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れとろげ!〜無趣味な男がレトロゲー好きの女に振り回される日々〜  作者: 税抜き100円の中古本
第二章「レトロゲーの女の子とデートしてみた」

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第十六篇「当たってもたかが知れてるだろう占いに少しだけ天愛がぷりぷりする話」

「さて……それじゃ引きますね」


 カードを引く。


 タロットカードには雷で半壊した塔の絵が描かれている。


「塔の正位置カード。意味は予期せぬ出来事」


 二枚目を引くと太陽の上に日食のように人の頭部をイメージした三日月の絵の描かれたカードが現れる。


「月の正位置カード。意味は用心すべき状況」


 三枚目を引く。


「愚者の逆位置。意味は冒険心が空回り」


 カードを三枚並べると占い師は考え込むようにレイジと天愛の表情を見比べる。


「二人の間に近いうちにしょうもない理由でトラブルが起きるね。しかも他人から見たら笑いのネタにすらならない理由で……」


 天愛の顔がムッとする。


「なんですか? レイジさんがしょうもない女に引っかかるとでも言いたいんですか?」


「それはもう引っかかってるからこのカードの占いじゃない」


「ふんっ!」


「いったぁ!? 足を踏むな!」


「ふん……」


 視線を逸らす天愛にレイジは踏まれた脚を必死に振り、痛みを逃がしていく。


 占い師は二人のやり取りが気に入ったのかふふっと笑う。


「最後に回避方法を教えるね」


 カードを引く。


「正義の正位置。意味は誠実。二人が嘘をつかないことが大事だね。うん?」


 不意にもう一枚カードを引く。


「これは……カップの2の逆位置。意味はすれ違い」


「すれ違い?」


 レイジの眉毛がぴくっと動く。


 占い師も少し呆れた口調になる。


「恐らく二人共正直に話し合えば試練は回避出来るけどもし重要な部分で嘘をつくと拗れることだね」


 引いたカードをデッキに戻し、トントンッと整える。


 占い師は少しだけ興味を失った顔で二人を見る。


「まぁ正直に言うと二人とも面倒臭そうな性格してそうだから……たぶん、試練は起きると思うよ。なんせお二方、自分本位そうだし」


「むっ……先輩をバカにすると許しませんよ!」


「お前のことも言ってるんだよ」


 レイジのツッコミに天愛は納得できない顔で不貞腐れる。










 路地街を抜けると天愛は少しぷりぷりした表情で足を前に出している。


「占い如きでここまで不快になるとは思いませんでした」


「いるよね。自分の望む答えじゃないから占い結果に怒る人……」


「なにが言いたいんです?」


「別に」


「ふん!」


 そっぽを向く。


「私は嘘をつきません! つく理由がありません! でも先輩が私に隠し事するなら……」


 ジトォ〜~と睨む。


「一生涯恨み続けて子々孫々まで語り継いであげますよ。先輩の愚行をね……」


「はいはい……」


 また手を繋ぐ。


 次の路地街に向けて歩きだす。


 不意にレイジの小首がかしげる。


「お前、さらっと俺とお前が子孫を残す前提で話を進めなかったか?」


「……先輩。どきどきメモリアルって知ってます?」


「知らん!」


「はははははは……」


 ギャルゲーを一ジャンルとして確立させた超ビッグタイトルの名前すら知らない無知さに天愛も呆れてモノが言えなくなった。


 誤魔化しには成功したが……



つづく

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