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れとろげ!〜無趣味な男がレトロゲー好きの女に振り回される日々〜  作者: 税抜き100円の中古本
第二章「レトロゲーの女の子とデートしてみた」

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第十七篇「昨日のデートの疲れが残ってる状態で悪友のサクトと喧嘩してしまう話」

「昨日は夜まであっちこっち引きずられて疲れたぁ……」


 学校の校門を抜けるなりレイジは小首をコキコキ鳴らす。


 昨日のデートは思った以上に疲れたらしい。


 普段のレイジの休みはスマホを片手に90年代のアニメをサブスクで観て優雅に過ごすことが多かった。


 そこせいか久しぶりの外を散歩は想像以上に疲れたらしい。


「はぁ……」


 ため息をつき、校門中の玄関を渡る。


 すると、


「湯川。ちょっといいか?」


「教室に着いたら少しだけ仮眠でも取るかな」


 手を上げてフレンドリーに迎える千早サクトを無視しレイジは横を通り過ぎる。


「チッ……


」


 サクトの顔が不機嫌そうに歪む。


「待て! 人が挨拶してるんだから返事くらい返したらどうだ!?」


「あ、サク……今日も化粧のノリが良さそうだな」


 振り返ると今気づいた顔をする。


 思い出したように頷く。


「今度、メイド喫茶に連れて行ってやるから感謝しろよ」


「お前なぁ……」


 苛立ったように髪を掻く。


 サクトの声が震える。


「そ、その雲よりも軽い口調を俺の剣よりも鋭いアーサー王の持つ聖剣エクスカリバーの威力を持つ言葉で……」


「いちいち装飾語を使って喋るな、鬱陶しい」


「ッ……」


 サクトの目が本気でコイツ嫌いと言った顔になる。


 レイジの表情が少しだけ緩む。


「なんだ……他人をバカにしてるだけの奴と思ったが案外、バカにされると苛立つようだな」


「お前……いい加減」


 心を落ち着けようとする。


「天愛に付きまとうのをやめろ!」


「うん?」


 胸倉を掴まれレイジの目がパチパチなる。


「チッ……」


 サクトは苛立った表情を崩さず静かに怒鳴る。


「冷たき令嬢の乙女、天愛は本来お前みたいな河川敷に転がる虫のこびり付いた石ころのような奴と一緒にいていい存在じゃない。俺みたいに一軍勝ち組陽キャが一緒で初めて「楽しい」と感じられる高尚な存在なんだよ!」


「いちいち回りくどい! 後、服が伸びるから胸倉掴むな!」


「陰キャのくせにバカにしやがって」


「お前は自分を陽キャと思い込んでるだけの奴だけどな」


「な、なにを……!?」


 また胸倉を強く掴みレイジの身体を持ち上げる。


「ぐっ……このバカ力(ぢから)が」


「俺は普段からバットを振って鍛えてるんだ。お前みたいな日々怠惰に過ごしてる奴にからかわれていい存在じゃないんだよ!」


「その野球部を辞めたんだろう? どうせそのウザい喋り方に皆が拒絶して孤立したから逃げただけだろう。格好つけても日々いい加減に生きてるのはどっちだよ?」


「ッ……!?」


「ぐっ……」


 気付いたらサクトの左手がレイジの右頬を殴り飛ばしていた。


「先輩!?」


「え……?」


「あ……?」


 天愛の顔を認め、レイジはあちゃぁと困った顔をする。


 逆にサクトは得意げに胸を張る。


「喜んでくれ。お前に付きまとっていたストーカーとケリを」


「ッ!」


「え……?」


 頬を殴られサクトは意味が分からず目を瞬かせる。


「先輩、大丈夫ですか!?」


「……え、先輩って」


 自分を無視してレイジに駆け寄る天愛にサクトは困惑する。


「なんでそんな奴に近づくんだ?」


 自分が殴られた事実すら受け入られず困惑する。



つづく

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