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02.エピローグ後の小話②

「さすが南部とだけあって日差しが強いな」

「この時期はまだ夏のように熱いので休憩しながらご案内しますね」

「シルも疲れたらちゃんと言ってくれよ」

「勿論です。何かあったらすぐにアレス様に言うルールを作りましたからね!」

「(ほんといい子。真面目な性格だからルールに従順だと色々やりやすいなぁ。……うん、使える)」

「あそこの果物ジュースがとても美味しいので寄って行きませんか?」

「その前にシル。ルール追加していいか?」

「今ですか?」

「今だからこそ必要なもの」

「なんでしょう?」

「手を繋ごう」

「手を…?」

「いくらシルの故郷と言え、こうも人が多いとはぐれる可能性があるだろ? それに俺はここに来るのが初めてだし、何かあったらすぐ守れるよう近くにいたい。だから二人ででかけるときは手を繋ごう」

「……。そう、ですね…。一理あります。ちょっと恥ずかしいですけど私もアレス様と手を繋ぎたいですっ…」

「(あーもじもじしてるシル可愛ぃいい! 小さい手も、握る力も弱くて愛しい…。自分から言っておいて我慢できなくなるっ!)」

「改めて手を繋ぐと解りますが、アレス様はとても大きな手なのですね。安心します」

「(何でこうも的確に俺を殺そうとするの!? ありがとう、神様。神なんて信じてねぇけどありがとう!)」



「アレス様あちらです。あのお店に別大陸の武器が揃っています。面白い武器ばかりで見てるだけで楽しくなれますよ」

「(シルにエスコートされるのもいいなぁ…。滅茶苦茶楽しそう。そんなに好きなら店丸ごと買ってやるのに)」

「あ……」

「どうかした?」

「はしゃぎすぎて忘れていましたが、偽名を使わないと」

「俺も(浮かれてて)忘れてた。じゃあ、ルフレ。そのお店に案内してくれるか?」

「うんっ。スレアにも楽しんでもらえると嬉しい」

「(もう既に嬉しい)―――ルフレッ!」

「う、えっ…!?」

「ちっ!」

「(この野郎…!)ルフレ動くな」

「(また何も聞こえない…。抱き締められているから状況が解らない…)」

「おいテメェ…。俺は今日人生で一番最高な日を送ってんだ…。スリなんて姑息な犯罪で邪魔すんじゃねェ!」

「ガハッ!」

「しかも俺じゃなくてシルを狙いやがって! 死んで詫びろクソ野郎!」

「(あれ? 誰かを蹴った?)あの…」

「あ、ごめん。大丈夫? 苦しくない? どこか痛むところは?」

「ぷはっ! 大丈夫です、アレ…じゃなくてスレアが守ってくれたから何も…。何かありましたか?」

「ああ、スリだよ。俺らを狙うなんて馬鹿だよな」

「南部でご迷惑を…。東部が落ち着いてから南部も人が増えてきて問題になってるのです…」

「ルフレが気にすることじゃない。ああ言う奴は帝都でもどこでもいるもんだ。それよりルフレが無事でよかった」

「いくら故郷と言えどスレアよりは慣れていますからご安心を! 勿論スレアより弱いけど、普通の街ではそれなりに強いからそこまで心配しなくても大丈夫。スレアから貰った魔力も多少留めておけるようになりましたしね」

「…」

「スレア?」

「俺からの魔力もあるし強いから大丈夫ねぇ…。ふーん…」

「スレ…っいた!」

「俺が掴んだ手を振り解けるなら信じてやる」

「いっ…!」

「で、どこが強いって? 心配ないって?」

「………ご、ごめんなさい…。自惚れていました…」

「こっちこそごめんな。でも油断は何よりの敵だから気を付けて」

「はい、解りました」

「(怯えたシルもやべぇ。笑顔にしたいのにあの顔見るとゾクゾクしてもっと虐めたくなる…。でも油断してほしくないし俺の庇護下にいてほしいからあれだけ脅しておけば大丈夫だろ)」

「(こ、怖かったぁ…! あんな…獲物を見るような狼みたいな目で睨まれて何もできなかった…。油断していないとは言え、やっぱり男の人には力で勝てない…。アレス様の近くにいるのが一番安全なのがよく解ったけど、これからも身体を鍛えよう!)」



「ルフレにはこれが似合う。絶対に可愛い」

「そう? じゃあスレアにはこっちのカフスとかどう?」


「さすがルフレ。何を飾っても可愛い。世界一可愛い」

「そこまでじゃないよ…。スレアにも宝石がよく似合うね」


「花を持ったルフレも可愛いな、よく似合ってる」

「そ、そうかな…?」


「食べる姿さえ可愛いなぁ…。こっちの果物も食べるか? 俺の分も食べていいぞ」

「…ありがとう…」


「お菓子大好きなルフレも可愛い。たくさん買って帰ろうな!」

「……」


「(あの飾られてる服もシルに似合いそうで)可愛いなぁ…」

「っもう、今は何もしていませんよ!」

「え?」

「え?」

「(…っあ。可愛いって言葉に反応したのか)」

「(ふ、服を可愛いって言ったんだ…!)」

「……」

「……アレス様…」

「はい…」

「何も言わないで下さい…死んでしまいます…」

「くくっ…!」

「笑わないで下さい!」

「何も言ってないだろ……っふ…!」

「アレス様が今日一日ずっと可愛い可愛いって言うからっ…。もういや…恥ずかしくて死んじゃう…!」

「シルが可愛いのが悪くて俺は悪くない」

「もういいです…。ルールにしましょう…。可愛いは一日三回とか!」

「却下。あーシルとずっと一緒にいると可愛いが更新されて最高に癒される。真っ赤になったシルも最高に可愛いよ。愛してる」

「~~~!!」

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