魔王② 真の漢
「くくっ」
「ご機嫌っすね、
『何か良いことでもあったのかい?』
閃光社のラノベなら前売りで積まれてましたけど それですか?」
「いやまぁ、それもあるけど違う。
コッチだ」
そう言って儂はエレベーター前のチラシ置き場で見つけた奴を見せる
「チラシ?……なになに……あぁこれですか
『WMOアップデート【ゲックスパック】
次回のWMOの大型アップデートに合わせゲックスで関連商品をご購入のお客様にWMOで使用できるアクセサリーをプレゼント』
そう言えば布勢さんWMOやってましたっけ 何級です?」
「Bランの5階級」
「高っ!布勢さん前に生産職とか言ってませんでしたか!」
「言ったな」
「何で生産職が戦闘職に混じってBランとかなれるんですか!」
「装備で蹂躙楽しいです」
「うわぁ~」
いや儂が半ソロの生産職でスキル構成も戦闘用のがほぼ無いってのは本当だよ?
素材狩りに付き合ってくれたAラン3級の戦闘職が儂の装備の性能表見たとたん目玉ひん剥いてたけど。
♪それからどうした♪
「いやね、これぞ『オタク』ってのにからまれまして」
「ふぅん、……あんな感じ?」
信号待ちで車を停めて窓の外を眺めていたら、ゲックス方向から駅方面に正に『オタク』って感じのが歩いて来た。
「あぁ、アレです」
「アレか」
『アレ』としか言い様がねぇよ……
「えぇ……」
「……」
歩いて来たのは正にデブオタ、ピチピチなシャツには女の子の絵がプリントされている。
薄暗く遠目からでも分かるほどに汗をかき、その手に握られたカバンからは筒状の物が……いやまぁポスターですね……が三本突き出ており、そのカバンにもイラストが、アレはもしや先月の即売会でソフトハウス○○が販売、ネット販売もしていなくて、その上発注数を間違えたとかで速攻で売り切れたとかネットで話題になってたやつか!
それを普段使いするとは……
その漢っぷりに儂が戦慄していると漢が走りだした。
「な、なんだ?」
近づいて来るデブオタ
正直見るに耐えない、顔が。
なんか、すっげぇ嬉しそうって言うか、
何なんだ?
「ふ、布勢さん!前、前!!」
あぁ、走り寄って来るな
何なんだあの満面の笑みは、
ホント何なんだ!
「ん?」
山元の声にうながされ、
横断歩道の方を見る。
女の子が足を押さえて倒れている
女の子が倒れている先には突っ込んでくる車が、
居眠りか?
周りは……車の中だったり、
店の中だったりで助けに行ける奴は居そうにねぇか。
……ふむ。
少女よさらば!
『転生トラァーーーック!』
何で間に合うんだ貴様、動けるブタか!
と言うか何だその掛け声は!
確かにテンプレっぽいけど!
如何にもって感じだけど!
普通の車だよトラックじゃねぇよ!
ってかその叫びはどうよ。
おっちゃん悲しくなるわ(汗
あ、死んだ。
えぇ~あんなに綺麗に華咲くもんか?
車の速度とデブオタの肉装甲で?
トラックに轢かれた猫でももっと原形 留めてるぞ?
だがまぁそれよりも、だ。
言いたい事がある
「少女に襲いかかる変態にしか見えなかったぞ」
これだな。




