消え行く世界で9
「実は昨日泊まった家の私が寝た部屋でこんなものを見つけたんだけど、君はみたい?」
「なんだよ急に……『消滅の情報』?どういう本なんだ?」
「手書きみたいだよ。面白かったよ?」
「見せろ」
「じゃあ、今日もお風呂入りたいな」
「……可能ならやってやる」
「うん!じゃあはい、この本見ていいよ」
「ありがとう。ええと……消滅の中心地?」
その本には、消滅は2人が住んでいた県を中心に世界中に広がっていったと書いてあった。丁寧に世界地図の写真も貼ってある。その写真には、2人が住んでいた県を中心に同心円状の線がいくつも引かれていた。そして線には日付が書いてあった。1つの線ごとに1日のようだ。
「これが本当なら、俺たちが住んでた所に戻って原因を探すべきだな」
「……やっぱりそうだよね。この旅はなんだったんだろう」
「この3ヶ月はなんだったんだろうな」
「でも、やっと目的地ができたね」
「ああ。それじゃあさっそく向かう…なぁ、ここって何県?」
「……」
「……」
「よし、とりあえず別の県に行こう。県が変わるところに看板とかあるだろうか、それでわかる!」
「あそこに見えるのが通天閣だか大阪かな?」
「……そういえば見えるな」
「うん。じゃあ方位磁針使って帰ろうよ」
「そうだな……」
短いですが、話の流れがあるのでここできりました




