の右肩の痣が動いた。


 万歳は、萬歳とも書きます。

 三河万歳、尾張万歳、会津万歳、仙台万歳と地方に有ります。

 昭和四十年代までは、正月に各家を廻りましたが、今は殆んど保存会のみです。地方によりますが。

 市町の資料から、幕府に弾圧されたと、推測しました。

 参考文献、資料、大学による研究資料は、いつかくる予定の最終話で、書く予定です。


 手妻は、明治時代に和妻わづまと替えられましたが、流派によって和妻、手妻と呼称が違います。

 参考文献

 和妻師 一蝶   薮野 続久 著

 集英社 全三巻 漫画

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