十四幕目 大奴隷競り市 紅《べに》乃間 顔見世《かおみせ》・上
十三幕目は改稿しました。
凪の勘の大分が解ります。
諱が読める様にした意味も少し解ります。
看板で紅乃間を確認のする。
紅乃間に入る。畳が敷いてあり、畳二十畳位の広さだ。
部屋は、紅色の襖で隣の部屋と仕切られている。だから紅乃間なのかな。
「十五歳から二十歳までのおなごです」
受付が教えくれた。
結構客が居るな。あ、時代劇で見た事がある、紫の頭巾を被った女性が三人居る。
それぞれが供の侍か女中と一緒だ。
琥珀によれは、紫の頭巾は御高祖頭巾と言うらしい。俗には袖頭巾だ。
一人は、御高祖頭巾を鼻の下で、横に流し口元を隠している。砂漠の人が、布で砂避けの為、顔を隠してるのに似ている。
若く戦える女性は、女しか入れない場所の警備や身分の高い女性の警護役の男装侍、別式女として重宝するらしい。秘密も魔道具で守られる。身分の高い女性が顔を隠して買いにくるそうだ。以上中松さん講座。
琥珀は、ひめの付きの元、別式女だったし。
「凪様。別式女です。一番の看板の所に居ます。首輪が無く、二本差しなので奴隷ではなく、家中の方だと思います」
琥珀が小声で話す。
「奴隷だと二本差しが出来ないのか」
自分が質問する。
「公儀の決まりです」
「中松さんより、皆を頼るよ」
「はい。頼りにして下さい」
琥珀の笑顔は、かなり可愛い。
一番の看板の所を見ると、紫の御高祖頭巾を被った女性の周りには、女中らしき着物姿の二人の女性と、青色の袴姿で髪をポニーテールにして、大小の刀を差している、小柄な若侍が居た。
琥珀が教えくれなければ、女性と気が付かず、小柄な美少年侍だと思ったはずだ。
劇画やテレビドラマで見た事が有る、別式女姿だ。
テレビドラマの剣●商売の佐●木三冬の独身の頃の服装に似ている。田●義次の娘だから、別式女じゃないけど。武芸に熱心なあまり男装してるだけだ。
彼女は凛々しい感じがする、琥珀や炎にも機会が有れば着せてみたい。
あっ、奴隷身分は袴が穿けないんだった、勿体無い。迷霧と真風やひめのにも、着せたかった。残念。
「琥珀。奴隷は袴は穿けないのに、別式女として身請けするのか」
小声で琥珀に聴く。
「公文所で別式女で、登録すれば穿けます。別式女として札を出して貰えば大丈夫です。別式女だけの札も有ります。我なら護り人の奴隷なので、公文所で護り人奴隷の登録する時に、札に記載して貰えば大丈夫です。越後屋で女将さんが怒ってたのは、登録前だったからです。女将さんが罰せられるからです、身請け前は登録できませんから。袴より野袴の方が動き易いのですが。刀は奴隷身分なので、一本差しです」
良かった。男装を楽しめる。
ひめのに是非着せたい。
別式女の警護付きの女性達が移動した。
自分達は一番の看板の所に行く。
横には、振り袖姿の若い猫耳の女性が椅子に座り、強張った笑顔を振り撒いている。
木製の看板に紙が貼ってある。
紅一番 名・梅 十七歳 猫族 開始四十両と書いてある。
開始は競りが始まる値段らしい。
横には、店の奉公人が宣伝している。
「こちらのおなごは、改易になった、さる藩の重臣の娘で御座います。才色兼備にておなごのみの勉学の教場(塾・教室)は、快塾を主席で卒(卒業)しており。武芸はおなごの為に工夫されし、朝日流護体術は切紙で御座います」
「下手くそ口上、切紙は一番下だろ」
「そうだ、そうだ」
客の野次を他の客が肯定する。切紙は確かに下だ。
日本でも柔道が段位を導入するまで、切紙が一般的だった。
「琥珀。此方の免許はどうなってる」
自分が小声で琥珀に聴く。
「はい。切紙、初目録、中目録、目録、免許、印可、指南免許の順で上がっていきます。流派によっては、目録は大目録と言います。目録は流派によっては伝書と、俗名があります。流派によっては、その上に秘伝、口伝が有ります。印可で独立できます」
「流派で名称や順が違うのか」
「いえ、前はそうでしたが、公儀が統一しました。今は流派を公儀に登録して、始めて人に教えられます。種族のみの流派は、登録してない事が多いですが。伝書が目録の俗名なのは、公儀が改めたからです」
こちらはそうなんだ。確かに、才の文字は薄い。
自分が学んだ、流派には無かったが。
番号順に見ていく。二十一番で終わりみたいだけど、椅子には誰も居ない。
看板には、紅二十一番 名・楓 十五歳 小角鬼族 開始五両とある。安いな。
小角鬼族は中松さん講座に無かったな。
「お待たせしました。今から顔見世を始めます」
店の主らしい人間族の中年男に連れられて、桃色の振り袖姿の女性が、会釈をしてから椅子に腰掛ける。
「こちらのおなごは、取り潰しになりました、菜山藩の藩主の長女です。白兵戦と大弓が得意な小角鬼族で御座います。鬼頭流兵術は印可です」
「菜山の因果三人娘か。長女なら呪い持ちじゃねえか。誰が買うか、縁起が悪すぎる」
「あれが、因果二人姉妹の上か」
「むだいでも買うはずないだろう」
むだい?何。
野次が情報をくれた。
人がここだけ居なくなった。
「小角鬼族は大角鬼族、虎族、狼族、猿族、熊族、蟷螂族に龍人の白兵八族と呼ばれるぐらい、白兵戦が得意な種族です。しかし、昔に藩主の父親が、妖魔を倒す大手柄を上げましたが、その時に妖魔に娘が呪いをかけられたと。楓様なら呪いによる痣が、右肩から有るはずです。呪いで本来の力が出ないはずです。高名な陰陽師様も解けない呪いです。勧めませんね。因果三人娘は評判が悪すぎます」
中松さんの評価も厳しい。
「小角鬼族は、話しになかった」
「これは失礼を。小角鬼族は角が小さく、身体も小柄なのですが、俊敏で力が強い種族です。小柄ですが大弓も得意です。俗に小鬼族と呼ばれます」
中松さん。説明不足多いですよ。
楓を見る。黒髪でショウトカットで、左右に十センチぐらいの黒い角がある。
顔つきは純情派アイドルがはれる感じがする。清純そのもの。小柄で華奢に感じる。
「小鬼族は角が白い筈。黒いですね」
中松さんが不思議がっている。
楓の才を見る。
意識を集中力する。
真っ黒だ。黒で塗り潰しみたいな感じで見える。これが呪いかな。呪い持ちは初めてだから比較できない。
塗り潰された黒い所に、白文字か読める。
鬼頭 棍棒・長棍棒・戚揚・弓・大弓・弩・体術が読みとれる。かなり文字が濃い。戚揚は何だろう。読めない。
勘と名ずけた能力は、才が文字となり解る。鬼頭が流派で棍棒が修めた武器や得意を現す。文字の濃さが熟練を表すみたい。
本人が隠す才。気付かない才が見える。
弱点は赤文字で見える。
残念な事に、ゲームと違いPMなど数字で見れない。
楓の文字の濃さなら腕は確かだな。多分呪いは天性の能力を封じるのだろう。それでも、印可が取れたか、凄いな。
棍棒等は後で修めたからなのか。読めない文字も有るけど。
じっと見ていると黒の中に黒い文字が浮かび上がる。
諱かな。違う、呪いの名だ。諱にかけられているな。
あ!伝説の力移しだ。倒された妖魔が受け継がれてきた、力を絶やすのが惜しくて、呪いと一緒に力を移した。どんな凄い力だよ。
あ。術者の名みたいなのも出てきた、諱に呪いをかけられたな。これなら名で解除できる。
呪術は使えなくとも解除はできる。
なるほど、高名な陰陽師も解け無い筈だ。
普通は鍵となる、術者や呪い名が解らないからね。勘に感謝。
本当は呪術を理解してるが、危険すぎる為、禁止されている。それに昔は、呪術を使えば死罪だったから。
理解出来てなければ防御と解除できない。
理解と使えるは別。
「少しお待ちを」
三人に声を掛ける。
「まさか」
はい。そのまさかですよ中松さん。
「御主人。楓さんと少し話してもいいかな」
「は、はい。もちろんで御座います」
「こんにちは。楓さん」
自分は楓に声を掛けた。
「こんにちは。旦那さん。呪い持ちに声を掛けるとは、もの好きな方ですね」
「声を小さく、見張られてるから」
「えっ。解りました」
「楓さん。拙者は陰陽師。呪が解けそうだ」
「ま、誠で御座いますか。呪いが」
「呪が解けないかもしれない。やってみないと。多分大丈夫だよ。解けようが、解けなくても護り人の奴隷として戦えるかい、忠誠を誓えるかい。このままだとまずい事になるだろ」
「はい。多分鉱山か遊廓送りになるはずです。買って頂けるのなら、忠誠を誓います。大弓も得意ですし、白兵戦ならお任せ下さい」
「うん。確かめる為に、嫌かも知れないが痣を見せてほしい」
「はい。腕から有ります、右の袖口から見れます」
自分は袖から楓の腕の黒い痣を見る。呪いだけど呪いじゃない、痣こそ力そのものだ。
「解った。何とかなるよ」
「誠ですか」
「はい」
「あの。お願いがあります」
「何かな」
「我の友と義理の妹も、競りに出ています。もし良ければ三人一緒に身請けして頂けると嬉しいです。旦那さんなら、二人の因果を絶てるやもしれません」
「因果三人娘の二人か」
「はい。義理の妹は十二歳です。十五歳にならねば、売れませんが、見せしめの連帯奴隷は別です。白乃間のさあやです」
ロリータ! 十二歳!
御高祖頭巾は作中のままです。
別式女は、藩によっては帯剣女・刀腰婦など呼ばれましたが、異世界です、別式女だけです。
だって、ひめのに袴を穿かせたいんです。
日本では、袴は身分の象徴だったので。
段位にあたる、免許ですが悩みました、北辰一刀流を参考にしましたが、初目録、中目録免許、大目録皆伝の三つでは寂しいので此にしました。異世界です。御公儀が統一しました。
最近運が悪く、最悪の事が重なり時間が取れません、下は書けているので、早目に投稿します。
運は悪いのは自信が有ります。




